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[ 本格/新本格 ]
ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾 出版月: 1992年03月 平均: 7.07点 書評数: 88件

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講談社
1992年03月

講談社
1996年01月

No.68 6点 メルカトル 2013/12/16 22:26
再読です。
うーむ、分からない。何がって、みなさんの評価の高さがね。この作品のどの辺りが高評価に繋がっているのか、どうも私には理解できない。
はっきり言って『仮面山荘殺人事件』の焼き直し的な作品にしか思えないのである。フェアとかアンフェアとかはまったく気にしないほうだから、そんなことはどうでもいいが、3人の殺害シーンのリアルさはどうなんだろうな、とは思う。
後半の展開は読めてしまったし、勿論再読だから多少は記憶に残っていた部分もあるかもしれないが、自覚としてはほぼ忘れていた気がするので、鈍重な読者たる私をして予想できたということは、結構多くの読者がある程度予測できた後半の落としどころだったのではあるまいか。
まあ、初読の際もあまり感心しない内容ではあったと記憶しているが、やはり読み直してもイマイチパッとしないと感じられた。それにしても、これは本格ミステリと呼称するのには、私は抵抗を感じる。擬似本格というか、変格というのか、どちらかと言うとそんな呼び名がふさわしい一風変わった作品なのかなと思う。
ただ、結末は爽やかな余韻が残り、後味は悪くないし、動機は非常に納得のいくものなので、そこは評価できる。

No.67 6点 まっち 2013/12/15 13:35
オチが秀逸だと聞いたので読んでみました。確かに、やられた!という感じで驚きでした。芝居か?現実か?クローズドサークルということもあり、終始ワクワクしながら読み進められました。
三重構造(←読めばわかります)に至った動機にも納得。
ラストシーンが気に入っています。

No.66 8点 HORNET 2013/11/11 19:12
 個人的にはこのころの東野作品は大好き。ヒューマンドラマの要素も色濃く入ってくる最近の作風もそれはそれで好きだが、ミステリ的な挑戦色の濃いこうした作品は本格ミステリファンの嗜好にぴったりだと思う。
 タイトルからしてそそりますね。そしてその期待通り。中途半端に現実的になるより、思い切った虚構でミステリの面白さを追求しているところがいい。またこういう作品書いてくれないかなぁ。

No.65 8点 makomako 2013/11/03 08:01
 この作品は20年ほど前に読んだのだが、当時は本格物の変り種といった印象が強かった。作者はかなりのへそ曲がりで新手の種を思いついたのでさっさと書いてみたという風に思えたのです。
 今回再読してみるとこの物語はまるみえの虚構のようでそうでもなく、登場人物がだまされそれを読むものもだまされるといった凝った内容がとても楽しかった。最終的にある意味でのハッピーエンドでもあり最近の東野氏にない暖かさがあった様に思います。
 ただ犯人の執念はすごすぎますけどね。

No.64 8点 バード 2013/10/12 10:28
よく「仮面山荘殺人事件」と同じしかけと言われ比較されているので自分もそのように感想を書くとする。
自分が思うに仮面に比べ叙述トリックのレベルが1ランク上がっていると思える、仮面ではあくまで主人公だけが蚊帳の外ということだけを隠していたトリックだったが今回はその視点に本当の仕掛けがあり高度に感じた。その一方で登場人物たちはどうにも感情移入しにくいタイプが多く仮面ほどの物語性はない。
個人的には読み物の仮面に対し技の今作といった印象、ということで点数は仮面と同じで。

No.63 6点 E-BANKER 2012/11/21 22:56
1992年発表のノンシリーズ長編。
「仮面山荘殺人事件」との相似形が有名だが、ある意味非常に実験的な作品という気がする。

~早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女7名。これから舞台稽古が始まる。演じるのは、豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ。だが、一人また一人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれてくる。果たしてこれは本当に芝居なのか? 驚愕の終幕が読者を待つ本格ミステリー~

重厚な本格ミステリーではないが、「さすが」と思わせるプロット。
本作については未読だったとはいえ、作者の他作品の解説や何かの書評で大まかなプロットは知っていた。
ということで、「芝居」か「本当の殺人」かという部分については特に迷いなく読み進めたのだが・・・

まぁ、そんなことより、本作の肝は第四章(第四日目)で明かされる「あのこと」だろう。
ひとことで言うなら「典型的な叙述トリック」なのだが、叙述系作品を読み慣れた読者ならば「やっぱりそうきたか!」という感想になるかもしれない。
(「視点」についてはもはやミステリーファンの常識だもんなぁー)
でも、この大トリックを徹底的に生かすべく、考え抜かれたプロットであるのは確か。
伏線の張り方にも「さすが」と感心。

ただ、テクニカルな面では高評価なのだが、小説としてはやや陳腐な作品と感じは否めないと思う。
そのため、評点としてはこんなものかな。
(本作の解説も法月綸太郎氏。よく解説書いてるよなぁ、っていうか他の作家の作品よく読んでるよなぁ・・・)

No.62 7点 測量ボ-イ 2012/09/08 08:15
雪の山荘・・・嗜好の直球ど真ん中ですね。
解決は意外と奥が深く、あるようでない結末かも。
氏の作品にしては本格色が強く、満足できました。

