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[ 本格/新本格 ]
黒猫の三角
Vシリーズ
森博嗣 出版月: 1999年05月 平均: 5.57点 書評数: 30件

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講談社
1999年05月

講談社
2002年07月

No.30 5点 ボナンザ 2022/09/19 09:55
森らしく無軌道なキャラクターたちと意外にも王道の真相。

No.29 8点 斎藤警部 2022/07/07 11:33
「その、人間の証しに、何の価値がありますか?」

出だしからちょいと退屈に傾く冗長。ぎこちない文系の物言い。他殺と自殺を巡るありきたりの矛盾。一方で、意外性あるメタ?違和感のきらめきが眠気を消してくれる。だがそのメタ?違和感さえ余裕のまやかしだったのか、ナイスなタイミングで急襲をキメてくれた、意外な真犯人暴露・・・(これ言うとネタバレぽくなるけど、)既に人気シリーズを持つ人気作家の新シリーズ一作目であればこその、大トリック。シリーズ名すら堂々のミスディレクション! 当然、某独◯◯に掛けてるもんだと思いこんでました。。(実際それもあるのか?) ともあれ、よくぞここまでフェアプレイに徹しというか、むしろフェアプレイの新領土を開拓してみせてくれたものです。

「つまらない理由を探して、蟻の養殖をして、それで観察日記を書いていたんでしょう。きっと・・・・・・」

殺人はともかく、殺人”未遂”の背景とトリックはなかなか深いですね。密室のアレは、露骨過ぎない逆トリック応用篇ですかね。見事に目眩しされました。幽霊云々はズッ転びました。もう少し、言いたくない言葉だけど、人間が描けていたらなあ。。。。とは思っちゃいますね。そしたら地面がとんでもなくグラグラするんでないの、この真相をズドンと突き刺したら。でもまあ、クリスティ流の人間関係トリックを内から突き破ってみせたような感覚はちょっと凄い。その気概や良しです。ひょっとして「全F」密室トリックの人間関係トリック版かも知れません。

まさかの◯◯◯◯暴露含め爽やか過ぎるエンディングには、諸手を挙げて花束贈ります。 で、□□ってのが実は強いミスディレクションになっていたわけよね・・・物語構造の関係もあってちょっと光ってはいたけど・・・そっか、□□□手の大ヒントもあったんだ!! ところでこのタイトル、「白昼の死角」に掛けてるものとばかり思ってたんですが、実はそんな安直なもんじゃありませんでした。本当に良かったです。

No.28 6点 nukkam 2017/04/06 10:19
(ネタバレなしです) 1999年発表のVシリーズ第1作です。Vって何のVだったのか最初は全くわかりませんでしたが、シリーズ主人公の1人である瀬在丸紅子が「夢・出会い・魔性」(2000年)でイニシャルをV・Cと自己紹介しており、VenikoのVだったのですね。真相は賛否両論分かれそうで、途方もない動機とか途方もない偶然の成立とかつっこみどころ満載ではありますがE-BANKERさんのご講評で説明されているようにS&Mシリーズが後期になると本格派推理小説としては問題作が増えていったので、新シリーズは果たしてどうなるかと心配していた私としては本書がストレートな謎解き小説であったことにまずはほっとしました。

No.27 2点 狐の婿 2016/05/09 02:34
ミステリーや謎解きとしての評価は2点です。「謎解きをしたい」「密室を破りたい」「犯人を当てたい」という動機で読むのであれば、今作を人に勧めることはありません。すぐにわかってしまうでしょう。これは、森博嗣さんの作品全体にも言えることだと思います。森さん自身も、ミステリーを書いているわけではないと認めていますし。
しかし、物語として読むのであれば、この作品は6点以上の評価であると感じています。これも、森博嗣さんの作品全体に言えることです。
紅子さんのイニシャルを冠したVシリーズに際立つのは「常識」という枠組みを超えようとする熱意のようなものです。
ここから続く登場人物達の物語を、彼らの動機を楽しみながら読むのであれば、読んで損はないと思います。
新たに登場した天才の思考や動機を読み解く上での、ガイドとなる一冊だったと私は考えています。とはいえ、これを読まなければ続きを楽しめないということはありません。好きな所から読んでも大丈夫です。

No.26 4点 りゅうぐうのつかい 2016/02/23 12:27
コミックというか、ライトノベルのような軽い文章。変てこな名前ばかりで、全く興味の持てないキャラクターの登場人物たち。登場人物間の、何の面白みもない会話内容。冗長きわまりない捜査過程の描写や、無駄に多い喫煙シーンの描写。明らかにページ確保のための水増しで、半分以下のページに充分圧縮できる内容と感じた。
犯人は相当な危険を冒して殺人を実施しており、あくまでも結果オーライででき上がった密室。犯人の告白する連続殺人の動機も理解できる代物ではなかった。ただ一点、犯人の言動の矛盾を突いた紅子の推理は鋭く、評価できるのはその部分のみ。エピローグで、事件の記述者が「動機の理解できない殺人」に関して述べているが、自作品における殺人動機の不明確さへの弁明なのだろうか。

