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[ 本格 ]
時計の中の骸骨
HM卿シリーズ
カーター・ディクスン 出版月: 1957年01月 平均: 5.00点 書評数: 7件

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早川書房
1957年01月

早川書房
1976年10月

No.7 3点 文生 2024/03/09 01:02
ドタバタ劇としては面白いがミステリーとしては見るべきものがないという、戦後ヘンリー・メリヴェール卿作品の典型例。特に、不可能状況での墜落死事件における真相は脱力ものでした。その他のミステリー要素もイマイチで全体的にまとまりに欠ける駄作といった印象です。

No.6 5点 レッドキング 2021/05/27 22:02
タイトルがいい。舞台装置も素晴らしい・・廃墟刑務所の死刑部屋、移動見世物小屋、鏡の迷路・・ミステリ大道具はかくありたい。ホラーとドタバタの結合、グロテスクな滑稽風味、実によい。犯人像もなかなか。ただ、転落殺人トリックは・・この作より20年前の「孤島の鬼」や10年前の「曲がった蝶番」に半歩劣るかなあ・・刺殺時間トリックは、もっとショボいかなと。 ※メリヴェール卿と伯爵未亡人のバトル大爆笑に、1~2点おまけ付けちゃう。

No.5 6点 ボナンザ 2017/09/17 12:35
犯人の意外性、ラブロマン、怪奇趣味、ファースとカーの得意技をふんだんに詰め込んだ佳作。

No.4 6点 nukkam 2016/08/22 00:21
(ネタバレなしです) 1948年発表のH・M卿シリーズ第18作の本書は空さんのご講評で的確に説明されているようにこの作者の様々な持ち味がバランスよく発揮された本格派推理小説です。中でも強烈なのはユーモアで、H・M卿と堂々と渡り合える人物を登場させてどたばたに拍車をかけています。夜中の監獄での肝試しイベントでのスリル感の演出や(トリックはちょっと拍子抜けながら)お約束の不可能犯罪やべたべたに甘いロマンスと至れり尽せりです。真相にはぞっとするような要素もあるのですがさほど深刻に扱わずに後味のいい読後感を優先させているのもこの作者らしいです。

No.3 5点 了然和尚 2015/12/28 16:59
カーの作品は30年くらい前にほぼ全部一回は読んでいるのですが、本書は初読。あらためて書かれた順番で読んできましたが、本作は初期の頃のスタンダードなカーの雰囲気に戻った感じですね。で、内容は平凡なので、結果としてぼちぼちな感じです。
本作は、自分には意外な犯人でした。ネタバレで書きますが、子供が犯人であるというのは、あの有名作品の専売特許かと思っていたので、カーにもあったというのが驚きでした。あとがきで書いてあったのですが、この犯人は「曲がった蝶番」の変形で(どっかでクリスティーが先にやられたと言ったとか書いてたっけ)カーとしては自慢のトリックだろうと思います。
その落下トリックですが、冷静に考えるとむこうずねの裏を殴られて前に倒れるか後ろに倒れるかが1/2のような気もしますが、痛そうなので実験する気にはなりませんね。
本作は前半の内容であれば、犯人は死刑部屋に閉じ込められたアリバイの完璧な男で、ちゃんと血の付いた剣で時間トリックもはってあり、共犯らしき女性の行為も出てきます。この燻製にしんに比べると、過去の事件はトリッキーですが現在の事件があまりにも意味不明なので、全体にまとまりがなくなってます。


No.2 6点 2011/12/03 09:54
ずいぶん前に読んだ時には、つまらないという印象だったのですが、それは過去の墜落死事件トリックの凡庸さと、犯行隠蔽工作に対する不満からでした。
ところが今回再読してみると、意外に楽しめました。kanamoriさんも書かれているようにブレイル伯爵夫人とH・M卿との間で繰り広げられるギャグがよく話題にされますが、カーにはもっと悪ふざけ度の高い作品もあります。むしろ旧刑務所内での深夜の肝試しの不気味な雰囲気とか、例によっての無鉄砲なラブロマンスとか、最後の鏡の迷路の緊迫感とか、様々な要素をうまく詰め込んでいて、まとまりよく仕上がっていると思いました。
真犯人の性格設定もなかなかのものですし、この全体構成ならば、墜落死トリックもこの程度にとどめたのがむしろよかったようにさえ思えます。新たに起こる殺人の印象が薄い(すっかり忘れてました)とは言えますし、その動機に異議を唱える人もいるでしょうが。

No.1 4点 kanamori 2010/06/27 21:17
怪奇趣向とドタバタ喜劇が錯綜するユニークなプロットですが、ミステリとしてはあまり見るべきところのない凡作ですね。
ただ、H・M卿と宿敵ブレイル伯爵夫人との数々のバトルが爆笑もので、唯一の読みどころかな。


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カーター・ディクスン
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