皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格/新本格 ] 点と線 三原警部補と鳥飼刑事 |
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松本清張 | 出版月: 1958年01月 | 平均: 5.87点 | 書評数: 39件 |
光文社 1958年01月 |
光文社 1960年01月 |
新潮社 1970年03月 |
文藝春秋 1971年01月 |
新潮社 1971年05月 |
新潮文庫 1971年05月 |
講談社 1972年01月 |
文藝春秋 2002年08月 |
文藝春秋 2009年04月 |
No.19 | 5点 | バード | 2013/10/01 23:20 |
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推理小説界の一つの時代の境目となった作品というと大袈裟だがそういったポイントとなったものだと思うと感慨深い。流石に今のご時世ではこの程度のアリバイトリックでは通用しないが昔の作品としては上出来だと思う、小説としてはつまらなくはなかった。 |
No.18 | 7点 | E-BANKER | 2013/06/15 16:13 |
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ゾロ目888冊目の書評に到達。(ついにここまできたか・・・)
今回は、昭和33年に発表された国内社会派ミステリーの御大・松本清張の超有名作をチョイスした。 しかし、これが何と清張作品の初読なのである・・・ ~九州・博多付近の海岸で発生した一見完璧に近い動機付けを持つ心中事件の裏にひそむ恐るべき奸計。汚職事件に絡んだ複雑な背景と、殺害時刻に容疑者は北海道にいたという鉄壁のアリバイの前に立ちすくむ捜査陣・・・。列車時刻表を駆使したリアリスティックな状況設定により、推理小説界に“社会派ミステリー”の新風を吹き込み、空前の推理小説ブームを巻き起こした秀作~ やはり「格が違う!」 そんな印象が強く残った。 冒頭に書いたとおり、実は今まで清張作品を「読んだ」ことがなかったのだ。(特別避けていたわけではないのだが、何となく食指が動かなかった・・・) もちろん、代表作はテレビ等で幾度となくドラマ化されていて、本作についても粗筋やトリックの要諦は頭に入っていたのだが、 でも、そんなのは関係なし。 本作を有名作たらしめた最大の要素は『空白の四分間』という奴だろう。 これは実に見事なプロット。 これが真犯人の奸計の中心であり、アリバイトリックの焦点でもあり、終盤は事件の構図自体を鮮やかに浮かび上がらせる場面(シーン)にもなっている。 探偵役を務める三原刑事は、まさにフレンチ警部ばり。 九州から北海道まで、とにかく自分の足を運び、犯人の築く高いアリバイの壁に何度も阻まれながら、最後には真相に行き着く。 本作は、汚職事件が絡んでいるとはいえ、「社会派」的な要素は薄く、純粋にミステリーとして楽しめる作品。 アリバイトリックのレベル自体は、ほぼ同時代に出された「黒いトランク」ほどではないが、まぁ十分に合格点だろう。 やはり、大作家・松本清張を知る上では欠かせない一作と言える。 (個人的に、この手の作品が好きということはあるが・・・) |
No.17 | 8点 | 蟷螂の斧 | 2012/12/07 20:23 |
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(東西ベスト100・既読分)松本清張にハマった一冊。4分間の空白とアリバイトリックは印象的。アリバイトリックは、現在では無理なのですが、当時はビックリしました。時代の流れを感じます。あと、動機にも重点が置かれていることが印象的でした。
(追加)甲は赤の他人の乙にうまく話しかけ、A地点に誘導することは可能である。現在なら、空飛ぶ自動車(開発済み)を利用したというようなもの(笑) |
No.16 | 7点 | HORNET | 2012/01/22 05:56 |
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派手さのない、現実的な作品だが(そりゃそうか)、「空白の4分間」に気付く場面など、トリックの内容でハッとさせられ、楽しませてくれる。捜査以外の余分な展開がなく、地道に進められる捜査の進展に没頭して読めた。このまま鉄道でのアリバイトリックが崩されていくのかと思ったら、後半になって飛行機案が浮上してくるのにはちょっと拍子抜けしたが、全体的に複雑で難解な印象もなく、読み応えのある良作だった。 |
