皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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◇・・さん |
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| 平均点: 6.07点 | 書評数: 226件 |
| No.226 | 5点 | 学長の死- マイケル・イネス | 2026/03/31 19:29 |
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| オックスフォード大学のセントアントニー学寮長が、額を撃ち抜かれ頭をガウンで包まれ、周囲には標本の人骨がばらまかれているという謎めいた状況で発見された。諸事情から容疑者は門の鍵を所持しているほぼ七人に限定された。
時間と場所と人物関係は錯綜しており複雑である。プロットの中心となるアイデア、その喜劇的パターンは大変ユニークで魅力的だが、細部があまりにゴタゴタしすぎている。もう少し整理すれば、ウェットと皮肉のきいた物語になったのではないかと惜しまれる。 |
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| No.225 | 8点 | スターヴェルの悲劇- F・W・クロフツ | 2026/03/31 19:23 |
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| ヨークシャーの荒野に立つ屋敷が炎上し、当主を含む三人の住人の遺体が発見される。しかも金庫の中に貯めておいた大量の紙幣は灰に。原因不明の事故として処理されたものの、当主と取引のあった銀行支配人が疑念を抱いたことがきっかけとなり、捜査が再開されスコットランド・ヤードはフレンチ警部を派遣する。
作者の代名詞のように語られてきたアリバイ崩し要素がほとんどない本作は、入念に布石が打たれ丁寧に伏線が張られた堂々たる本格ミステリ。二転三転するプロットの妙味と予想を裏切る緊迫感あふれるクライマックスには思わず唸った。 |
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| No.224 | 5点 | トラブルはわが影法師- ロス・マクドナルド | 2026/03/12 18:47 |
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| 外面的にはスパイ追求のサスペンスだが、真のドラマは探偵役の海軍士官が精神の充足を求めて破滅し、逃避を希求する運命にある。
自らを限りなく不器量な存在と感じた精神の空虚をサスペンス小説に仕立てたことに歴史的存在理由がある。 |
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| No.223 | 6点 | フィッシャーを殺せ- クリストファー・フィッツサイモンズ | 2026/03/12 18:44 |
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| 仮想国の独裁政権を逃れてロンドンに亡命している元スパイをめぐる追いつ追われつがスピーディに描かれ、しかも共感を呼ぶ。
刺客側のダイアローグをところどころに配した簡潔な構成も良く、ラストの苦い味わいもさらに簡潔で効いている。 |
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| No.222 | 6点 | 死の扉- レオ・ブルース | 2026/02/19 19:48 |
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| 前半まではユーモアある文章がいかにも英国の本格探偵小説らしいおっとりした味わいを楽しみながらも、平板な展開で少し不満だった。
しかし、カロラスがリムブリック氏に会うあたりから、容疑者の相次ぐ告白、カロラスの推理の方向転換、カロラスの危機を経て大詰めへと運ばれる後半の展開は、サスペンスも加わり盛り上がる。 カロラスの絵解きも充実した内容で、メイントリックの動機の転換を土台とする事件の再構成はお見事。犯人の意外性も申し分なく、伏線も巧妙に張られており、ミスディレクションもきいている。 |
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| No.221 | 5点 | バビロンを夢見て- リチャード・ブローティガン | 2026/02/19 19:41 |
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| 真珠湾攻撃の翌月のサンフランシスコを舞台に、「バビロン」の白昼夢に取りつかれたC・ガードのオフビートな逸脱ぶりを強調したメタハードボイルドの記念碑的作品。
ネオ・ハードボイルドの負の部分を煮詰めた結果、アンチハードボイルドの域に達した問題作。 |
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| No.220 | 7点 | 花園の迷宮- 山崎洋子 | 2026/01/30 20:27 |
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| 遊郭で起きた連続殺人事件を、下働きとして働く少女・ふみが追いかける。遊郭で働く女性たちの生々しさときらびやかさを色彩豊かに描いた第三十二回江戸川乱歩賞受賞作。
悲惨さはほとんどなく、特殊な閉鎖空間で起きた不可能犯罪とその謎解きの楽しさを存分に味わえ、解決後は爽快感と甘酸っぱさを残す。 |
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| No.219 | 6点 | サイロの死体- ロナルド・A・ノックス | 2026/01/30 20:23 |
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| ハウスパーティで「駆け落ちゲーム」が行われた翌朝、邸内のサイロで発見された客人の死体を巡る事件だが、息苦しいまでに考え抜かれ練り上げられたプロット、稚気満々の大胆なトリック、数えきれないほどの手掛かりと本格ミステリに特有の趣向を満載した作品。 | |||
| No.218 | 6点 | 天使の一撃- ジャネット・ニール | 2026/01/14 22:11 |
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| 北イングランドの破産寸前の繊維工場の仕入部長殺害を中心に展開される。ロンドン市警の刑事であるジョン・マクリーシュは、ただの強盗殺人と見えた事件に疑惑を抱く。
作者はアメリカ人を巧みに利用し、この時期のイギリス人の外国人や移民への激しい嫌悪感を鮮やかに描いている。本書は、ミステリがあらゆる時代のあらゆる社会を真に反映していることを示す格好の例である。優れたキャラクター描写、各場面のきめ細やかい描写、そして興味深いプロットに魅了された。 |
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| No.217 | 7点 | 殺意のシーズン- カール・ハイアセン | 2026/01/14 22:03 |
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| マイアミで殺人事件と観光客失踪事件が相次いで起こり、フロリダに住む人々が旅行者の取引に巻き込まれる。元新聞記者のブライアン・キーズは私立探偵としてこの騒動に飛び込み、犯人は誰なのかという謎に挑む。
