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妖魔の森の家
カー短編全集2/旧題『カー短編集2』
ジョン・ディクスン・カー 出版月: 1970年12月 平均: 7.53点 書評数: 19件

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東京創元社
1970年12月

No.19 8点 レッドキング 2022/04/02 21:43
考えたら、カー第二短編集だった。(以前、あたかも単体扱いしたので、削除し再登録しました。)
「何度も読み返され、まなばれ、称賛されるべき作品。」(クイーンの言葉だったか。)
ただあれ、重さでバレるような気が・・
※点数は表題作「妖魔の森の家」のみで8点。その他 「軽率だった夜盗(4点)」「ある密室(7点)」「赤いカツラの手がかり(5点)」「第三の銃弾(7点)」

No.18 7点 ミステリ初心者 2022/03/31 23:22
ネタバレをしております。

・妖魔の森の家
 短めですが、推理小説に必要なものがつまっており、大変質が高かったです。
 カーらしいミスリードとどんでん返しが楽しめますね。犯人の行動がやや手際が良すぎたり、本当にばれずにできるのか?という疑問はありますが、それでも良い作品でした。
 ラストのHM卿のセリフは、すこしだけホラー感もありましたね。

・軽率だった野盗
 殺人現場が不可解で面白いです。犯人にとって不幸な偶然が重なっているものの、合理的な解決だとおもいました。

・ある密室
 結局、犯人の意図しない密室であり、やや知識が必要であり、被害者が嘘を言ってしまっている(勘違いだが)のがマイナスでした。

・赤いカツラが手がかり
 これも非常に不可解な状況で、狂気的な感じもありました。
 偶然に偶然が重なっており、推理は難しいですが、意外な犯人もあって面白かったです。

・第三の銃弾
 全推理小説を見ても、これほど不可解な状況はめったにみられません(笑)。しかし、不可解であればあるほど、やはり解決に無理が生じますね。
 容疑者の男の証言が嘘であれば、なるほど謎は解けますが、読者にとっては謎を謎のままにしてほしかったところですね(笑)。
 共犯者の存在も少し残念でした。

 総じて、全体的に、冒頭から面白い不可解な状況を楽しめる中短編集でした。カーらしく、その解決は偶然や証言者の嘘などが多く、推理は難しいものになりますが、短編ならばそれほどこだわらなくてもよいかな?と思いました。

No.17 7点 モグラの対義語はモゲラ 2021/06/20 19:34
どれも上手くミスリードして心地よく裏切ってくれた。特に表題作は脱出トリックのことばかり考えていたので、最終的に全然違う結末に持っていかれて度肝抜かれた。こういう作品を知らないわけではないのだが、既に一回起こっている密室からの脱出および侵入の事件にうまく誘導されて完全に油断してしまった。他の作品も、特に「第三の銃弾」や「軽率だった夜盗」は「こういうトリック、構成を書きたい」という明確なテーマが感じられつつ綺麗なミスリードがあって面白かった。

非常にどうでもいいことだが、どの作品も志向は違うのに何故か統一感が感じられたのが不思議だった。なんでだろう。奇妙で複雑な事件ばかりなのは勿論、「誰かの想定している前提条件が事件時変わっていた」という点が共通しているんだろうか。特に表題作以外は、計画と現実のすり合わせの結果奇妙で複雑な事件になっているというものばかりだった。そういえばここまでハプニング尽くしな短編集読んだのは初めてかも。

No.16 7点 ◇・・ 2020/06/27 18:15
名探偵のコミカルな登場、興味を掻き立てられる謎、巧妙なミスディレクション、そして戦慄的な最期の一文。不可能犯罪の巨匠の真髄が味わえる一編。

No.15 6点 弾十六 2019/08/07 20:54
JDC/CDファン評価★★★★☆
私が読んだのは1978年4月の16版。『カー短編集2』はカー名義の短篇集The Third Bullet(1954)から4作に『軽率だった野盗』をプラス。ストランド誌1940年初出の3篇と『妖魔の森の家』、それとダネイが20%ほど刈り込んだ中篇『第三の銃弾』の全5篇。
以下、初出は『カー短編全集5』の著作リストをFictionMags Index(FMI)で補足。原文はGoblin Woodだけ入手出来ました。

