海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
眩暈
御手洗潔シリーズ
島田荘司 出版月: 1992年10月 平均: 6.86点 書評数: 44件

書評を見る | 採点するジャンル投票


講談社
1992年10月

講談社
1994年12月

講談社
1995年10月

No.44 5点 ボナンザ 2021/02/25 21:05
長さの割に暗闇坂に比べるとややトリックのスケールが小さいだろうか。

No.43 6点 レッドキング 2018/09/03 10:17
これは好きだ 清張や「火車」味の犯人に ホラー風味もなかなか ただあの建物の秘密あれバレるだろ もっと高層か複雑構造の方がよくね

No.42 3点 いいちこ 2016/08/29 19:09
冒頭に提示される謎の不可解性・不可能性は相変わらず抜群で、傑作を予感させるのだが、肝心の真相解明でその予感が見事に裏切られた。
明かされた真相は決してアンフェアではないのだが、登場人物の不可解極まる行動や、必然性のない異様な偶然の集積でしかなく、言葉を選ばずに言えば「作者による強引な辻褄あわせ」とさえ感じる。
肝心のメイントリックは、作品中盤以前に明らかにされ、しかもそのヒントが露骨すぎるために、解明されるまでもなく察せてしまう。
その後、膨大な紙幅を費やして解明されるのは、作品の本質から言えば枝葉・ディテールであり、読者が作品冒頭のテンションを維持することは難しい。
作者の高い力量を認めるが故に酷評しているが、「暗闇坂」以降、文字どおり坂を下っていく作者の低迷期を象徴している作品

No.41 5点 nukkam 2016/07/03 06:37
(ネタバレなしです) 1992年に発表された御手洗潔シリーズ第6作で講談社文庫版で650ページを超える本格派推理小説です。大作の割に読みやすいのはさすがですがグロテスクな描写にはちょっとげんなりしました。「暗闇坂の人喰いの木」(1990年)のグロテスクな場面はそれほど気にならなかったのになぜ本書の場合は肌が合わないのか自分でも明快な理由を見つけられないのですが。大掛かりなトリックを用意しているのがこの作者らしいですが「斜め屋敷の犯罪」(1982年)や「水晶のピラミッド」(1991年)のトリックほどの破天荒さは感じません。かえってトリック成立に無理があるのが気になってしまいました。

No.40 8点 斎藤警部 2015/08/09 00:14
冒頭から謎の巨大エネルギーに呑み込まれました。島田荘司ミステリならではの壮大なトリックに貫かれた、ただ謎とその解決にのみ捧げられる大河物語。

「手記」に、ある種の悪魔的アリバイトリックめいた秘密が隠されていた事には全く気付きませんでした。 手記内容の異様さも然ることながら、異様なマンションの構造、光景も記憶に残るなあ。。

読後振りかえれば、全ては謎とその解決の為に建築され破壊された幻の楼閣がそこに。 眩暈無しにはとても立ち去る事が出来ません。。

No.39 6点 TON2 2012/11/13 19:03
講談社文庫
複数の死体を切断して1体の死体を作るという手記を巡り、御手洗潔が謎を解きます。
この手記は単なる精神異常者の妄想かとされていたが、御手洗は実際のできごとと看破し証明します。
たしかに設定やトリックは奇抜ですが、トリックのために話を進めているという点が鼻につきました。

No.38 7点 E-BANKER 2011/02/20 21:20
御手洗潔シリーズ。
「暗闇坂」・「水晶のピラミッド」に続く大作第3弾。久々に再読。
~切断した男女が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかり。「占星術殺人事件」を愛読する青年が書き残した戦慄の日記が指し示すものは何か? 奇想の作者が放つ驚天動地のトリックとは?~というのが大まかなストーリー。

