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[ 本格/新本格 ] 火神被殺 |
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松本清張 | 出版月: 1973年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 1973年01月 |
文藝春秋 1980年10月 |
文藝春秋 2012年07月 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2012/03/27 20:28 |
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バラエティに富んだ5編収録の短編集。
表題作「火神被殺」は、古代史の論考と現代の殺人を結びつけた「陸行水行」や「万葉翡翠」などに連なる作品。古事記と出雲風土記をネタに、神による神殺しのエピソードに見立てた死体状況が絶妙のミスディレクションになっている。 「奇妙な被告」は裁判モノ。”自白の任意性”を逆手に取ったトリックは現代でも十分あり得るものだと思う。 「神の里事件」は神道系の新興宗教教団内の二重殺人事件。凶器の隠蔽や人物に関するトリックなど、かなり本格ミステリしてますが、播磨風土記などのウンチクを読むのが少々キツイ。 そのほか、私小説風の物語からクライムミステリに変わる「恩誼の紐」の暗さが、道尾秀介の最近の作品を連想させる内容でした。 |