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[ 本格/新本格 ]
最後の一球
御手洗潔シリーズ
島田荘司 出版月: 2006年11月 平均: 6.00点 書評数: 10件

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原書房
2006年11月

講談社
2009年05月

文藝春秋
2010年07月

No.10 5点 まさむね 2011/05/10 21:42
 皆さんの書評のとおり,ミステリとしては正直イマイチでしたねぇ。
 でも読みきった後は,「まぁ,たまにはこういう読書もアリだね」って気になりました。
 御手洗センセは,よくよく考えれば大活躍だったのですが,結構影が薄く,むしろ「おまけ」っぽく扱われちゃってます。まぁ,これもアリでしょう。
 作品を尊重して敢えて野球に例えれば,「凡フライだったけど,風の影響でショートとセンターの間にポトリと落ちたポテンヒット」って感じですね。

No.9 5点 E-BANKER 2011/05/06 23:33
御手洗潔シリーズ。
ただし、主役は御手洗ではなく、2人のプロ野球選手。
~母親の自殺未遂の理由が知りたいという青年の相談に、御手洗はそれが悪徳金融業者からの巨額の債務であることを突き止める。裁判に訴えても敗訴は必至。流石の御手洗も頭を抱えたが、後日、奇跡のような成行きで債務は消滅。それは1人の天才打者と生涯二流で終わった投手との熱い絆の賜物だった~

どう表現すればよいか迷いますが、正規の御手洗シリーズではなく「番外編」のような感じですね。
途中から唐突に「野球小説」モドキに変わります。
確かに、ストーリー自体はそれなりに感動しますし、特に「最後の一球」に関する逸話などは作者のストーリーテラーぶりを十分に感じさせてはくれますが・・・
ただ、かなり「やっつけ」を感じさせるんですよねぇ・・・
いくら御手洗が超人とはいえ、最初に示されたデータだけで、悪徳業者の債務問題だと判断するのは相当無理があると思いますし、「野球」についての部分も、どれほど取材したのか分かりませんが、野球賭博やマル暴絡みの部分などはちょっと安直すぎる!
唯一、屋上で火事を起こす「仕掛け」だけに、島田テイストを感じることができました。
(作中では、契約書への署名・捺印だけで裁判では業者に勝てないとありますが、現実ではそんなことはありません。業者にも当然、説明義務はありますし、契約者が契約内容を理解したのかを確認する義務もありますので・・・悪しからず。)

No.8 5点 メルカトル 2011/02/04 23:44
島田氏にこの点数は、正直気が引けるが仕方あるまい。
御手洗シリーズといっても、御手洗がさして活躍するわけでもないし、ミステリとして弱いので、評価が低くなるのもやむを得ないと思う。
ほとんどがプロ野球を目指した若者の独白で占めているため、文体が重厚さに欠けるのも気になる点。
しかし、島田氏独自の社会派的一面も垣間見えるので、その辺りは評価したい。

No.7 7点 E 2010/10/16 21:49
ミステリーというより・・島田荘司作家というより・・何だか友情色を感じた作品でした。
いつもの様な驚愕のトリック・装置は無かったけれど、読後は心温まった感じ。
読んで良かったと思いますね。

No.6 6点 Tetchy 2010/08/28 21:28
この頃の島田は物語の復興を唱えていた。ミステリはトリック、ロジックも大事だが、まず小説でなければならない、コナン・ドイルの時代から描かれてきた物語がなければならない、確かそのようなことを提唱していたと記憶している。

ミステリとしてどうかと云われるとその出来映えについてはやはり首を傾げざるを得ない。御手洗が登場するのは全277ページの物語のうち、たった76ページぐらいで、その後はある野球選手の半生と事件に至るまでの経緯が手記の形で語られるのである。したがって御手洗の推理らしきものはほとんどない。まあ、確かに御手洗は超人型探偵で事件に遭遇しただけで全て見極めてしまうのだが。

しかしそんな構成上の不満はあるものの、やはり島田のストーリーテラーぶりは素晴らしい物がある。少しの才能でプロ野球選手を目指した貧しき男と、天性の才能で見る見るうちに球界を代表する選手にまでなった全てを手に入れた男の友情物語は、はっきり云ってオーソドックスな浪花節以外何ものでもないが、くいくいと読まされる。作者の揺ぎ無い創作姿勢とも云える弱者への優しい眼差しも一貫されている。つくづくこの作家は物語を語るのが上手いと感じた。

ただ現代本格ミステリ界の巨人としてはやはり上記の理由から凡作といわざるを得まい。100ページ足らずの短編をエピソードで無理矢理引き伸ばした長編、もはやテクニックだけで書いている作品だなぁと一抹の寂しさを感じてしまった。

No.5 7点 seiryuu 2010/07/16 17:16
今回は御手洗いらなかったね。
でも面白かったよ。

No.4 3点 あるびれお 2009/06/13 06:30
ミステリとして、まったく面白くなかった。
島田荘司、どうしちゃったの??

No.3 7点 響の字 2009/02/06 21:01
ミステリとして採点するなら4点だったが・・・
小説としての出来を含むなら+1点。
御手洗&石岡コンビの小噺で+1点。
島田御大はたまにこーゆーあったかい話がツボだよな、と+1点。

ネタバレできないのが悔しい位ミステリとしては凡作です。でもよかった。

No.2 7点 mozart 2008/08/30 18:31
島田先生らしい!こんな(失礼)小品でもそのテイストは十分です。

No.1 8点 おしょわ 2007/10/30 23:04
「数字錠」とか「ある騎士の物語」を想い起こさせる作品です。
勝手に御手洗の想いを想像してジーンときてしまいます。
冒頭のお好み焼きおばちゃんと石岡君には笑わされますが。


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