「摩訶不思議な手記(日記)が読者に示され、探偵役が的確なロジックに基づいて解決していく」というのはミステリーではよく見かけるプロットだと思いますし、本作にも登場する「占星術殺人事件」もまさにこのパターン。
そもそも、事件の正体そのものはそんなに大したことはないんですよねぇ・・・メイントリックそのものは、注意して読めば気付く程度ですし、「両性具有者」の件は煽るだけ煽って、ちょっとがっかりな結末かなと思ってしまいます。
ただ、さすがに島田荘司! 他の作家では感じることのできない「スケール感」があります。ストーリーの前段、古井教授との会話で語られる「脳科学」の話などは、この頃の作品から作者のメインテーマとなっていく題材であり、この辺の取材力だけでも賞賛に値するでしょう。
とにかく、「長さ」は仕方ないとして、一読する価値のある作品という評価です。トリック部分に目新しいものがないので、評点はこの程度。
(「畸形児」の話はなかなか衝撃的。「サリドマイド」は今となっては古い話ですが、過去確かにあった話なのです。TVで何度も見た・・・)

No.37 5点 toyotama 2010/11/18 04:56
御手洗の推理がズバズバ的中する前半というのは、読み応えがあるんだけど、真相を言い当てたあと、残りのページからみて、ドンデン返しを考えた読者もいたはず。。
手記の再掲は飛ばしちゃったなぁ。

No.36 4点 seiryuu 2010/07/16 17:39
大体のトリックは中盤ぐらいにわかってしまう。
やや強引なトリック・・・
後半にまた前半の手記部分が出てきたとき眩暈がした。
結末もスッキリしない。
今回の御手洗はあまり好きじゃない。

No.35 8点 メルカトル 2010/07/03 23:45
冒頭の一見荒唐無稽な手記を、現実の出来事として解釈し、実証してみせる豪腕は相変わらず見事と言ってよいだろう。
しかし、マンションとエレベーターのトリックや、手記の両性具有者のくだりは疑問視せざるを得ない。
まあ、そんなことを差し引いても傑作だとは思うし、御手洗シリーズらしい雰囲気は十分楽しめる。

No.34 9点 minii 2009/11/29 22:35
よく練られた手記、読み終えるまでに何度読み返しうなったことか。

動機とトリックに少々こじつけがあるような気もしたが、なかだるみすることなく楽しめた。

No.33 8点 りんちゃみ先輩 2009/07/29 20:02
やっぱり島田荘司の世界は私に合っているようだ。細かな苦言はあるのだが、おもしろく、引込んで読ませてくれる。でもいつの間にか御手洗も偉くなってしまったのか、超天才になったのか、性格が変わってしまった。石岡君が可哀想である。

No.32 6点 E 2009/05/30 16:23
最初の「ひらがな」で思わず題名と作者を確認してしまいました。トリックは想像以上。一寸強引な部分もありましたが;

No.31 4点 江守森江 2009/05/22 14:07
この作品で目眩に襲われて以降、御手洗シリーズから離れた苦い作品。
この作品を読んだ頃の自分が忙しく読書体力も無かった事が思い出される。

No.30 8点 測量ボ-イ 2009/05/10 14:14
これは良かったです。突飛な書き出しから大きな謎が提示
されますが、割合スッキリと解決しますので。
この作品を読む前に「占星術」を読んだおいた方が良いか
どうか微妙ですが、どうですかねえ。

No.29 8点 ロビン 2008/11/23 22:50
ふう、お腹いっぱい。楽しめたなあ。普段はロジック重視の地味な作品(失礼)を好んで読んでいるので、久しぶりに重厚で壮大な謎の物語世界を堪能できた。ただ、今回は謎の幻想性ばかり際立ち、心動かすような真相ではなかったのが残念。それを狙っているのは感じられるんだけど、僕には届かなかった。

