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Re-ClaM 第4号 F・W・クロフツの”Humdrum”な冒険 Rediscovery of Classic Mystery |
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雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 出版月: 不明 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
No.1 | 7点 | 弾十六 | 2022/08/13 17:54 |
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私は電子版を購入しました。元々は同人誌として2020年4月25日に発表されたもの。書籍版にはエドワード・D・ホックの短篇「ゴーストタウン」も掲載されていたらしいです。
最近、クロフツさんを徐々に読み進めていますので、嬉しい特集でした。淡々とした文体がクセになるんですよね。そして「当たり前のように真っ当な生活をしている市民たち」がクロフツさんの隠れテーマだと思います。 短篇小説は以下の三作が収録されてます。 (1) Dark Waters (初出: London Evening Standard 1953-9-21)「暗い川面」F・W・クロフツ、倉田 徹 訳◆ 創元『クロフツ短編集1』の収録作品のような小品。切れ味良し。 (2) The Fingerprints (初出: MacKill’s Mystery Magazine 1954-2)「指紋の罠」F・W・クロフツ、三門 優祐 訳◆ 同上。まあまあの作品。 (3) Lock Your Door「鍵をかけろ」アルジャナン・ブラックウッド、渦巻栗 訳 (初出はラジオ放送: BBC Home Service 1946-5-6)◆ ブラックウッドは、可愛い老嬢を活躍させるのが上手い。そしてブラックウッド自身が語るTV番組(1948年3月)がYouTubeで見られるとは!しかも綺麗な映像で!当時79歳で、発音がやや不明瞭なところもありますが、立派なモンです。 その他の記事は以下の通り。 【特集】F・W・クロフツの”Humdrum”な冒険 [レビュー]F・W・クロフツ全長編解題 [資料]F・W・クロフツ長編リスト◆今なら電子版についても触れるべきかも。 [特別寄稿]『樽』のミスを確認する(真田 啓介)◆鮎川の言う例のミスの解釈。1996年に発表された塚田よしと氏によるもの。私も同じこと思ってました! [特別寄稿]短篇集『殺人者はへまをする』をじっくりと読む(小山 正)BBCラジオ・ドラマ ”Chief Inspector French’s Case”(1943-1945) 全リスト(18話)と”Here’s Wishing You Well Again”(1943-1944)のクロフツ担当部分の全リスト(5話)あり! [論考]英米から見たF・W・クロフツ(三門 優祐)◆カーティス・エヴァンズ Masters of the “Hundrum” Mystery(2014)からクロフツについて紹介。 【連載&寄稿】 ・Queen's Quorum Quest(第39回)(林 克郎)#65 Carrington’s Cases (1920) by J. Storer Clouston ・A Letter from M.K.(第3回)(M.K.)洋書ミステリ7冊の感想 ①Harry Carmichael “Put Out That Star”(1957)、②Inez Oellrichs “And Die She Did”(1945)、③Wallace Jackson “The Zadda Street Affair”(1934)、④A. Fielding “Scarecrow”(1937)、⑤Guy Morton “The Silver-Voiced Murder”(1933)、⑥Inez Haynes Irwin “The Poison Cross Mystery”(1936)、⑦Simon Stone “Murder Gone Mad”(1950) ・海外ミステリ最新事情(第5回)(小林 晋)フランスのミステリ研究誌/復刊・新刊情報/クラシック・ミステリ原書新刊情報(2019/10-2020/3) ・『ギャルトン事件』を読む(第1回 ロス・マクドナルドの比喩)(若島 正) [レビュー]「原書レビューコーナー」(小林 晋)バンド・デシネJean Harambat “Le Detection Club”(2019)、Peter George “Cool Murder”(1958)、Van Siller “The Widower”(1958)、George Bellairs “The Four Unfaithful Servants”(1942)フランス語版による評価、George Bellairs “Calamity at Harwood”(1943) [ニュース]真田啓介ミステリ論集 刊行に当たって(荒蝦夷 & 土方 正志) |