皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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ミステリが読みたい! 2010年版 早川書房編集部編 |
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雑誌、年間ベスト、定期刊行物 | 出版月: 2009年11月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 3件 |
早川書房 2009年11月 |
No.3 | 6点 | 臣 | 2009/12/09 15:06 |
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立ち読みで済まそうと思っていたが、内容に引かれて衝動買い。ガイド本で高い支払いはいやだから、今シーズンは、『このミス』『本ミス』は立ち読みか、図書館か、あるいは古本にするつもり。
本書の良い点は、先日読んだ『新海外ミステリ・ガイド』と同様、ジャンル別のランク付けがあること。以前から思っていたが、ランク付けや書評を、ミステリという1つのくくりでするのはどう考えてもナンセンス。このような売り物のガイド本のランキングや書評は、作品をジャンル別、目的別にじっくりと吟味できるように分けるのがベストだと思う。こういうランキング方式をもっと浸透させてほしいですね。 その他の特徴点としては、ランク付けにストーリー、サプライズ、キャラクター、ナラティヴという4つの基準をもうけて採点しているところ。私の基準としてはストーリー、サプライズ、キャラクター。ナラティヴ(文体)も気になるが、好みが分かれるので点数は参考にしない。 それに、作品紹介と解説に徹底しているのも良い。『このミス』の座談会とか隠し玉などの企画物は工夫が感じられるし、それなりに楽しめるので捨てがたいが、すこしでも多くの作品情報を得たいと思っている読者には本書のほうが向いている。 また、『ベスト100 for ビギナーズ』は、ちょっとした事典代わりになるのが良い。 細部の話だが、今年のベスト100の中にドストエフスキーの『罪と罰』があったのは驚きだった。この小説をミステリとして扱ってくれたのは、ファンとしてうれしい。 (ちょっと余談を) 書店で本書のとなりに並べてあった『本ミス』は早々にパスすることにしたが、むしろ、反対側のとなりに置いてあった、権田萬冶の『松本清張 時代の闇を見つめた作家』と、そのとなりの連城三紀彦の『造花の蜜』(本書の国内ベスト1)には、食指が動いた。結局買わなかったけどね(笑)。 |
No.2 | 3点 | 江守森江 | 2009/12/07 12:03 |
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この種のランキング本は、ミステリーを扱っているのでミステリーの範疇外な作品扱いな2点にはしないが、所詮雑誌に過ぎず一律3点(特例を除く)
ランキングだけざっと眺めたが、海外作品の流行に興味が無いので、この種の本で国産に弱い早川が一番どうでも良い。 先々、確実に古本屋の百円棚に並ぶ(出版不況の影響で地方では無理かも)が、それすら買う気が起きない。 この手のランキング本全般に言える事だが、これだけエコな時代に、わざわざ出版して紙ゴミを増やさず、各出版社のホームページ等でランキングだけ発表すれば良いと思うのだが(ランキングの宣伝効果は、出版物とさほど違わないと思う) 最近の流行を知る為だけなら、ネットの書き込み、立ち読み、少し遅れて図書館のいずれかで不買対応したい。 「このミス」が不要希望に屈せず短編小説を掲載するのは上記な不買対応の対抗手段だと思っている。 |
No.1 | 6点 | mini | 2009/12/07 10:15 |
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『ミス読み』とも略されるが『早ミス』とも呼称される
もちろん早川書房だからだけど、面白いことに他のライヴァル誌に比べて呼称通り刊行時期がひと月ほど早い だから例えば昨年度の国内ものだと、連城の「造花の蜜」などは刊行時期がタイミング悪くて他誌では間に合わなかった感じだが、締め切りがひと月ほど前倒しの『早ミス』は翌年度扱いになるので2010年度版では国内1位だ まぁ逆に言えば1年遅れてるようにも感じてしまうが こういうのは整合性の観点から各誌締め切り日時を合わせるべき、という意見も当然出るかもしれないな で2010年版『早ミス』だが、この表紙はミシュランかよ(笑) 昨年の表紙デザインが『このミス』と被ったからか(追笑) 内容も思い切り刷新していて、まるで目録と化してるとの批判もあるようだが、この種のガイド本としての性格上だと目録で良いんじゃないの?私は好きだぜ、こういう編集方針 少なくとも保存版資料価値としての目録の充実度だけなら断然他誌を圧倒する むしろ肝心のランキングが要らないくらい(笑) こういうスタイルで作らせたらやはり早川の編集部は上手いよな 恒例の早川刊行の本が上位に来る傾向はご愛嬌 ところで巻末の特別企画”海外ミステリー・オールタイム・ベスト100 for ビギナーズ”だけど、入門向けという意味ではちょっと疑問 初心者向け限定ではない一般的な”名作100選”みたいな趣向での集計結果とあまり変わらん 評論家などの投票者諸氏がもう少し初心者向けという条件を考慮すべきだったと思う 何名か同一作家の作品が複数入っていて、例えばJ・エルロイも3冊入っている 犯罪小説やノワールも入れて本格に偏らない配慮は良いと思うが、入門向けにエルロイ3冊はちょっと重いんじゃないかなぁ エルロイを1冊に絞りその分を軽いE・レナードとかに振り分けた方がバランスが取れた気もするが 軽さと言えばケンリックも100冊内に入ってないし クリスティーとかごく一部の作家を除き、基本的に1作家1冊に絞った方がより多くの作家を紹介できるしね |