⑴ The House in Goblin Wood (英初出The Strand 1947-11 挿絵Steven Spurrier; 米初出Carter Dickson名義, EQMM 1947-11) : 評価7点
H.M.卿もの。ストランド誌は何故かJ.D. カー名義、EQMMではC. ディクスン名義になってます。この作品は特に挿絵が見たいなぁ。(画家Steven SpurrierをWeb検索するとIllustrated London Newsの挿絵が結構出てきました。描線が太めです。)
この作品、読み返すのをとても楽しみにしてました。「堂々たる語り口」と巧みなストーリー回しが素晴らしい作品。でももっと大傑作な記憶が残ってたんだけど… (メイントリックが現代ではもう心にさざなみすら残さない程度になってしまった、ということなのかも。) 最後のセリフが駄目押し。(何であろうと同じだと思うけど読者に生々しく想像させる手です。)
p10 大戦に先立つこと三年(three years before the war): 1936年ごろの設定か。H.M.の年齢(当時65歳)を考慮したのでしょう。
p12 バナナの皮(a banana skin): banana peel-slipping jokes date to at least 1854 (wiki)
p21 ジェイムズ バリー『メリー ローズ』(Barrie's Mary Rose): 初演1920年4月Haymarket Theatre, London。ヒッチコックが若い頃観て心に残り1964年に映画化を試みたという。
(2019-8-7記載)

⑵ A Guest in the House (The Strand 1940-10 挿絵M.B. Critchlow) 別題: The Incautious Burglar : 評価4点
フェル博士もの。気の抜けたシャンパンのような話。ずさんな企みですよね…
p59 三万ポンド: 英国消費者物価指数基準(1940/2019)で55.52倍、現在価値2億2千万円。レンブラント2枚とヴァン ダイク1枚の価値。
(2019-8-7記載)

⑶ The Locked Room (The Strand 1940-7 挿絵M.B. Critchlow) : 評価5点
フェル博士もの。掛け合いは足りませんがハドリーが出てくるとなんだか安心。なかなか上手なトリック。でも手がかりがよくわかりません。
p94 三千ポンド: 現在価値2243万円。
(2019-8-5記載)

⑷ The Clue of the Red Wig (The Strand 1940-12 挿絵Jack M. Faulks) : 評価6点
意外と面白い作品。女探偵もの?と思ったら… でも、ここで使われてるトリック(?)は「いーかげんにしろ」(バシッ!)とJDCにツッコミたくなりますね。
懐中電灯ネタ(p173)は今となっては解説が必要かも。もちろん雑誌発表時1940年11月の英国人には自明のことです。(私の『猫と鼠の殺人』の書評参照。)
(2019-8-7記載)

⑸ The Third Bullet (Carter Dickson名義, Hodder & Stoughton 1937; 短縮版[こちらを翻訳] John Dickson Carr名義, EQMM 1948-1) : 評価7点
非常に上手く構成された作品。なのでハヤカワ文庫の[完全版]をさっそく発注してしまいました。評価詳細はカーター ディクスン『第三の銃弾』を参照願います。
(2019-7-28記載)

No.14 8点 ボナンザ 2019/06/13 22:56
妖魔の森の家はまさに傑作。シンプルながら破壊力抜群のトリック、怪奇趣味、結末のえぐさ。
それ以外の短編はまあ及第点。
第三の銃弾はこれを読めば完全版はいいかな、とも思う。

No.13 8点 makomako 2019/02/17 17:22
私はどちらかというと長編作品を好むのですが、この短編集はとても楽しめました。
 詳しく言うと「妖魔の森の家」、「軽率だった夜盗」「ある密室」「赤いカツラの手がかり」は短編で、最後の「第三の銃弾」は中編というべきですが、いずれもこれに凝った不可能殺人で、これで大丈夫かしらと思わせる内容が、最後に鮮やかに解決されます。
 勿論ここまで不可能殺人となるとちょっと無理があると思わせるトリックもありますが、この程度なら良しとしましょう。
 私の好みとしては第三の銃弾が最も好きです。ただ殺された判事さんはそれほど悪い人でもなさそうなのに、家族は---。困ったものです。気の毒ですね。