No.15 | 8点 | 大泉耕作 | 2011/11/24 16:49 |
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松本清張氏はこの作品執筆の際に、かなり念入りに時刻表を読みこんでそこで十五番線が丸出しになるおよそ四分間から、この作品に着手をかけたのではないかと思います。
社会派独特の雰囲気を強調するために困難な文章を飾るかと思いきやいたって簡潔で、またそのためにスピィーディーな読み応えがありす。 トリックがシンプルなのは否めませんが、ヘタな本格よりもこちらの方が比にならぬほどの出来栄えです。 |
No.14 | 9点 | 卑弥呼 | 2011/11/08 01:13 |
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今の時代読めばこそトリックは分かりやすいけれど、そこに行き着くまで、トリック判明後の人間描写はすごい。
ところどころ含まれるキャッチーなワードにぞくぞくする。 官僚・・・汚職・・・いいものは時代を超えるというけれど、悪いものも時代を超えるんですね。 |
No.13 | 6点 | 3880403 | 2011/04/08 18:41 |
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アリバイ崩しで昔の時代の話だが巧妙で楽しめる。
叙述ばかり読んでいる時に読んだのでかえって新鮮に感じた。 |
No.12 | 5点 | まさむね | 2011/01/11 22:10 |
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「空白の4分間」を発掘し,活用した点については,当時としては確かに素晴らしいと思う。
ただし,やはり飛行機が普及しまくった現在においては,アリバイトリックの面白さは半減,というか皆減。 (まぁ,携帯電話の普及に伴って,20年ちょっと前の作品ですら現実味が薄れてきてる状況を考えれば,しょうがないのでしょうが…) あまりにも有名な作品であるし,その後の社会派隆盛の発端となったという意味で「歴史上の記念碑的な作品」ってのが,初読時の私の率直な印象でした。(勿論,楽しんで読ませていただいたのですが。) 今回久しぶりに読んでみましたが,その印象から特段の変化はありませんでしたね。 |
No.11 | 8点 | seiryuu | 2010/11/07 15:24 |
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アリバイ崩しが素晴らしいと思いました。
十分楽しませてもらいました。 読んだのは図書館の蔵書だったので 光文社創業60周年記念出版の初版の復刻版を買おうと思いました。 |
No.10 | 5点 | kanamori | 2010/07/28 17:37 |
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清張作品の本質の一つは、濃厚な人間ドラマ的な部分にあると思っているので、刑事の捜査過程に軸足のある本書は異色作に近い作品だと思います。
アリバイ・トリックの手段については、時代性を考えればとくに不満はありませんが、東京駅の空白の4分間に関してアイデアが評価される点がいまだにピンときません。 |
No.9 | 6点 | spam-musubi | 2010/06/24 19:46 |
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社会派推理小説時代の幕を開いた記念碑的作品。
犯人は途中で明確になるので、膨大なアリバイを どう切り崩すかという点での、警察と犯人の勝負を 追ったストーリー。 本当に「鉄壁」に思えるアリバイ崩しは見ごたえがある。 が、途中でなぞ解きを意識しないタチの自分ですら 「飛行機はこの時代飛んでなかったのかな・・・?」と 思ってしまったくらいで、警察が気づくのが遅すぎないか。 また、最後に犯人との対決場面がないのももう一つ 拍子抜け。 名作に敬意を払いつつこの点数。 |
No.8 | 7点 | STAR | 2010/02/23 11:59 |
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(ネタバレあり!)
