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[ 本格/新本格 ] 碑文谷事件 鬼貫警部全事件(1) |
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鮎川哲也 | 出版月: 1999年07月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 4件 |
出版芸術社 1999年07月 |
No.4 | 5点 | E-BANKER | 2024/01/06 15:45 |
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久々の鮎川哲也である。「鮎川哲也賞」受賞作はそこそこ読んでいたけど、肝心の鮎川作品はここのところ全く手に取ってなかったなあー、ということで既読作品も多いはずだけど、未読もまだまだ多いはず!
本作は出版芸術社が編んだ「鬼貫警部登場作」に拘った作品集の第一集。 ①「楡の木荘の殺人」=①と②は鬼貫のハルビン赴任中の事件(かなり昔ということだ!)。で、主題は当然のごとく「アリバイ」ということになるのだが、まあトリック自体はたいしたことはない。基本的な〇所の誤認を使ったもの。 ②「悪魔が笑う」=これもアリバイトリックなのだが、もはやトリックというほどのものでもない。ちょっと捜査すれば分かるでしょ!というレベルなのだから。鬼貫もまだ若い頃なんだろうけど、この程度ならすぐに推理できてしまう。 ③「碑文谷事件」=まさに“ザ・鮎川哲也”と呼びたくなる鉄道アリバイトリックもの。真犯人が弄したふたつのアリバイトリック。1つめの写真を使ったトリックはいくら何でもダメだろう。簡単な聞き込みで容易に瓦解するのだから。問題は2つめ。「しまだ」と「いわた」と聞いてもしかしてとは思ったけど、まさかその通りとは・・・ ④「一時10分」=これも鉄道を使ったアリバイトリックがテーマ。ただし、手近な「湘南電車」だし、これも実際に乗ったらすぐに判明する程度のトリックというのが辛い。電話のトリックもなあー、子供だまし。 ⑤「白昼の悪魔」=これは完全にタイトル負け。悪魔というほどでもない。鬼貫警部にかかれば、こんなトリックなんてあっという間に解決だ! ここでやっと丹那刑事が登場してくるのがうれしい。 ⑥「青いエチュード」=これもアリバイトリック自体はたいしたことはないが、味わいの良い作品。今回の鬼貫警部はなんだかカッコいい。 ⑦「誰の屍体か」=身に覚えのない郵便物が三人の画家のもとに届いた。中身はそれぞれ硫酸壜とヒモ、そして拳銃・・・。何となく引っ張り込まれるような冒頭から始まるある事件。死体の首がなかったために被害者が特定できないなか、若き美しい女探偵が登場する。ということで、起伏に富んで面白い作品。犯人がそこまでしないといけなかったのかは甚だ疑問だが。 ⑧「人それを情死と呼ぶ」=後に長編化されておりそちらか既読。そのときも高い評価はしていなかったのだが、原作の方も同様。しかもこちらは鬼貫警部が未登場なのでなおさら評価は下がる。アリバイトリックも「つまらない」のひとこと。 以上8編。 もちろん鮎川は大好きだが、本作を高評価するのはさすがに厳しい。 長編だと、いい意味で作者の遊び心が味わえるのだが、短編ではそれも難しいからねぇ・・・ まあでも、今さら鮎川作品を私ごときがどうのこうの批評すること自体が随分と失礼な話である。 ということにしておこう。 (個人的にはやっぱり③が抜けているとは思った) |
No.3 | 7点 | ねここねこ男爵 | 2018/05/05 21:06 |
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粒ぞろいの短編集。作者得意のアリバイもの中心に水準以上の話が多く楽しい。個人的に「1時10分」「誰の屍体か」がよかった。
「青いエチュード」は、こんな話ないかなとずっと思っていたものの具現化で少々驚いた。やっぱりみんな考えるんだなぁ。 また、「人それを情死と呼ぶ」の中編バージョンが読める貴重な本。 |
No.2 | 6点 | ボナンザ | 2014/04/09 23:25 |
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碑文谷と誰の屍体かは絶対の傑作。個人的には後者が大好き。
それ以外だと1時10分がやや頭抜けた傑作。 |
No.1 | 6点 | tenkyu | 2001/07/26 03:59 |
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「楡の木荘」「悪魔が笑う」と満州時代の鬼貫警部補ものが楽しめるのはいいが、「碑文谷事件」と「誰の屍体か」ぐらいしか面白くなかった。 |