No.12 7点 クリスティ再読 2019/01/06 12:00
クリスティ、クイーン、ロスマクとやってきたわけだが、じゃあ今年の軸は...というと、困った、カーしかもうないのか。評者あまり得意じゃないんだよ。カーってつまらない作品はトコトンつまらないからねえ。
新春で古本屋めぐりをして、カー3冊仕入れたがどれも本サイトで平均5点以下のもの...まあそういうめぐり合わせかね。申し訳ないが愚痴言いながら書いていくことになりそうだ。
しかし本作は、カーでも一番評判のいい短編集である。定評通りに「妖魔の森の家」はタイトな秀作といった感じのもの。「妖魔」ってゴブリンなんだね。「お手本」と言われるのはその通りの出来。例のロンドン塔の話と似たブラックでシニカルな状況がナイス。要するに本作、ムダがなくて筋肉質なあたりがいい。
で「軽率だった野盗」「ある密室」「赤いカツラの手がかり」もちょっとした不思議状況を手がかりに真相を解明するもので、軽妙な感じがいい。まあカーでフィージビリティ云々するのは無粋だと思うよ。短編だからこその、不思議状況をひっくり返す逆転の切れみたいなもので楽しむべきだと思う。
そうしてみるとねえ「第三の銃弾」は凝りすぎのようにも思う。ただでさえややこしい状況の短い長編を、雑誌掲載のために真相にかかわらない細部を詰めて中編にしたものだから、何かと忙しい。そもそもの最初のプランにあまり説得力がないから、それが更に状況によって複雑化するとしても、危なっかしく土台が揺れてるような印象である。「三つの棺」がそうであるように、複雑なものを視点を変えたらシンプルに説明がつく、というのが本当はミステリで一番の醍醐味のような気がするんだよ。

No.11 9点 蟷螂の斧 2018/08/23 10:00
表題作のみの評価。物理的密室、心理的密室等々、数々あれど、表題作は「ユダの窓(9点)」「斜め屋敷の犯罪(9)」「ビッグ・ボウの殺人(8)」を押さえ、マイベストNo.1にランクイン(笑)。まあ、密室ものの短篇はほとんど読んでいないので、もっとすごい密室があるのかもしれませんが・・・。何しろ、伏線が素晴らしい。動機の隠し方がうまい。なお、マイナスポイントは、「第三の銃弾」(別途評価済み)と同様な理由。

No.10 7点 メルカトル 2018/02/22 22:21
カー、久しぶりですねえ。学生時代に読んだ『猫と鼠の殺人』が最後だったでしょうか。今でこそ異端の道をひた走っている私ですが、当時は本格一辺倒でした。やはりカーは良いですね、素晴らしいです。

前置きが長くなりましたが本作、何と言っても表題作の出来が群を抜いていますね。どこから見ても不可能と思われる犯罪を、ここまでコンパクトにすっきりと纏め上げる手腕は見事としか言いようがありません。綺麗な謎解き、鮮やかなトリックにプラスして皮肉な結末には唖然とさせられます。さすがに短編ながら代表作に挙げられるだけのことはあります。

他は『赤いカツラの手がかり』がかなり煩雑で解りづらかったのを除けば、どれも及第点以上ではないでしょうか。特に中編の『第三の銃弾』は非常に良く考え抜かれたプロットとトリックで、読み応えがあります。面白いです。探偵役のマーキス大佐はなかなか個性的でフェル博士やHM卿ほどアクが強くありませんが、個人的には好感が持てました。
これまでカーと言えば密室トリックのイメージが先走りしすぎて、私の中ではストーリー性やプロットなどはそこまでとは考えていませんでしたが、本作を読んで考えを改めなければならないと思いましたね。

