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[ 本格/新本格 ]
羽衣伝説の記憶
吉敷竹史シリーズ
島田荘司 出版月: 1990年02月 平均: 5.71点 書評数: 14件

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光文社
1990年02月

南雲堂
1995年06月

南雲堂
2021年01月

No.14 7点 みりん 2023/08/26 19:00
吉敷竹史シリーズ第12弾 (どうやら『展望塔の殺人』も吉敷竹史シリーズに入るらしいので、過去のシリーズ第○弾と書いたのが1つずつズレている笑)

【ネタバレあります】

『北の夕鶴』以降シリーズ9作品を跨いで5年ぶりの登場となった加納通子。いやもう待望でしたよ。最近読み始めた私なんぞは10日ぶりの再会でしたが、シリーズ読者は待ち焦がれていたことでしょう。
そして、10日前に読んだ『北の夕鶴』の展開を結構忘れている私の記憶力に絶望しましたよ。
本編はミステリーが本当にオマケで、吉敷竹史と加納通子の5年ぶりの再会がメイン。『北の夕鶴』ではラブストーリーと事件がややミスマッチな感じがしましたが、こちらは程良い謎、程良い解決でした。麻衣子さん恐るべしです。

No.13 5点 nukkam 2021/01/06 21:25
(ネタバレなしです) 1990年発表の吉敷竹史シリーズ第11作ですが、私の読んだ光文社文庫版の裏表紙で「ラブ・ストーリー」と紹介されていたので非ミステリー作品なのかとぎょっとしました。吉敷が小さな画廊で見た金属細工の彫刻が「北の夕鶴2/3の殺人」(1985年)に登場した、別れた妻の通子の作品ではないかと思うところから物語が始まります。4章までは吉敷のプライヴェート回想シーンが続き、ようやく事件捜査が5章から始まるも意外と早く10章で解決、しかも捜査中も吉敷の回想が随所で織り込まれてるし10章では新たな通子の手掛かりをつかむという展開です。そして11章から14章までが通子の過去にまつわる物語で、電撃的に解決される謎解きもあるとはいえ(あまりにギャンブル的なトリックにはびっくり)、とにかく通子づくしのプロットでした(笑)。まあ非ミステリーではなかったですがラブ・ストーリーと紹介されるのも納得の内容で、本格派推理小説としては薄味です。光文社文庫版で300ページに満たない短さなのでシリーズ入門編として読もうかと検討する読者もいるかもしれませんがあまりお勧めできません。「北の夕鶴2/3の殺人」のネタバレも作中にありますし。

No.12 4点 ボナンザ 2020/06/11 20:09
文庫版では紹介にラブストーリーって書いてますからミステリのつもりで読んではいけませんね。

No.11 7点 take5 2015/01/05 11:33
ハードカバーの方で読みました。文庫は巻末に「加納通子という女」は収録されているのでしょうか?それによって評価がかなりかわるので。
本編だけで評価すると、かなり軽いミステリーですが、やはり筆者本人による「加納通子という女」の解説があると大変わかりやすい、そして深みも出るという感じがします。
北の夕鶴では読みとれなかった通子の事が、ようやくわかって来て嬉しい反面、ちょっと後付け感も残るのが残念。しかし本人の解説はこの作品に関しては必須という考えは変わりません。

No.10 5点 まさむね 2012/01/21 16:17
 先日「北の夕鶴~」を読み,吉敷と通子の「その後」が気になったため,早速手にした次第でございます。
 正直,中盤までは「あれれ?もしかして期待ハズレ?」などと感じてしまいましたが,2人の再会以降の終盤は,ちょっとした謎解き要素もあり,2人の進展(?)もありで,盛り返してくれました。
 ただし,シリーズファン限定の面白さという側面も否定できないため,広くお勧めすることは難しいかも。