本書には、ブラウン以外にも魅力的な人物が登場するし、舞台の描写も素晴らしい。そして作者ならではの予想もつかない出来事で人を笑わせるユーモアを味わうことが出来る。ユーモアとサスペンスを熟成させた作品と言える。 |
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| No.216 | 7点 | 死体が多すぎる- エリス・ピーターズ | 2025/12/23 21:42 |
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| スティーヴン王の戦いと九十四人の囚人の処刑で幕を開ける。カドフェルは埋葬の手伝いのため、城に呼び出される。そこで彼は、九十五の死体があることに気付き、一つが殺人の犠牲者であると確信する。
主役も脇役も、それぞれのキャラクターが善と名誉を試されるさまには魅了される。作者の生き生きとした複雑なプロットと力強いキャラクターを作り上げ、道徳観を強調しながらも少し説教じみたところがない小説に仕上げている。 |
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| No.215 | 7点 | 大いなる救い- エリザベス・ジョージ | 2025/12/23 21:36 |
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| ある男が農場の庭で首を切られ、飼い犬がそばで死んでいた。そして彼の娘が、死体のそばで斧を手に座っていた。リンリーはこの事件には何か裏があると確信する。
この小説の魅力は、なぜ犯罪が起きるのかを探っていくところにある。プロットはキャラクターによって決められるが、それでも結末はひどく衝撃的で、また必然的な解決になっている。 |
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| No.214 | 6点 | 並木通りの男- フレデリック・ダール | 2025/11/19 19:48 |
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| 友人宅でのニュー・イヤーパーティに向かう途中の並木通りで、突然飛び出してきた男を轢き殺してしまったアメリカ人男性が体験する悪夢の中で、迷宮を彷徨うかのような底知れぬ不安感が漂う一夜を描いたサスペンス。
わずか二百ページの中で、事態は目まぐるしく変化し、ショッキングな出だしから予想外のラストまで一気に突き進む。犯罪のただ中に身を置いた主人公の心理描写に重点を置き、トリッキーな構成とスピーディーな展開で、暗い情念を抱えた男と女の愛憎劇を鮮烈に描くという作者の特徴が発揮されたサスペンス。 |
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| No.213 | 8点 | ジャンピング・ジェニイ- アントニイ・バークリー | 2025/11/19 19:39 |
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| ある探偵作家の邸で開かれた仮装パーティー。参加者全員が史上有名な殺人事件の犯人が被害者に扮するという趣向の夜、屋上に設えた絞首台にストラトン夫人の死体が吊り下がっているのが発見された。
椅子の位置や指紋の有無といった単純な問題から、これほどサスペンスフルな物語が生み出せるとは。一部倒叙的な描写も交えたユニークな構成と脱力感を催すどんでん返しが鮮やか。多重解決の手法を駆使し、真相の不確定さを描いて見せた作品。 |
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| No.212 | 6点 | 悪魔の収穫祭- トマス・トライオン | 2025/10/29 21:46 |
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| 余所者に対して排他的な閉じられた空間、愛憎渦巻く密な人間関係、そして土俗的信仰といった田舎社会の特徴がホラーを語る上で格好な舞台と状況を提供してくれる。
本書は、そうした田舎に都会から移住してきた家族に向かられる。一見したところ善良で人の良さそうな村人たちのファナティックな言動の脅威が描かれている。 |
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| No.211 | 7点 | 地獄の家- リチャード・マシスン | 2025/10/29 21:41 |
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| ある富豪から幽霊屋敷の調査を通して死後の世界を証明するように依頼された科学者とその妻、心霊主義者と自称超能力者の四人が悪意に満ちた超常現象に挑む。
性的倒錯とモラルの崩壊、合理的精神と超自然的精神との闘いといった問題を提起しながら、憎悪という情念について遺憾なく語り、古典的幽霊屋敷ものに新境地を拓いた作品として名高い。 |
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| No.210 | 9点 | オランダ靴の秘密- エラリイ・クイーン | 2025/10/13 19:57 |
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| 国名シリーズ中、最もエレガントな論理を展開する
些細な物証から真相が導き出される過程には知的ショックを覚える。 |
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| No.209 | 7点 | 海野十三集 三人の双生児- 海野十三 | 2025/10/13 19:55 |
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| 初期の探偵小説、ショートショート、故郷を舞台にした幻想小説など、どれも科学とエログロナンセンスが交錯する作品が揃っている。 | |||
| No.208 | 5点 | 聖アンセルム923号室- コーネル・ウールリッチ | 2025/09/20 19:22 |
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| あるホテルのある一室を舞台として、そこで起こった人間ドラマ。七つの話からできている連作短編集で、最初が一八九六年のホテル開業日、最後が一九五七年のホテル閉鎖日となっている。
作者はホテルの部屋そのものを主人公としたかったらしいが、七つの話それぞれが平面的で、話そのものもありふれているので、部屋の性格などが立体的に浮き彫りになるはずはない。良くも悪くも作者らしいセンチメンタルな作品である。 |
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| No.207 | 4点 | 殺人混成曲- マリオン・マナリング | 2025/09/20 19:17 |
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| 登場人物にクイーンやメイスンやポアロなどが飛び出し大騒ぎする。
パロディといえば、推理小説の神髄を把握してこそのパロディだが、この場合はそういうものがない。いたずらにゴタゴタした混乱が続き、何が何だかわからにうちに幕となる始末。 |
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