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[ 本格/新本格 ]
りら荘事件
星影龍三シリーズ/別題『リラ荘殺人事件』
鮎川哲也 出版月: 1958年01月 平均: 7.49点 書評数: 65件

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光風社
1958年01月

小説刊行社
1960年01月

春陽堂文庫出版
1961年01月

KADOKAWA/角川書店
2015年06月

光文社
2020年10月

No.45 10点 フランコ 2015/02/05 09:55
個人的に、高木彬光の「人形はなぜ殺される」と並ぶ国内本格探偵小説の最高峰。魅力的な謎と論理的な解明、個性的な探偵、余情あるエンディングなど美点多数。クリスティ、クイーン、カーらの古典的傑作に比肩する名作。時を経てもその魅力は色褪せない。

No.44 8点 ミステリ初心者 2014/05/30 19:47
ネタバレを含みます。


 本格好き垂涎の要素があります。 登場人物が一ヶ所に集まっての連続殺人。 死体のそばに必ずカード。 とても多い複線と回収。 
 かなり早い段階から人が死に、間をおかず連続殺人に入るため、物語がだれなく一気に読めます。
 叙述トリックや、奇想天外大トリックの類はないけれど、本角度の高い本物の推理小説でした。


 あえて気に入らない点を書くと・・・
 犯人に有利な偶然がある。
 あらかじめ砒素に耐性をつけるトリックは、有名?だけども知識がいるとおもう。色白云々然り。
 最後の殺人は、また別の犯人になる。すべて1人の犯人ができる犯罪のほうが好み。

No.43 9点 sophia 2014/04/13 01:15
毒殺のトリックが本当に可能なのか甚だ疑問。
それに人がたくさん殺されているのに登場人物たちの警戒感が薄くて非現実的。
ただ、それらの難点を補って余りあるくらいグイグイ読ませる作品。
本格好きにはたまらない。
名作と言って差し支えないと思う。

No.42 10点 ボナンザ 2014/04/07 01:58
後の新本格派に多大な影響を与えた金字塔。トリック一発勝負がはびこる現在だからこそ読んでほしい。全編にアイディアと作者のエネルギーが行き渡っている。

No.41 8点 メルカトル 2013/11/24 22:16
これぞ本格推理小説の王道を行く傑作ではないだろうか。
書かれた年代を考えれば、数々のトリックやプロットは見事だと思う。まさに本格パズラーのお手本のような作品。
まあ今読めば細かいアラが見えてくるかもしれないが、当時(確か高校生の頃だったと思う)の私には十分新鮮な印象を持った。特にトランプを利用したトリックには感心した、これは読者の盲点を突くさすがの仕掛けだと思う。
ただ、何人かの方が指摘されているように、次々と殺人が起きているわりには、緊迫感が欠けるというのは否めない。
だがそれはそれとして、やはりこの作品は鮎川哲也の代表作だと私は思う。

No.40 7点 とあるミステリマニア 2013/08/18 14:46
著者の作品は初めてでしたが面白かったと思います。
犯人の用意周到さに脱帽です。
ただ探偵の登場が遅すぎるような…(^^;;
もう少し探偵の描写が個人的には欲しいところです。

No.39 6点 いいちこ 2012/01/29 14:13
黒いトランク同様、精緻なロジックで組み上げられた本格パズラーで論理性は評価。
ただし連続殺人が発生しているのに被害者が一向に逃げ出そうとせず、緊迫感に欠けた描写が淡々と続くストーリーテリング、偶然性の混入と登場人物の特異体質に頼った2つのトリックも減点材料

No.38 7点 蟷螂の斧 2012/01/18 18:50
細かいトリックの積み重ねで、読みごたえはありましたが、緊迫感がやや欠けていたと思います。物足りないものは美人の登場がなかったことでしょうか、やはり「華」がありません。作中ではいろいろの「花」はでてきたのですが・・・。(美人の登場うんぬんについては、解説に著者談がありましたが)

No.37 8点 モグ風 2011/12/12 12:16
ストーリ展開が素晴らしい。
最後のほうはいろんな意味で強引過ぎる。



(以下ネタばれあり)


ストーリー展開は そして誰もいなくなった みたいな展開で
これは誰が犯人なの?すごいのでは?と思ったが
最後の殺人に使われたトランプをなぜ持っていたか?なぜそれをてにいれるためにわざわざ~~~~。
そこらへんが無茶苦茶でも総合的にはこの評価です。

No.36 4点 haruka 2011/06/18 16:38
「黒いトランク」に続いて読んでみたが、相変わらずロジックの精緻さはあるものの、お話として「黒いトランク」以上に見所がなく、途中から誰が殺されても誰が犯人でもいいや、と思ってしまった。

