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[ 短編集(分類不能) ]
西郷札
松本清張 傑作短編集〔三〕
松本清張 出版月: 1965年11月 平均: 7.50点 書評数: 2件

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新潮社
1965年11月

No.2 7点 ALFA 2018/12/10 13:58
戦国から江戸、幕末、明治までを舞台にした12編からなる短編集。ミステリーではない。清張のことだから綿密に資料を駆使して書いたのだろう。
清張節で読みやすいが中には史実をそのまま肉付けした「だから何?」と感じるものもある。
表題作より巻末の「白梅の香」がフェイバリット。薄味だがミステリ風味で読後感もすっきり。

No.1 8点 斎藤警部 2017/09/30 08:16
至宝「松本清張(初期)傑作短編集」の一角。 新潮文庫、時代小説篇その一。

「推理篇」と大きく違わない「現代篇」に較べればこちらは非ミステリの様相が濃い。とは言えその面白さの核心は何れにも共通の「清張DNA」に在り、陰鬱の嵐に晒されるダーク・サスペンスの基調は揺るがない。。のかと思えばそれなりにカラッと明るい爽快さを放つのもあり、、

犯罪興味をミステリ外の方向へ強烈に引っ張ったデビュー作「西郷札」、逃亡サスペンスの痛さが突き抜け歴史の転換を形成する「梟示抄」、視点の機微が冴える残酷ヒューマン・サスペンス「啾々吟」、事は深刻ながらどこか可笑しみのあるドタバタ劇「権妻」、何故かトボけた明るさ残す嫉妬の経緯イヤミス「噂始末」、際どい所で大胆な救いを見せる悲喜劇「面貌」、追い詰められた自暴自棄イヤミス「酒井の刃傷」、、クライム、サスペンス、パッション、ルサンチマン、、熱い熱い親ミステリ要素が沁み通った作品群に大いに組み伏せられたいではないか、まして秋の夜は、諸君!

だけど、最後の「白梅の香」だけはまるで藤沢周平が風呂上がりにステテコ一丁で書いたかのような軽く優しい明朗作で全く清張らしくない! そのくせ本作だけは純粋ミステリ範疇。主人公が性格良いイケメンってのも実に清張らしからぬ設定! 古いクラシック音楽の世界では時々「伝バッハ作曲」なんてのがあって、その中には「どう聴いてもヴィヴァルディあたりの作だろう」と突っ込みたくなるのも多いのですが、まさか本作、その類ではあるまいな?

西郷札 /くるま宿 /梟示抄(きょうじしょう) /啾々吟(しゅうしゅうぎん) /戦国権謀 /権妻 /酒井の刃傷 /二代の殉死 /面貌 /恋情 /噂始末 /白梅の香
(新潮文庫)


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松本清張
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