No.9 7点 斎藤警部 2016/09/16 23:51
妖魔の森の家/軽率だった夜盗/ある密室/赤いカツラの手がかり/第三の銃弾
(創元推理文庫)

何と言っても美しきおぞましき重みと反転の表題作が圧巻(単体で8.4点)。他の作品もみな締まり良く魅力的。物語もカラフルで読みやすい面白い。
全体的にチマチマカサカサした「不可能犯罪捜査課」よりずぅ~っと好きよ。

No.8 8点 アイス・コーヒー 2014/08/25 18:11
表題作を含む四つの短編と中編「第三の銃弾」を含むカーの短編全集第二弾。フェル博士やH・Mを探偵役に据え、そのほとんどに密室が登場する。

「妖魔の森の家」はそのトリックや伏線の完成度の高さや設定の独自性、結末の意外性の総てにおいてかなりの完成度を保つ傑作だ。教科書的過ぎて面白みに欠ける点はあるが、ミステリファンならば是非とも押さえておきたい。
二転三転とする展開が興味深い「軽率だった夜盗」や、非現実的ではあるが独創的なトリックの「ある密室」なども興味深い作品で、「赤いカツラの手がかり」もユニーク。
「第三の銃弾」は「銃弾のアリバイ」がテーマとなっていてそのトリックもよくつくりこまれている。王道のアリバイものだが、中々楽しめた。最後のオチはいくらなんでも酷いと思うが。
長編のようクセがなく、気軽に読めるあたりに魅力を感じた。カーの長編と相性の悪い自分にとっては嬉しい一冊だった。どれも力作ばかりだ。

No.7 7点 2011/12/17 14:59
表題作は、20年前の消失事件の当事者であるヴィッキーが、現代になってまた消えてしまうという内容。しかも消失は、H.M卿らとのピクニック中に発生する。
巻頭ページで、この表題作が白眉であるとの説明文があります。奇抜な謎やその謎発生の場面設定、手がかり伏線を評価して「白眉」と褒めたのでしょうが、古典だからといってそれはすこし褒めすぎなのではと思います。たしかに良く出来てはいますが、どちらかといえば、短編本格ミステリーの教科書、お手本という程度です。
それにH.M卿が現場にいながら何故すぐにわからないのかという点もひっかかります。まあ短編なので、そのへんはよしとしましょう。

「赤いカツラの手がかり」はちょっとユニークで、楽しい作品。物語の面白さでは編中ナンバーワンかと思います。

「第三の銃弾」は提示される謎の深さが特徴。謎は読み進むごとにさらに深まっていく。手の込んだ犯行計画に突発的な条件を加味して真相を上手く隠蔽した精緻な作りは、秀逸だと思います。ミステリーとしての凝り方はピカイチです。万人のミステリー・ファンが楽しめるかというと疑問ですが、よく考え抜かれた作品だとは思います。
本作は早川の完全版を少し前に読みましたが、今回のものは簡約版で、復習するのにはちょうどよかったです。

これら3作は趣が異なり、それぞれの楽しみ方ができました。他の2作も悪くはなく、1冊まるごと飽きることなく楽しめました。

No.6 8点 E-BANKER 2011/11/23 20:54
創元文庫版のカー短編集。
短編になっても「カーはカー」とでも言いたくなる作品が並んでる。

①「妖魔の森の家」=20年前に発生した森の家からの幼児消失事件。そして、20年後の今再び、同じ人物が同じ家で消え失せる
・・・H.M卿が解明した真相は現実的なもの。ただ、H.Mも「アレ」を持ったのなら、少なくとも「変だな?」くらいは思うんじゃないかなぁ??
②「軽率だった夜盗」=これは、カーター・ディクスン名義で発表した長編「仮面荘の惨劇」の元ネタ。なかなか小気味いいトリックなので、むしろ短編の方が合う感じ。こちらは、フェル博士が探偵役になっている。
③「ある密室」=カーお得意の密室もの。トリック自体は、カーが分類してみせた「密室トリック」の中の代表例のようなやつ。ただ、かなり強引で、犯人側にはリスキーなものに見えるのが難。
④「赤いカツラの手がかり」=これはちょっと毛色の変わった作品。真夜中、素っ裸で殺害された女性の謎。要は、「なぜ素っ裸なのか?」が事件の鍵になるわけですが・・・日本人にはちょっと分かりづらいかな?
⑤「第三の銃弾」=この作品は中編と言うべき分量。これは、まさにカーそのものっていう作品で面白い。「密室トリック」はさすがに考えられてる。今回は、窓は密閉されていないが、目撃者の目が光っていたという、いわゆる「準密室」。密室トリックに3発の銃弾の取り違えや犯人側の錯誤(?)も交えていて、なんともまとまりのある作品になっている。お勧め。
以上5編。