No.61 5点 蟷螂の斧 2011/08/18 21:18
本格ミステリーを標榜?していたころの作品としては、平凡であった。設定は面白みがあるが、結末はいま一つという感じ。

(*2019.8追記~ネタバレ~叙述が評価を得ているようですが、それほど驚きを受けるようなものではなかった。久我(探偵役)はくるりと身を翻し、私を指さした。という場面。・・・身を翻し、雅美を指さした。それほど効果があるのかなあ。なぜならば作中「久我の独白」が挿入されており、久我の視点が描かれているから。この部分まで○○○で描いていたら、「アクロイド」張りに10点計上(笑)。)

No.60 8点 mozart 2011/06/20 16:48
無理矢理に見える舞台設定が秀逸。ヤられた感も結構あって、純粋におもしろい。細かな記述・表現に対する配慮も、ある意味当然なのかも知れませんが、ストーリー展開に気を取られて、見事に騙されてしまいました。

No.59 7点 haruka 2011/05/05 14:41
設定に不自然さはあるものの、映画「ソウ」にも通ずるオチは秀逸。

No.58 7点 つよ 2011/05/01 22:58
クローズドものが好きな人には。

No.57 7点 好兵衛 2011/04/23 21:04
東野氏で本格色が強い、ということで読んでみました。

ガリレオシリーズを読んでちょっと避けていたのですが。
この作品はおもしろかったです。

クローズドサークルではないのだけれど、
でられない状況。オーディション。役者達。
といった引きが 自分好みでありました。

そして大きなトリック。
多分・・・?元祖ですよね。奇抜でした。
素直に驚きました。
どうやって読者の目を欺いてやろうという意欲が感じます。
本格色も強いですね。
細かいところより、この形を考えたところが凄い。

ただ、見せ方が類似作品の方が上手いかな?と思いました。

No.56 10点 オレンジ 2011/02/28 15:12
文句なし。東野圭吾の中で特に好きな作品の1つです。
読んでない方にオススメします!

No.55 6点 misty2 2011/02/22 21:57
楽しく拝読。
閉ざされた山荘設定に、大変感心した。
最終部は小生好みではないが、犯行動機が納得できる作品。

No.54 3点 ムラ 2010/12/15 21:57
視点の描き方をごまかさずに書いていたので違和感がありましたが、それでも楽しめました。
ちょっとどうなの? って突っ込めるところは多かったですが。
甘いと思ったのは主人公がどうも都合のよすぎる天才になってたくらいですかねぇ。序盤のキャラクターを見てると、後半の変わりように違和感。

No.53 6点 まさむね 2010/10/06 18:33
現実には閉ざされていない中での「クローズドサークル」。
なるほど。面白いですね。
現実か芝居か分からない,微妙な展開。
なるほど。巧いですね。

<以下,未読の方注意>
オチは,まあ,なるほどって感じですが(決して嫌いではないけど),例の女性にとってちょっと無理がありすぎるような気がしますね。4日間ですよ。求道者かよ・・・ってことでこの点数。

No.52 5点 okutetsu 2010/09/02 17:38
おもしろいとは思いますが
先に仮面山荘を読んでしまったため種がなんとなく見えてしまいましたね
てか同じ作家で似たようなネタを使うってどうなんでしょう

No.51 6点 kanamori 2010/08/28 12:00
疑似”雪の山荘”もので劇団員による殺人劇というプロットは、作者の別作品から派生したような内容ですが、本書は著者には珍しい××を誤認させる叙述ミステリでした。
ある隠蔽が、作品中の登場人物に対すると同様に、そのトリックにより読者に対しても同じ効果をあげているというユニークな構図になっていて面白いと思いました。

No.50 7点 Tetchy 2010/06/05 23:12
「嵐の山荘」でありながらも、実際は雪は降っていないし、殺人も遺体が残らず、事件がどのように起きたかを知らせるメモが残されているのみ。しかし舞台劇を想定しながらその実、劇団員が1人、また1人と消えていくうちに団員たちの中に不信感が生まれ、疑心暗鬼に陥る。これは芝居なのか現実なのか?この辺のフィクションと現実との境が解らなくなっていく展開が非常に上手い。

これを実際に舞台劇として演じられると非常に面白いかもしれない。劇中劇という設定で劇の中の演者がさらに演技を要求され、それが観客に虚実を混同させる効果を生み出し、どこまでが演技でどこからが素なのか解らなくなりそうだ。いや実際既にどこかの劇団で公演されたのかも。

最後はなんだか作者自身が気恥ずかしくなったかのようで、ちょっと拍子抜けしてしまった。

さて皆さん感想で『仮面山荘殺人事件』に触れているので逆にそちらを未読の方は先に『仮面山荘~』を読んだ方がネタバレにならなくていいかも。

No.49 7点 STAR 2010/02/26 16:09
クローズド・サークルもので、橋が落ちて・・・とか島で・・・とかよりもこの作品の設定のほうがありそうで自然な感じがしました。
予備知識なく読んだので、やられた!と楽しめました。
どこまでが芝居?現実?と考えながらハラハラしながら読めました。

久我は最初は恋心に燃えるイヤな男性→いい役へと徐々に変わっていきます。登場人物が生き生きとしていると思います。


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