あと、御手洗は頭脳戦だけじゃないのね。

No.28 7点 zedd 2008/11/10 03:24
突飛な設定がラストには見事まとまるから感心する。分厚いけどさくさく読める。

No.27 6点 rintaro 2008/09/25 14:49
メイントリックは渦巻きの話を知っていたので早々解ってしまった、氏も大方の手記の解明は前半~中盤ですましてるからそんなことはお見通しなのだろうが。ただ氏の作品の犯人全般に言えることなのですが、大掛かりな割りにメリットが少ないトリックを行うことが多いと思う(占星術殺人事件など)、だからどうしても犯人の行動について首を傾げてしまう、まるでトリックを実行するために犯行を行うようです。ちなみにエレベータと秘密の部屋のネタは良かった、斜め屋敷とか摩天楼の怪人とかそうだけど氏の本髄は建物トリックにあるような気がする。

No.26 6点 マニア 2007/12/30 16:03
冒頭の手記は確かに眩暈を起こさせるようなカオスな内容で面白い。その謎解きをするために、インドネシアに行ったり、北海道に行ったりと奔走する流れも好き。

トリックも結構大掛かりで、すっきり解決するにはするんだけど、いまいち印象に残らない。

No.25 7点 vivi 2007/09/29 18:51
冒頭の手記に隠された謎を、一般理解まで引きずり出した御手洗の推理は楽しめました。
中盤以降の手記の著者を探す部分に関するトリックは、
勢いで読まされたものの、よ~く考えるとかなり強引すぎる(^^;
ホント、普通気づくよな~という感じですよね。
トリックのためのトリックになっちゃったかな~と思いました。

