皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] 聖女の救済 探偵ガリレオシリーズ |
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| 東野圭吾 | 出版月: 2008年10月 | 平均: 6.86点 | 書評数: 49件 |
![]() 文藝春秋 2008年10月 |
![]() 文藝春秋 2012年04月 |
| No.9 | 8点 | ミステリー三昧 | 2010/01/09 15:09 |
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| ※ネタばれあり
<文藝春愁>ガリレオシリーズの4作目(長編)です。 ※『ガリレオの苦悩』と同時刊行 雰囲気がドラマ版に完全シフトしていますね。内海薫が登場した途端に俄然面白くなる。まず、女の直感とやらで(読者に自明な)「真柴綾音が犯人であること」「草薙が犯人に好意を寄せていること」をいきなり言い当てます。『ガリレオの苦悩』と同じく「女性ならではの着眼点」が冴え渡る設定は徹底されている模様。 本作は倒叙形式の本格ミステリになっています。普通の毒殺事件ではありますが、倒叙形式を採用することで「不可能興味」をそそる展開になっている。「遠距離から人を殺すことが果たして可能なのか?」が本作のメインであり、毒の混入経路が終始議題の中心となります。その解答は正直、驚けなかった。けど、その解答が何故「虚数解」なのか?その部分に感心してしまい高評価とする結論になりました。少なくともオリジナリティが高い真相であることは間違いない。 その他、動機を描く徹底さ、二つの異なる捜査がリンクする展開、犯人の趣味にまで伏線を張っていた周到ぶりなど物語全体に無駄がなく「本格ミステリ」として充実していた。 (ここからネタばれ感想) 今回のトリック、驚きよりも感心の方が強い。確かに理論的にはあり得ても、現実的にはあり得ない(普通の犯人なら考えないor実行しない)です。「何もしない」ことが殺害方法。表現上「プロバビリティーの犯罪」と似通った意味合いがあると思う。ただ、最初は「死の確率」を最小限に留めないといけない。「勝手に死ねばいい」という問題ではない。被害者の気持ちが変わるまで「救済し続けなければ・・・」という気持ちがある。愛がある故に殺人に踏み切れないでいる微妙なバランス加減をトリック一本で表現したという部分にオリジナリティを感じました。「タイトル」も巧いですね。愛情と憎しみが混在する渦中だからこそ見守り続けた一年間・・・つらい一年間だったと思う。 ただ、被害者は女の敵だったと思う。被害者の愛人、宏美を庇い続ける綾音の心理状況も読み終わってやっと理解できた。 |
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| No.8 | 10点 | サクラユタカオー | 2009/11/23 11:10 |
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| このトリックだけで8点。
中学の時からミステリを読んできたが、確かにこういう 犯人はいなかったと思う。 そして、あらゆる描写が、このエラリー・クイーン的な ロジックの完成に向けて描かれていることに感動した。 これでプラス1点。 にもかかわらず草薙の、なんだろう「男の純情」みたいな ものを(パズルの1ピースではあるが)読むことができて、 「小説」としても楽しめ(悲しめ?)た。これでプラス1点。 超がつくマニアのひとの採点が見たいですね。 |
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| No.7 | 9点 | teddhiri | 2009/11/10 20:41 |
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| 前作と同じ倒叙形式で始まるガリレオシリーズの長編。トリックのありえなさは今まで読んできた本格の中でも屈指のトリックといえる。
前作と比較するとまず話の展開が前作では石神と湯川の天才同士の対決によって進められていたのに対し、今回は容疑者に好意を抱いた草薙の葛藤とその後輩の内海の各々の捜査によって進められていく。また犯人のキャラクターは前作の石神に比べるとはるかに落ちるものの、被害者のキャラクターが強烈で前作の被害者が殺されるためだけに登場していたのに比べるともしや影の主役ではとすら思ってしまう強烈さで犯人のキャラクターの弱さを十分補っている。 こういった点を考えると、トリック、展開、人物のどれをとっても前作と比べても遜色のない出来だと思う。 個人的な評価でいうならば、前作よりこちらの方が好みである。 |
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| No.6 | 7点 | 白い風 | 2009/06/24 18:07 |
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| こちらも”ガリレオ”シリーズの続編ですね、ただし長編です。
比較的地味な作品に入るのかな。 確かにトリックも湯川自身が言っている通り、理論的には考えられても、現実的にはありえない…つまり虚数解…。 ただ今回は湯川では内海・草薙の両名の出番が多かったのが個人的には大いに楽しめました。 |
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| No.5 | 6点 | 月火水木金 | 2009/05/03 11:13 |
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| 容疑者Xの献身と比べるとやや見劣りしますが・・・それでも十分楽しめました。ガリレオシリーズファンなら買って損はないと思います。 | |||
| No.4 | 8点 | いけお | 2009/05/03 00:49 |
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| 犯人はどうやって行ったかに特化した展開は、くどいが論理的で非常に楽しめた。 | |||
| No.3 | 6点 | だい様 | 2009/03/05 10:46 |
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| 現実的に実行するのは難しいと思いますがこのトリックは好きです。
手堅く楽しめました。 |
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| No.2 | 6点 | こう | 2008/11/16 23:41 |
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| 最初から犯人がわかっていてどんなトリックで殺人をおかしたか、の一点の作品ですが確かに個人的に初めてみたトリックとはいえこんなこと実現可能なのか、というよりこれを実現する女性というのがイメージしにくいです。あまりやられた感じはしませんでした。
ストーリーが長くても読ませる力はいつも通りですがさすがに今回は少し長いとおもいました。 警察が無能で湯川が解き明かす、という単純なストーリーではなく草薙刑事も内海刑事も丹念な捜査を行っていくストーリーには好感もてました。 |
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| No.1 | 6点 | rintaro | 2008/10/25 20:10 |
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| 帯に書いてあるとおり完全犯罪、といえばいえないことも無いかなってていう感じで、犯行方法も私の知る限り斬新でしたが、前回の長編の「容疑者~」と比べると正直見劣りします、私が過剰に期待していたのかもしれませんが。あと私は内海薫が登場するガリレオ作品は初めて読んだんですが、彼女なかなか切れ者なんですね、ドラマの印象が強かったので驚きました。 | |||