No.35 8点 misty2 2011/05/26 22:27
楽しく拝読。
登場人物名が覚え難く、当初戸惑った。
陸の孤島でもないのに居残る設定が不思議であるが、フェアで良い。
この様な作品は久々である。
氏のファンになり、「黒いトランク」を発注した。

No.34 6点 あびびび 2011/05/02 12:55
刑事が二人リラ荘に滞在しているのに、止まらない殺人。そのスピード感?がフーダニットを加速させている。

しかし終盤に探偵・星影龍三が登場するやいなや、あっさり解決して刑事二人は恥の上塗り。いろいろな伏線は後で言われれば「なるほど…」というものもあった。特にトランプのカードはうっかりしてしまう。ただ、色白の薬とかは、もうひとつ納得できない。

「黒いトランク」を含めた鬼貫シリーズの方が好きかも。

No.33 6点 kanamori 2010/07/31 21:42
良くも悪くも、これぞ本格パズラーの王道といえる作品。
派手なトリックはないが、考え抜かれたトリックが多数用いられている。特にトランプのカードを使った欺瞞がピカイチ。
一方、将棋の駒のような登場人物、連続殺人が起こっているのに緊張感がない雰囲気創りの下手さなど、小説としてはあまり感心できる内容ではなかった。

No.32 7点 りゅう 2010/04/24 10:53
 期待が大きかったせいか、期待ほどでもなかったと言うのが正直な感想。不満の原因は、犯人が使っているトリックがスマートではないと感じることだ(実際、トリックを使ったがために、さらに犯行を重ねるような結果になっている)。
 多くのトリックが使われているが、中には読者が特殊な知識を持っていなければ看破できないものがあり、アンフェアな感じがする。殺人の動機も理解しがたいものが多く、最後の殺人が謎をより一層複雑にしている。読者が完全正解にたどりつくのはほとんど不可能だと思う。
 細かな伏線が巧みに貼られていて、良く出来た作品だとは思うが。 

No.31 8点 itokin 2010/04/07 18:18
鮎川氏の実力を思い知った作品です。大掛かりなトリックなどはなしで読者を最後まで謎解きに誘い込みます。もちろん私は最後まで犯人は解からなかった。星影探偵の登場が謎解きの説明になっているのが残念。しかし、1950年代にこのような作品を書けたことは脅威です。

No.30 7点 touko 2010/02/15 21:49
設定や人物が古臭いのは古い作品なので当たり前、薄っぺらなのは、本格での人物その他はむしろ記号の方がいいという考え方もあるから譲歩するにしたって、この動機、戦前の文学でもここまでのは読んだことないですよ……いっそ日本じゃなくて、イスラム圏の話にでもすればよかったのに、強引すぎないですか?
でも、この動機じゃなくて犯人は単なる快楽殺人犯だったというのでも、この名作パズル小説の価値は変わらないんでしょうねえ。
そこが素晴らしいところでもあるんですが、もっとマトモな人物、動機等だったら、少なくとも私がこのサイトでもうちょっと点数は上げてるかも(笑)。

No.29 8点 文生 2010/01/22 08:25
日本本格ミステリーにおける代表的傑作。
大がかりなトリックを仕掛けるタイプの作品ではない。
小さなトリックの積み重ねによる隠蔽工作とそれを打ち破るロジックの構築が美しい。

No.28 8点 E-BANKER 2009/12/10 23:05
星影龍三シリーズ。
まさにフーダニットの代表作とでも言うべき一作ですし、さすがの面白さです。
秀逸なのは、殺人現場に残される「トランプ」の仕掛けでしょう。単にストーリーを盛り上げる小道具的扱いではなく、○○○○トリックと絡めての仕掛けは素晴らしい発想です。
確かに動機の弱さは感じますし(特に第4の殺人以降)、最初の事件はちょっと偶然性が強すぎる気はします。
ですが、それは本作の作風からすれば、あまり重要視しなくても良い部分でしょう。
作品中に散りばめれた伏線にどれだけ気付けるかという、「謎解き」の醍醐味が味わえる傑作という評価です。

No.27 8点 いけお 2009/11/13 00:08
人物や設定のリアリティの無さは仕方ないがあそこまで無能だと警察はあえて登場させない手もあったのではと思う。
細かいあらはあるがプロットの巧みさやロジック重視の解決で余りあるカバーをしている。
探偵の推理力が異常なほど高いのでそこに説得力を持たせる描写も欲しかった。

No.26 9点 isurrender 2009/10/30 21:58
だいたいのトリックの概要はわかったけど、それでも楽しめる
犯人が予想以上に賢くて驚いたけど(笑


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