むしろ、作中最後まで語られなかった実在の両性具有者の正体に気づいたときの方が、
ひえ~っと思いました。


キーワードから探す
島田荘司
2023年04月
ローズマリーのあまき香り
平均:5.83 / 書評数:6
2019年08月
盲剣楼奇譚
平均:6.33 / 書評数:3
2018年08月
鳥居の密室 世界にただひとりのサンタクロース
平均:6.14 / 書評数:7
2016年05月
御手洗潔の追憶
平均:5.00 / 書評数:2
2016年04月
屋上の道化たち
平均:5.80 / 書評数:10
2015年09月
新しい十五匹のネズミのフライ
平均:5.67 / 書評数:6
2014年08月
幻肢
平均:5.00 / 書評数:3
2013年10月
星籠の海
平均:5.69 / 書評数:13
2012年09月
アルカトラズ幻想
平均:6.00 / 書評数:5
2011年10月
ゴーグル男の怪
平均:4.67 / 書評数:3
2011年04月
追憶のカシュガル
平均:5.14 / 書評数:7
2010年06月
写楽 閉じた国の幻
平均:7.00 / 書評数:12
2007年10月
リベルタスの寓話
平均:5.75 / 書評数:8
2006年11月
最後の一球
平均:6.00 / 書評数:10
2006年10月
犬坊里美の冒険
平均:5.25 / 書評数:12
2006年09月
光る鶴
平均:5.00 / 書評数:5
UFO大通り
平均:5.47 / 書評数:15
2006年06月
溺れる人魚
平均:4.33 / 書評数:9
2006年05月
帝都衛星軌道
平均:5.75 / 書評数:4
2005年11月
エデンの命題
平均:5.29 / 書評数:7
2005年10月
摩天楼の怪人
平均:6.07 / 書評数:15
2004年10月
龍臥亭幻想
平均:6.64 / 書評数:11
2003年10月
ネジ式ザゼツキー
平均:6.00 / 書評数:22
2003年07月
透明人間の納屋
平均:6.25 / 書評数:12
2003年03月
上高地の切り裂きジャック
平均:5.77 / 書評数:13
2002年12月
セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴
平均:5.94 / 書評数:18
2002年11月
吉敷竹史の肖像
平均:5.50 / 書評数:2
2002年08月
魔神の遊戯
平均:5.86 / 書評数:22
2001年10月
ロシア幽霊軍艦事件
平均:6.22 / 書評数:27
2001年08月
ハリウッド・サーティフィケイト
平均:6.27 / 書評数:11
パロサイ・ホテル
平均:6.00 / 書評数:2
パロサイ・ホテル 御手洗パロディサイト事件
平均:4.11 / 書評数:9
2000年06月
聖林輪舞-セルロイドのアメリカ近代史
平均:7.50 / 書評数:2
1999年11月
最後のディナー
平均:5.05 / 書評数:20
1999年10月
Pの密室
平均:6.23 / 書評数:31
1999年06月
涙流れるままに
平均:7.55 / 書評数:22
1998年10月
御手洗潔のメロディ
平均:5.25 / 書評数:32
1997年11月
三浦和義事件
平均:7.00 / 書評数:2
1996年01月
龍臥亭事件
平均:6.22 / 書評数:40
1994年10月
天に昇った男
平均:6.70 / 書評数:10
1993年11月
アトポス
平均:6.43 / 書評数:35
1992年12月
天国からの銃弾
平均:6.88 / 書評数:8
1992年10月
眩暈
平均:6.86 / 書評数:44
1991年12月
飛鳥のガラスの靴
平均:5.23 / 書評数:13
1991年10月
水晶のピラミッド
平均:5.54 / 書評数:46
1991年02月
ら抜き言葉殺人事件
平均:5.07 / 書評数:15
1990年11月
暗闇坂の人喰いの木
平均:7.20 / 書評数:75
1990年09月
都市のトパーズ
平均:3.00 / 書評数:3
1990年08月
踊る手なが猿
平均:6.50 / 書評数:6
1990年07月
御手洗潔のダンス
平均:6.37 / 書評数:30
1990年02月
羽衣伝説の記憶
平均:5.71 / 書評数:14
1989年11月
御手洗潔の挨拶
平均:6.35 / 書評数:49
1989年09月
見えない女
平均:5.80 / 書評数:5
奇想、天を動かす
平均:7.88 / 書評数:67
1989年05月
幽体離脱殺人事件
平均:4.85 / 書評数:13
1988年11月
嘘でもいいから誘拐事件
平均:4.60 / 書評数:5
夜は千の鈴を鳴らす
平均:5.71 / 書評数:14
1988年08月
切り裂きジャック・百年の孤独
平均:6.96 / 書評数:26
1988年04月
異邦の騎士
平均:7.75 / 書評数:133
1988年03月
毒を売る女
平均:7.00 / 書評数:15
1987年12月
灰の迷宮
平均:5.93 / 書評数:15
1987年11月
ひらけ!勝鬨橋
平均:6.14 / 書評数:7
1987年08月
展望塔の殺人
平均:6.00 / 書評数:12
1987年05月
死者が飲む水
平均:7.06 / 書評数:17
1987年04月
網走発遙かなり
平均:6.36 / 書評数:11
1986年12月
Yの構図
平均:5.94 / 書評数:16
1986年04月
火刑都市
平均:6.62 / 書評数:13
消える上海レディ
平均:3.25 / 書評数:4
1985年10月
夏、19歳の肖像
平均:6.14 / 書評数:7
1985年09月
サテンのマーメイド
平均:6.60 / 書評数:5
確率2/2の死
平均:4.95 / 書評数:20
1985年06月
消える「水晶特急」
平均:5.44 / 書評数:16
1985年04月
殺人ダイヤルを捜せ
平均:5.91 / 書評数:11
1985年03月
高山殺人行1/2の女
平均:5.55 / 書評数:11
1985年01月
北の夕鶴2/3の殺人
平均:7.19 / 書評数:48
1984年09月
漱石と倫敦ミイラ殺人事件
平均:7.18 / 書評数:40
1984年06月
出雲伝説7/8の殺人
平均:6.27 / 書評数:26
1984年04月
嘘でもいいから殺人事件
平均:5.50 / 書評数:10
1984年02月
寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁
平均:6.12 / 書評数:34
1982年02月
斜め屋敷の犯罪
平均:6.98 / 書評数:130
1981年12月
占星術殺人事件
平均:8.21 / 書評数:201
不明
御手洗潔と進々堂珈琲