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[ 本格/新本格 ]
灰の迷宮
吉敷竹史シリーズ
島田荘司 出版月: 1987年12月 平均: 5.93点 書評数: 15件

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光文社
1987年12月

光文社
1991年08月

南雲堂
2014年06月

No.15 6点 みりん 2023/08/20 11:58
吉敷竹史シリーズ第7弾
【ネタバレがあります】



こういうフーダニットでもハウダニットでもなく"独立した個々の不可解な事象に関連性を見出して一つの連続的な真実を導き出す"系のミステリ(名称あるのか?)が読んでる途中は1番モヤモヤします。そのモヤモヤに対して解決編で得られるカタルシスは少し足りなかった。そして、吉敷竹史の思考回路は少し飛躍しすぎというか御手洗潔に片足突っ込んで来てる気がしますね… ピタゴラスイッチとかアレとか諸々。

偶然要素は多いですが、良くできてるとは思いますし、最後の電話はウルッときましたよ。まあ満足です。
いや、満足じゃねぇ。『北の夕鶴』で登場した元妻の通子はいつ登場するんや。あんな良いキャラを使い捨てはやめてくれ〜シマソ〜と思いつつ続きも読みます。

No.14 5点 ボナンザ 2020/02/01 19:30
やや真相は強引。島田荘司らしい大トリックではなく、偶然に頼りまくったストーリーだと思う。

No.13 5点 nukkam 2017/02/04 22:40
(ネタバレなしです) 1987年発表の吉敷竹史シリーズ第7作で本格派推理小説と社会派推理小説のジャンルミックス型ですが事故死した人間の不思議な行動の謎解きという、とらえどころのないプロットで引っ張ります。吉敷の推理は論理的な組み立てが乏しく、「みんなあいつにやられた」の「あいつ」の正体なんかあまりにも飛躍し過ぎの真相にしか感じられませんでした。大胆なトリックを用意してはいるもののトリックの効果がインパクト不足なのも惜しまれます。シリーズ前作の「Yの構図」(1986年)のような社会問題描写の息苦しさがないのは個人的には好みですけど、その分特徴の見えにくい地味な作品になってしまったような気もします。

No.12 8点 谷山 2014/09/07 21:15
冒頭の事件の謎に引き込まれ、魅力的な人物も登場し、充分楽しめました。個人的には茂野恵美もそうですが、佐々木氏の奥さんの強さにかなり惹かれるものがありました。

何人か死人が出ますが、明確に殺人事件と呼べるのが一件しかなく、しかもそれは作中でメインの事件ではないこともあって、「犯人当て」要素があまりないこと、重要人物2人が既に亡くなっているので人間ドラマがイマイチ盛り上がらないことなどが多分このサイトで点数が低い理由の一部かも。

No.11 5点 spam-musubi 2011/11/12 22:50
なるほど、灰といえば鹿児島か。
相変わらず吉敷刑事のシリーズは悪く言えば地味。よく言えばリアリティがあり、
足を使って一つまた一つと真実へ近づいていく様は好感がもてる。

No.10 7点 E-BANKER 2010/12/17 23:13
吉敷刑事シリーズ。
久々に再読。
~新宿駅西口でバスが放火され、逃げ出した乗客の1人がタクシーに撥ねられ死亡。被害者・佐々木徳郎は、証券会社のエリート課長で、息子の大学受験の付き添いで鹿児島から上京中の出来事だった。警視庁捜査1課の吉敷刑事は、佐々木の不可解な行動や放火犯として逮捕した男の意外な告白から急遽鹿児島へ・・・アッと驚く犯人像とは?~

