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[ 本格/新本格 ]
影の車
松本清張 出版月: 1961年08月 平均: 6.67点 書評数: 6件

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中央公論社
1961年08月

中央公論新社
1973年07月

角川書店
1983年02月

中央公論社
1994年11月

中央公論社
1998年08月

光文社
2018年07月

No.6 5点 ボナンザ 2024/01/19 22:25
清張らしい身近な闇を見事に活かした佳作集。植木鉢を買う女が小気味よくて好き。女性の年齢に関する書き方は流石に昭和かな。

No.5 6点 いいちこ 2018/01/15 15:23
非常に短いセンテンスで、抑制の利いた表現でありながら、優れた描写力を示す筆致に、高い筆力が伺われる。
一方、ミステリとしては、プロットや登場人物の行動に合理性を欠く点も見受けられ、犯人の小さなミスや偶然から、その犯行・底意が露呈するプロットのパターン化が目に付くところ。
一部に突出した作品が見られるが、それ以外は概ね平均点よりやや上に止まっており、そのアベレージの高さは称賛に値するものの、「黒い画集」とは確実に差がある印象
「張込み」と文字どおり同工異曲であり、同様の評価であるが、読み慣れてきたからなのか、同作よりわずかに劣っているのか、「張込み」よりわずかに下と位置付けた

No.4 6点 パメル 2016/09/21 13:33
七編からなる短編集
悪くは無いのだが作者の良さが出ているかといえば疑問が残る
得意の社会の暗部を抉るとかドロドロとした愛憎で緊迫感や駆け引きで
引きずり込んでほしかった
トリックで驚かせようとかフーダニット・ハウダニットで楽しませるとかの
作品では無いのだからこの点が弱いと魅力が半減してしまう

No.3 8点 斎藤警部 2015/11/04 16:15
どれも謎解き要素が強い、しかし暗黒人間ドラマの圧力でそっちは後ろに追いやられて見える、とは言え精細に見直すとやはり謎解決(論理<勘)の根幹がそこにある事に気付く、そんなニクい短篇集。ファンなら必読度強。

潜在光景/典雅な姉弟/万葉翡翠/鉢植を買う女/薄化粧の男/確証/田舎医師
(中公文庫)

今さら言う事でもないですが、清張のタイトル付けセンスは突出した味わいがありますね。それは氏の長篇について言及される場合が多い気がしますが、短篇の方も相当なものです。もう読む前から題名だけで落とされている感じ。

No.2 8点 蟷螂の斧 2012/01/06 16:14
邦画ミステリー(マイベスト2位)の「影の車」<1970加藤剛氏、岩下志麻さん主演>は、本作品の中の「潜在光景」(1961)が映画化されたものです。子供(6歳)の悪意が見事に描かれています。短編なので重厚さの点で若干物足りなさはあります。本作の前に発表された「天城越え(1959)<「黒い画集」に収録>も名作ですが、主人公の少年は16歳でしたので、私的には本作の方が強烈な印象があり、好みです。

No.1 7点 kanamori 2011/12/27 18:53
昭和36年に月刊誌に連載された連作短編集。連作といっても各話に特につながりはなく、明確な共通するテーマも見いだせないのですが、清張お得意の”日常性のなかに忍び込む闇”が引き起こす7つの殺人事件が収録されています。いくつかの作品は”バラ売り”されていて他社の短編集で既読でした。

第1話の「潜在光景」が個人的にベスト。不倫相手である女性の懐かない子供の異常な行為に焦点を当てながら、ラストにくる構図の反転。名作「天城越え」の姉妹編の様な感じ。
他の収録作はトリッキィな作品が多く、この時代ならではの電報を使ったアリバイトリックの「典雅な姉弟」や、意外な死体の処理方法「鉢植えを買う女」なども印象に残った。
古代史ミステリ+現代の殺人の「万葉翡翠」だけ他の作品と毛色が違っているように思えた。


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松本清張
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