これは評判に違わない作品集。
短編だけに、余計な寄り道もなく、ストレートにトリックや仕掛けを味わうことができる。
「密室」はトリック云々もいいが、やはり「なぜ密室にしたか?」や「なぜ密室になってしまったのか?」というポイントをどれだけ読者に納得させられるかが「いい作品」の分かれ道。本作はそういう点でも「お手本」でしょう。
(やはり⑤がベスト。①~④もどれも楽しめる)

No.5 8点 りゅう 2010/07/31 14:59
 再読。前回読んだのはかなり前だが、表題作に関しては、細かい伏線までほぼ完全に覚えていた。伏線の張り方のお手本とも言うべき傑作である。文庫本の解説を読むと、「クイーンはこれを、推理小説の理論と実際の、ほとんど完全な作品といい、再読し、再吟味し、再礼賛すべきものだと称揚している」と書いてある。まさにそのとおりだと思う(文庫本の解説は完全ネタバレをしているので、未読の方は作品読了後に読んだほうが良い)。真相を知ったうえで読み返すと、カーがいかに大胆な描写をしているかがわかり、驚かされる。「ある密室」や「第三の銃弾」もあらすじは覚えていたが、オチは覚えていなかった。カーという作家は、謎の提示の仕方が非常に魅力的なのだが、種明かしは肩すかし気味という印象があり、この2作品も然り。表題作以外の作品のオチは、また忘れてしまうことだろう。

No.4 7点 kanamori 2010/07/01 22:38
カー短編全集の第2弾。
なんといっても、表題作のH・M卿もの「妖魔の森の家」がずば抜けた傑作でしょう。ミスディレクションの巧妙さに加え、なんとも皮肉の利いたトリックが印象的です。
ほかでは、「赤いカツラの手がかり」の二転三転するプロットが面白かった。

No.3 8点 測量ボ-イ 2009/06/14 10:59
伏線の張り方の巧みさにおいて、表題作はさすがというべき
出来栄えです。
僕自身海外作品の短編はそう数多く読んでいませんが、その
中でも確実に上位にランクインされる作品だと思います。

No.2 8点 2009/06/11 20:58
『ある密室』は、読者には推理のしようがないあまりに専門的な知識を利用したトリックです(というより『連続殺人事件』のカーだけに、本当にそんなことがあるのかいなと疑ってしまいます)が、それ以外は文句なしの表題作をはじめ粒ぞろいの中短編集だと思います。
『第三の銃弾』はクイーンによるダイジェスト版の翻訳だそうですが、初読当時はそんなことは全く知らず、凝りまくった謎とその鮮やかな解決には非常に感心しました。
『軽率だった夜盗』は後に長編化されていますが、この元の短編の方がまとまりよく仕上がっています。

No.1 8点 Tetchy 2009/01/05 22:29
玉石混淆の短編集だが、逆にそれが故にメリハリが出て、総体的にはカーの短編集の中でも最も好きな一冊である。

表題作は傑作。短編のみならず長編も含めて上位に来る作品。一瞬チェスタトンかと思った。

「ある密室」はほとんどアンフェアだが、まあこのずるさもカーならではか。

「赤いカツラの手がかり」は真相は解るものの、なかなかコミカルで、記憶に残る作品だ。

「第三の銃弾」はハヤカワ・ミステリ文庫で完全版が出ているので読む必要はないかな。


ジョン・ディクスン・カー
2006年12月
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