No.9 5点 spam-musubi 2010/11/17 18:28
吉敷シリーズの番外編的作品。
普通のミステリかと思って読み進めると肩透かしを喰らう。
と見せかけつつ、最後の最後で思わぬ方向から謎解き要素が
出現してきて、嬉しい誤算といった感じ。

「きっとこういうことだったんだよ」という推論だけでは
通子が納得しなかったかもしれないところ、はっきりと
物証を示したところがよかった。
この2人がいずれまた一緒になれるといいなぁ。

No.8 7点 seiryuu 2010/08/16 00:32
「北の夕鶴・・・」から「涙流れるままに」の道子ものではずせない一冊。
ミステリー要素はあまりないですが、道子編として楽しめました。

No.7 3点 simo10 2009/12/28 00:13
吉敷刑事の元妻加納通子が登場します。
「北の夕鶴~」以来、気になるその後の展開が描かれています。
吉敷シリーズを読んできた人以外は読んでもしょうがない作品でしょう。
とりあえずよりが戻りそうでほっとした。

No.6 6点 E-BANKER 2009/08/27 22:38
『吉敷-通子の壮大なラブ・ストーリー』第2弾。
本作は文庫書き下ろし作で、本筋の内容は軽めにさらっとしたものになってます。
~警視庁捜査1課・吉敷刑事はふと入った画廊で作者のない「羽衣伝説」という彫金作品を目にした。これは別れた妻・通子の作品なのではとの思いを掻き立てられた吉敷は、ホステス殺しの真犯人を追いつつ訪れた伝説の地で、意外にも妻の出生の秘密に行き当たることに・・・~

タイトルにある「羽衣伝説」とは、天橋立に伝わる民話のことです。(聞いたことある方も多いでしょう)
吉敷の慧眼により、通子の母親の事件も解決することになり、これで晴れて二人の仲も元通りになるのか? と思いきや、そうならない。
「大人の愛」ですねぇ・・・ケツの青い若造どもには決して理解できない本当の「愛情」というものが吉敷の言動からビンビン伝わってきます。
それにしても「謎の多い女」です。
真相は、「涙流れるままに」そして「龍臥亭事件」など、その後の作品で明らかにされていきますが、この時点では「まさかそこまでの広がりがあるなんて」想像もつきませんでした。
(女性の心理描写も作者の得意とするところ。本作もその辺りがよく伝わってきます。)

No.5 6点 vivi 2008/12/30 01:19
これはミステリとして読むのではなく、
やはり恋愛小説として読むべきなのでしょうね。
吉敷という刑事が、1人の女性を愛した軌跡をたどる・・・

吉敷は、他の作品を読む中で、
その度ごとに私の中でキャラクターがぶれていく存在です。
一体どんな人間なのか、未だに掴みきれない。
だから、この作品は吉敷のキャラ設定を理解する上で、
非常に参考になりました。

にしても・・・通子は、あまりにも可哀相すぎるなぁ・・・

No.4 6点 sasami 2008/07/07 20:25
他の吉敷シリーズとはちょっと違う雰囲気で
よかったんじゃないでしょうか。楽しめました。

No.3 5点 Tetchy 2005/08/27 00:22
皆さんおっしゃるように1つの作品としての完成度としては低いのですが、後の『涙流れるままに』に繋がる加納通子サーガの一幕であることを考えると、避けては通れない作品なのだと思います。
純愛を扱っているだけに島田氏の提唱する魅力的な謎の提示とその論理的解明が仇になってしまったような印象を覚えました。

No.2 6点 由良小三郎 2002/04/22 23:11
この小説の吉敷竹史が、他の作品での颯爽とした名刑事と同じ人物と認めるかどうかが評価の対象となるのではないでしょうか。あまりにセンチメンタルで、困ったなというのが僕の感想です。

No.1 8点 小太郎 2002/04/21 00:54
「北の夕鶴」を読んで、吉敷の悲恋の行く末がとても気になった場合のみ、是非読んで欲しい物語。ミステリとしては・・・?


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