皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ クライム/倒叙 ] 完璧な犯罪 |
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鮎川哲也 | 出版月: 2013年05月 | 平均: 5.67点 | 書評数: 3件 |
光文社 2013年05月 |
No.3 | 6点 | 測量ボ-イ | 2020/06/13 08:44 |
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小粒感はありますが、まずまずの内容。
全て基本的に倒叙ものですが、犯人にとっては不運な偶然で犯行が 発覚するケ-スが多く、ちょっと興ざめ感もあります。 個人的なベストは「自負のアリバイ」。題名通り、これは凝ったア リバイ作りです。でもこれも、発覚はただの偶然なんですよねえ。 〇〇を〇〇に取り違えたとは、何とも皮肉。 (余談) およそ2ケ月ぶりの投稿です。原因は勿論コロナ・・・地元図書館 が閉鎖されて、読む本がなかったからです。自宅にある、既に読んだ 本を再読する日々が続きました。皆さんはどうでしたか? |
No.2 | 6点 | 斎藤警部 | 2019/02/07 22:36 |
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小さな孔/或る誤算/錯誤/憎い風/わらべは見たり/自負のアリバイ/ライバル/夜の演出
(光文社文庫) 殺人者がへまをして、完璧とはほど遠い犯罪が暴露されまくる物語集。どいつもこいつも小道具使いの小味な倒叙短篇。音楽ネタがチョィチョイ出て来るのは良いぞ。 |
No.1 | 5点 | E-BANKER | 2018/08/12 21:14 |
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数多い作者の短編の中から、“倒叙もの”を集めた作品集。
光文社からは同じく倒叙ものの「崩れた偽装」に続いて刊行されたのが本作。 もちろん「アリバイトリック」がメイン。 ①「小さな孔」=夫の愛人が子を身籠る自体に憤慨した妻はついに夫を殺すことに。完璧だったアリバイトリックが瓦解するきっかけとなったのは、まさに小さな「孔」だった・・・。こんなこといくらでも誤魔化せる気がするけど・・・ ②「ある誤算」=まさに一つの「誤算」から犯行が暴露される刹那・・・。推理小説を何冊も読み、必死で組み上げたトリックが“あんなことで”崩れるとは・・・ご愁傷さまです。 ③「錯誤」=誤算のつぎは「錯誤」ですが、誤算というよりは「不運」と呼んだ方がいいと思う。几帳面な性格が裏目に出ることってあるよなぁー。ご愁傷さまです。 ④「憎い風」=これもなぁー、ご愁傷さまとしか言いようがなんいだけど、こんな適当なトリックで通用すると思う方がどうかしている。 ⑤「わらべは見たり」=うーん。ここまでくるとワンパターンすぎて飽きてきた。準備に時間をかけ、練りに練った殺人計画がほんのちょっとの偶然で瓦解する・・・。①~④と同様。 ⑥「自負のアリバイ」=典型的な倒叙もの。犯人役の夫が典型的なナルシストなのが鼻につく。最後は実にあっけなくトリックが瓦解することに・・・。お気の毒。 他に文庫未収録の「ライバル」「夜の演出」の2編を併録。 犯人役がかなりマヌケなのが物悲しさを誘う。 ああでもないこうでもないと、苦労して作り上げた犯行計画が、いとも簡単に見抜かれてしまうのだから・・・ 作者も人が悪い! もう少し勞ってあげればいいのに・・・ こんなチンケなアリバイトリックで何とかしようなんて、そもそも虫が良すぎるということか。 いずれにしても小粒&小品。 作者のアリバイトリックを堪能するなら、やっぱり鬼貫警部シリーズの長編に限る。 (どれも似たような水準。敢えて言うなら①かな) |