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[ 短編集(分類不能) ] 浮游昆虫 旧題 『相模国愛甲郡中津村』 |
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| 松本清張 | 出版月: 不明 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 文藝春秋新社 |
![]() 文藝春秋 1976年09月 |
| No.1 | 6点 | 斎藤警部 | 2025/12/12 00:45 |
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| 浮游昆虫
終戦間もない頃。 泪もろい野心の悪党を中心に、学園理事の醜い争いが描かれる。 結末は、◯◯が勝ったという理解で宜しいか? にも関わらずモヤモヤが残るのは、読者をはじめとする人間たちの××を控えめに炙り出したということか? それとも・・ そういや、途中ちょっと引っかかるフレーズがあったんだよな・・ 読者への吸着力強く、強烈なサスペンスよりも灼けつくスリルが勝る一篇。 7点 閉鎖 告白のような告発のような長い手紙は果たして爆発するのか!? 内容は、或る農村で起きた事件の経緯。 返答はあるのか? それは爆発するのか?! いや、何かが違うようだ。 本当か?・・・ いやはや、そう来たか! まだまだ私も社会派の読みが浅い。 浅くて良かったのかも知れない。 捜査過程をもっと詳細に描いて、そこに絶妙な伏線を仕掛けたら、中篇でも行けたのでは。 6点 皿倉学説 老境の侘びの只中、医学に纏わる闇のロマンと、忌々しい愛人膺懲へのとめどない空想が交錯した。 “××の猿” 仮説はなかなかにスリリング。 だが、せっかくの力あるテーマどうしがバランス悪く寄りかかって、今にも崩れそうではある。 小説の締めは緩いが、緩い面白さがある。 6点 相模国愛甲郡中津村 清張行きつけの神保町古書店で、或る日出遭った老紳士。 密かに蓄積された書簡群が、明治事件史の暗がりを照らさんとする ・・・ 「この資料を全部私に譲ってください。 あなたの希望通りの額をお礼に差し上げたいと思います」 うむ、こりゃ参ったぞい。 豪快に滑り落ちる、強烈な愉快落ちだ!! 7点 振幅 心が弱い男の日常。 叔父は経理畑の会社役員。 ライト社会派エッセイ風ストーリーが被さる。 最後は思いも寄らぬ形で××が壊れて行く。 凄みに欠ける一篇と思ったが、終わり数ページの発熱で盛り返した。 5点強 |
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