有名な4分間のトリックは、小難しい時刻表のトリックよりよほどいいと思います。 今読むと古いと思ってしまうかもですが、動機など今でも十分にありそうな内容。自分より弱い者に罪をなすろつけたりする政治家とか汚職とか何十年前とさほど変わってないのかと悲しくもなりますが。 |
No.7 | 5点 | sasami | 2009/06/15 14:34 |
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歴史的価値はあるのかもしれませんが
今読んでしまうと、あまりにも単純に感じられてしまいますね 普通に予想できる真相で伏線も特になく正直がっかりしました |
No.6 | 5点 | simo10 | 2009/05/22 17:35 |
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--ネタばれ含みます--
初めて清張氏の作品を読みました。 社会派の先駆け作品ということもあり、堅苦しい作風を予想していたのですが、かなりくだけた表現も使われており非常に読みやすかったです。 4分間の空白は地味でありながら先入観につけ込む味のあるトリックだと思いました。 しかし、読み進めながらいつまでたっても「飛行機案」が出てこないので、「この時代はまだ博多と札幌には空港がないのだろうな」と思っていたら、7割以上話が進んだところでようやく刑事が飛行機案に思い至ったときは正直唖然としました。 はっきり言って、この点がせっかく良い出来の作品全体の質を落としたと思われて残念です。 飛行機のアリバイ工作もしているんだから、もっと早目に飛行機案を提示しても問題ないのにと思いました。(問題あったのかも知れませんが…) |
No.5 | 3点 | 江守森江 | 2009/05/22 16:32 |
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一時期の本格ミステリ凋落に寄与した悪い意味で偉大な作品。
社会派作品としてドラマが楽しめてしまう自分が情けない。 空白の4分間に気づいた作者は素晴らしいが、作品内では捜査開始の為の捨てトリックであり、その先のメイントリックが余りにチープで褒められない。 伏線も無く、地味な捜査過程を読ませる推理小説にさほどの価値を見いだせない為、世間的評価に組しない採点とした。 ※設定された時代の技術や道具をトリックで利用すると、その部分は当然の如く時代の波に飲み込まれる。 この作品もそうだが「アクロイド殺し」のアリバイや「人形はなぜ殺される」の鉄道形態なども悲しいかな同様だろう。 |
No.4 | 6点 | 臣 | 2009/05/15 12:35 |
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実は本作は、空白の4分間という名トリックがあり、アリバイ崩しがメインとなっているから立派な本格物です。
しかし、汚職などを絡めて動機を強調させた内容となっているので、清張の社会派長編第1作として有名になったようです。 本作は東西ミステリベスト100の上位にも食い込み、かなり評価が高いようですが、社会派好きの私は、なぜかそれほど好きではありません。あまりにも泥臭いせいでしょうか。とにかくリアリティがありすぎます。 |
No.3 | 5点 | 測量ボ-イ | 2009/05/03 16:39 |
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世間の評価は高いが、自分としてはそれほどでもなかった
です。アリバイトリックも驚くほど単純でしたし・・・ 例の東京駅ホ-ムの4分間というのも、読者がそれを推理 でもって真相にたどり着ける伏線を与えていないので、何 だかアンフェアな感じがしました。 |
No.2 | 7点 | 空 | 2009/01/31 19:29 |
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松本清張のというだけでなく社会派ミステリの記念すべき長編第1作ということで、歴史的評価の高い作品です。確かに短くきっちりとまとまった秀作だとは思いますが、動機に社会的な背景を持たせたとは言え、ストーリーはクロフツ以来の警察官による普通のアリバイ崩しであり、作者の持ち味が十分発揮された最高傑作の一つとまでは言えないのではないでしょうか。
社会的な背景があればこそ可能な偽アリバイの駄目押しがありますが、利用者が当時とは比較にならないほど多くなった現在では、完全チェックが無理だという意味で考えられない方法でしょう。 |
No.1 | 9点 | VOLKS | 2008/01/30 22:33 |
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初めて松本清張の作品を読んだ時は中学生だった。それまで探偵小説・ミステリィと言えば、横溝正史か江戸川乱歩で、それは本当に「探偵」が出てくる「探偵小説」だった。この作品によって松本清張という作家に出逢い「刑事が地道に事件を解決する」という抑揚を抑えたミステリィを知った。緻密な計画・時刻表のトリックは、派手さこそないが当時はじめて出逢った犯人だったので印象深い。 |