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[ 青春ミステリ ]
ひらけ!勝鬨橋
島田荘司 出版月: 1987年11月 平均: 6.14点 書評数: 7件

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角川書店
1987年11月

光文社
1993年01月

角川書店
1999年10月

南雲堂
2014年06月

No.7 5点 E-BANKER 2012/04/07 21:20
1987年発表、作者初期のノン・シリーズ作品。新装版にて読了。
世間から見捨てられた「老人たち」を主人公にした珍しい(?)作品。

~館長が悪質な詐欺に引っ掛かり、ヤクザに引き渡しを要求されたO老人ホーム。威圧的なヤクザと能天気な老人たちの熾烈な攻防が始まった。ついに立ち退きを賭けてゲートボールの試合で決着をつけることになった。コーチ役の翔子を中心に結束を固めた老人たちの「青い稲妻」チーム。汚い手口でプレーするヤクザなチーム。そんなとき、老人ホームで殺人事件が発生する。笑いと涙のユーモア長編ミステリーの傑作~

これはミステリーじゃないな。
一応連続殺人事件が起きるが、これはほんの付け足し程度の扱いだし、真相も何だかウヤムヤのまま収束してしまう。
本作の読みどころはズバリ「ゲートボールの実況中継」シーンと「月島での老人たちのカーチェイス」シーンの2つだけと言いたい。
(別に悪い意味ではないのだが、正直ほかの場面は全く記憶に残らなかった・・・)

「ゲートボール」については、ルール解説を交えながら「青い稲妻」チームのキャプテンである本田叡吉が、さながら将棋のように相手チームと戦法の読み合いを行う・・・ゲートボールってそんなに頭を使うスポーツだったんだねぇー
そして極めつけが、老人たちがポルシェ911を駆って、ベンツに乗ったヤクザたちをカーチェイスの末に海へ落とすという無茶苦茶さ!
まさに「ミスター荒唐無稽」というべき作者の本領発揮でしょう。
この2つ以外の部分が実に冗長なのですが、「負け組」の象徴として登場する老人たちが最後に見せてくれる「意地」にまずはスッとさせられます。

ポルシェやバイクなど、作者の趣味が存分に生かされていて、初期の頃の何とも言えないエネルギーが行間から伝わってくる。
まっ、作者のファン以外には面白くもない作品かもしれませんが・・・
(主人公の老人たちが、本田・鈴木・山波・豊田・川崎って・・・凝り過ぎ!)

No.6 5点 spam-musubi 2010/10/07 12:55
一応殺人は起こりますが、謎解き要素は希薄。
ドタバタコメディ+最後だけカーアクション、といった趣き。
ミステリを期待して読んだので、拍子抜けでしたが、
それでも話自体は十分楽しいものでした。
が、このサイトで採点するならこのくらいかな、と。

No.5 7点 メルカトル 2010/07/16 23:52
これぞユーモアミステリの傑作ではないかと。
まあ、ミステリではないかもしれないし、どちらかと言うと私の苦手なハードボイルド風味だが、老人達の生き生きした姿をユーモアたっぷりに描かれており、とても楽しく読ませてもらった。
青春に歳は関係ないのだと教示し、改めて島田氏の作風の幅広さを見せつけられた力作である。
ゲートボールの試合のシーンでは思わず手に汗握る事請け合い。

No.4 8点 vivi 2009/05/07 01:48
好きです、この作品。
トリックもロジックも何も無いんですけど、
物語が前にぐんぐん進んでいく感じが。
読後感も爽快だし、
たとえセンチメンタルに過ぎる&予定調和と言われても、
こういうのもたまにはいいですよ。

エンターテインメントだな~。
映像が目に浮かぶようです。

No.3 8点 Tetchy 2008/10/30 22:23
これ、実はけっこう好き。
この小説は殺人事件が起こるものの、明らかに作者得意の本格推理ではない。
「青い稲妻」チームの個性的な面々の日常とホームの存続を賭けたゲートボールの白熱した試合、そしてクライマックスで繰り広げられるかつて一流の素人レーサーだった老人たちの華麗なるカーチェイスが主になっており、老人たちの再生と青春の復活がメインテーマなのだ。
ゲートボールの試合を読んで、これほど手に汗に握ったのは後にも先にもこの作品だけである。
オイラは角川文庫版で読んだが、この表紙がものの見事に内容と全く関係のないマンガになっている。
誰だ、担当者は!?

No.2 5点 由良小三郎 2002/06/15 17:46
たぶんすでに死語で、年寄りしか分からないたとえになるんですが、昭和30〜40年代、日活アクション映画ののりです。安手で、チンケなカーチェイスもあって、元不良の老人たちの活躍する、まあ郷愁ものだとぼくはおもいました。今時点ではどうかなと思います。

No.1 5点 テツロー 2002/03/30 00:01
 本格物ではないです。作品紹介等では、ユーモアミステリと紹介されてますが、それも違うと思います。では何かというと、これは間違いなくハードボイルド作品だと思うのです。登場人物達が直面している問題が、ユーモアミステリと見るには過酷すぎるし、ヤクザ共の振る舞いが生々しすぎるので、そう見るのが間違い無いと感じます。
 上記の理由で、本格好きの自分にはどちらかといえばきつい内容でした。でも、島田先生の文章なので読み易いことは読み易く、きついながらも、流れるように読み進められる作品には違いないです。


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