皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 短編集(分類不能) ] 疑惑 改題『放火魔』 |
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折原一 | 出版月: 2007年06月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 9件 |
文藝春秋 2007年06月 |
文藝春秋 2010年02月 |
No.9 | 7点 | パメル | 2023/12/08 19:16 |
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オレオレ詐欺、放火、悪徳リフォームなど、テレビでよく報道されているような身近な犯罪がテーマの5編とボーナストラック1編の短編集。
「偶然」一人暮らしの老婆の元に、出ていった息子から電話が入る。切れ味より予定調和な意外さがあって巧さを感じる。 「疑惑」ひきこもりの息子が放火犯ではないかと疑う母親。細かいどんでん返しの連続で、オチは読みやすいが締め方が巧い。 「危険な乗客」夜行列車で乗り合わせた隣の席の女。怪しげな雰囲気の中、折原マジックが炸裂する。 「交換殺人計画」義理の父親を殺す計画を立てた男は、愛人にその計画を打ち明けるが。交換殺人をどう捻るかが話のキモだが、ラストは呆気にとられた。 「津村泰造の優雅な生活」引退して悠々自適の生活を送る津村泰造だったが、そこにセールスマンが来たことから話はややこしくなる。オレオレ詐欺や悪徳リフォーム業者がモチーフになっており、仕掛けられたトリックは一筋縄ではいかない。後味の悪さが印象的。 「黙の家」画家の石田黙の画をふんだんに使っている。沈黙のスピンアウト。 |
No.8 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2020/08/29 15:49 |
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著者の得意な叙述は一作品のみで、ブラックユーモア系が多かったですね。
①偶然 8点 振り込め詐欺の電話を受けっとった老女のお話。結末は思わず吹き出してしまった。バカウケ。 ②放火魔 6点 息子が放火魔らしい。母のとった行動は思いもよらないもの? ③危険な乗客 6点 殺人者が同席する確率は?二人の女性客のねちっこい会話が楽しめた。オチもいい。 ④交換殺人計画 5点 失敗?するも、結果的には成功なの??? ⑤津村泰造の優雅な生活 6点 優雅な生活とはとても言えない(笑)。善人と悪人、嘘と真実の反転が面白い。 ⑥黙の家 7点 誰も訪れることのないような美術館での出来事。著者らしくない?ホラー・テイストな作品で、シュールな感じが何とも言えない。 |
No.7 | 8点 | ミステリーオタク | 2020/08/01 22:14 |
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折原短編集の中では結構いい線いってる方だと思うんだけどな・・・
『偶然』 いかにも折原短編らしいスパイシーなショートミステリ。 『放火魔』 うーん、いつもの折原とはチョッとテイストが異なった意外性。 読後感は・・・言えない。 『危険な乗客』 設定が面白いし、よくできていると思うが、途中ちょっとダラついた感も否めず。 少しフレドリック・ブラウン風かな?(知ったかぶりはやめた方がいいよね) 『交換殺人計画』 これもグイグイ読ませてくれるし、ネタもまあまあ。 少しヒッチコック風?(だからさ・・・) 『津村泰造の優雅な生活』 ツカミはイマイチだが途中からグングン面白くなり、「読めた」と思ったり、変転があったりするが、最後は・・・ 〈ボーナストラック〉『黙の家』 何で?と思ったがボートラを冠するだけのことはある内容。 折原らしいと言えばらしいし、らしくないと言ってもらしい。 滅多にないことだが再読したくなった。 本書自体文庫で250ページという薄さだし書評者数も少ないけど、自分的には掘り出し物と言ってもいい短編集だった。 |
No.6 | 5点 | こう | 2012/02/25 00:36 |
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kanamoriさんの書評を見て「タイムカプセル」以来久々に折原一作品の 「追悼者」を買おうと思って勘違いしてこちらを買ってしまいました。
交換殺人計画がこの中ではまあまあな印象でした。全体として小粒な印象です。石田黙のボーナストラックは個人的にはいいかげんやめたらどうかと思います。 |
No.5 | 4点 | E-BANKER | 2010/10/14 21:24 |
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長期間続いている「・・・者」シリーズからスピンオフした作品集。
①「偶然」=オレオレ詐欺ネタ。仕掛けはあっさりしたもの。軽~い作品。 ②「放火魔」=よくある趣向。若干ひっくり返されますが、サプライズはほんの少し。 ③「危険な乗客」=新宿発「ムーンライトえちご」の進行に合わせて2人の乗客の秘密があらわに・・・たいしたことはありません。 ④「交換殺人計画」=これもちょっと中途半端かな ⑤「津村泰造の優雅な生活」=ラストは若干のサプライズとややブラックな読後感が残りました。 他ボーナストラック1篇の全6編。 他の書評で、「クドイ!」と書いている折原作品ですが、短編になると「クドサ」は消えましたが、逆に物足りない感じが・・・ これこそファン心理でしょうか? まさに”ないものねだり”かもしれません。 |
No.4 | 5点 | まさむね | 2010/05/04 23:59 |
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軽いタッチで読み進めやすい短編集。
現実的にどうかとか,そんなことを考えず読み進めていくのが良いかしれませんね,この作品は。 |
No.3 | 7点 | メルカトル | 2010/05/03 23:41 |
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らしさが随所に出ている短編集。
特に最初の二篇がお薦め。 やはり表題作が最も面白いが、それ以外にも捻りの効いた折原節が炸裂する。 ただし、叙述トリックは控えめ。 |
No.2 | 5点 | なの | 2009/03/13 22:26 |
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これまた軽い短編集です
折原一作品って事で、叙述ばかり気にしてしまうのが悪い癖 しかし、振り込み詐欺が好きなんですね、折原さん 「石田黙」って実在の画家だったんですね、ネタだと思ってました |
No.1 | 7点 | おしょわ | 2008/09/14 20:05 |
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いずれも実際にはいかにもありえない話ではありますが、あくまでもオチの意外性を追いかける作者らしい短編集です。
軽く読めるし、超長編読んだ後とかにあってる気がします。 |