タイトルに「灰」がつけば、舞台は必ず鹿児島・・・というわけで、今回も鹿児島という街や人を降灰に絡めて切なく描いてます。
本作、世間的な評価よりも個人的には評価していて、たまたま吉敷刑事シリーズだから割と地味に映ってしまいますが、もし御手洗シリーズとして描かれていれば、もっと派手な展開で評価も違ってたんじゃないかという気がしてます。
それぐらい、ある意味「驚天動地」のトリックというか偶然の連続・・・あえて言うなら「風が吹けば桶屋がもうかる」という格言(?)が頭に浮かんでしまうような偶然(!)が生んだ事件・・・
ただ、ラストは感動的。「涙流れるままに」ほど仰々しくはないけれど、一人の女性の死に涙を流す吉敷刑事を思い浮かべて、何とも言えない気分にさせられます。
留井刑事もそうですが、作者の人物造形の旨さに唸らされる作品と言えそう。

No.9 5点 江守森江 2010/11/22 07:35
これも吉敷シリーズのドラマ再放送の録画視聴と原作のおさらいをした。
ミステリーとしては実に二時間ドラマ的で西村京太郎の水準的な量産作品と同レベル(4点)だろう。
それでも内容に上手くリンクしたタイトルが気に入ったので1点加点する。
しかし、ドラマ化した吉敷シリーズ作品は大技物理トリックの映像化に成功し一部マニアには伝説的な某北の夕鶴以外は陳腐な作品が揃ってしまい残念。

No.8 7点 seiryuu 2010/08/23 13:35
凝ったトリックがなくて物足りない気もするけど
わかりやすくて読後感はよかったです。
タイトルもいい。
留井刑事good job

No.7 5点 vivi 2010/04/30 19:22
ちょっと地味なイメージですね。
鹿児島である、そして「灰」ということに、
あまりにも重い意味を持たせようとしすぎている感じ。
吉敷のキャラにイマイチ生活感が無いので、
余計に「人ごと」に思えてしまう。

でも、登場人物の女性は本当に生き生きしています。
同じ紙の上の人間なのに、存在感が違いますね!

No.6 5点 りんちゃみ先輩 2009/11/22 20:44
強引な事件設定、吉敷の自由な捜査方法には疑問ありです。ただし今回「茂野恵美」の個性が光っていた。吉敷も涙したみたいです。それだけでも読んだかいがあるかもしれない。

No.5 5点 simo10 2009/09/12 01:40
色んな出来事が複雑にからみ合っているんですが、どの事件がメインだったのかはっきりしないため、かなり印象に残りづらい作品かも。自分の記憶の中で迷宮入りしてしまいそう。

--以下ネタばれ--

「灰」も直接は関係なかったことと、佐々木の息子があんな状態で受験に受かっているのが吉敷の推理と矛盾していることが残念。
茂野恵美の存在は確かに「異邦の騎士」の石川良子に通ずるものを感じました。胸を打たれてしまった。

No.4 6点 測量ボ-イ 2009/05/23 09:26
これも平凡な印象、「Yの構図」や「夜の鈴は・・」より
少しいいかな?という程度です。

No.3 8点 Tetchy 2005/08/23 23:15
どうやら私は島田氏の描く女性に弱いようです。特に明るい女性に。
事件には派手さはありませんが奇矯で、解決は実にアクロバティックで、つまり島田荘司色を今回も見せてくれますが、それよりも茂野恵美の存在が胸を打ちました。
最初の登場シーンから、このキャラが物語の情の部分を支えるキープレイヤーなのだとは承知してましたが、頭が判っていてもやはり心が動いてしまいました。これは「異邦の騎士」の石川良子に一脈通ずるものがあります。

No.2 7点 sophia 2005/07/31 18:41
桜島の火山灰を無理に事件に絡ませて旅情を演出した感が否めません。
それでも「北の夕鶴」以来吉敷シリーズは凡作が続いていましたので、このくらいのクオリティであれば十分楽しめました。

No.1 5点 由良小三郎 2003/04/12 14:21
島田さんの作品のなかに「いきあたりばったり」感を感じる時がありまして、ネタのねらいはわからぬでもないのですが、あまりおもしろくなかったです。事件、犯人ともかなり地味な感じの作品です。


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