No.25 8点 Tetchy 2016/02/20 00:33
S&MシリーズよりもこのVシリーズの方が私の好みに逢うのはメインの登場人物たちが個性的であるのもそうだが、何よりも西之園萌絵の不在が大きい。あの世間知らずの身勝手なお嬢様がいないだけでこれほど楽しく読めるとは思わなかった。確かに瀬在丸紅子もお嬢様だが、30歳という年齢もあってか、どこか大人の落ち着きが見られ、不快感を覚えなかった。

そしてまさかまさかの真犯人。しかしこれこそ読者に前知識がない、シリーズ第1作目だから出来る意外な犯人像。タブーすれすれの型破りな真相を素直に褒めたい。

しかしそんな驚愕の真相の割には殺人事件のトリックは意外と呆気ない。1999年の作品だがこんなチープなトリックを本格ミステリ全盛の当時で用いるとは思わなかった。

ともあれ保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子、瀬在丸紅子らの織り成す居心地の良い新シリーズはまさに波乱に満ちたシリーズの幕明けとなった。正直S&Mシリーズは世評高い1作目を読んでもそれほど食指が動かなかったが―多分に西之園萌絵のキャラクターがその原因であったのだが―今度のVシリーズは今後の展開が非常に愉しみだ。

ところで何故Vシリーズって呼ぶの?

No.24 5点 蟷螂の斧 2016/01/18 11:56
ミステリーとして評価できる点があまりなかったのが残念です。シリーズ第1作を利用したワンアイデアだけの作品ような気がしました。密室における幽霊証言は駄目ですね(苦笑)。一番問題なのは、リアリティの無さです。動機の理由や天才の存在ということではありません。刑事による尋問の描写です。犯人は男らしいという証言がありながら、ある人物(男)に対する尋問がありませんし、しばらく登場もしません。不自然です。ミスリードかなと思っていましたが、全く関係ありませんでした。不自然=リアリティの無さになってしまいます。映画監督・山田洋次氏の発言が耳に残っています。「フィクションだからこそ、リアリティやディテールが必要で、かつ、こだわっていかなければならない・・・」

No.23 7点 E-BANKER 2015/10/18 20:57
1999年発表。
S&Mシリーズに続くVシリーズの一作目が本作。
保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子、瀬在丸紅子の四人が織り成すハーモニー(!?)

~一年に一度、決まったルールの元で起こる殺人事件。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静香に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸(おうめいろっかくてい)を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第一作!~

「そうきたか・・・」っていうのがまずは読了後の感想。
密室などとにかく本格ミステリーのガジェットに拘ったS&Mシリーズも、作品を重ねるごとにやや変化球気味になっていた矢先。
「さすがにもう本格へのアプローチも限界なのか?」という思いもしていた。
そんななか始まった新シリーズ。

ある意味衝撃の結末(?)が襲う本作。
いきなり(シリーズ一作目で)コレ? って騙される読者も多いことだろう。
でも、一筋縄ではいかない森ミステリー。
当然ながら作者の「企み」がそこには隠されている・・・

密室については腑に落ちない読者も多いことだろう。
前シリーズとは比べ物にならないほどデフォルメされた密室トリック。正直にいえば、かなり「適当」なのだ。
ただ、そこは作者の「拘り」ではない。
作品全体に仕掛けられた「欺瞞」こそが本作の真骨頂。
そういう意味では、前シリーズで培われた作者の力量がさらに昇華されたのが本シリーズとも言える。

ってことは決して低い評価はできないな・・・と考える次第。
(動機については敢えて触れない)

No.22 5点 虫暮部 2015/08/03 09:30
 読者から犯人を隠す叙述トリックは上手いが、犯人の行動そのものには説得力が感じられず評価半減。特に7月7日を6月6日に変えた件。

No.21 10点 ∠渉 2015/02/08 00:04

S&Mの再読が終わったので、まぁ流れにのってVへ。この「V」は瀬在丸紅子の「V」ということは瀬在丸ヴェニ子ということか。はい、どうでもいい。

改めてこの「V」シリーズは瀬在丸紅子を主人公に据えて、保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子を中心に登場人物が入り乱れて繰り広げられる群像ミステリィである。それを踏まえて本シリーズ1作目、『黒猫の三角』である。再読して思ったのは、「森博嗣ミステリィやってるなぁ」。Vシリーズは全体的に前シリーズのS&Mよりもミステリィの要素が強くてトリックの次元も高い‥‥と、思ったらこのサイトを見ると同意見ほぼゼロ、他サイトとか見ても少数意見。どないなっとん!? とまぁ、ほどほどに驚いた。

それよりも驚いたのはやはり本作のトリック。『すべてがFになる』に対応してるのも面白い。形式美・様式美にこだわる作者らしい。しかもアソビもある。パーフェクトこのうえない、と僕は思ってます笑。

あと、「幽霊を見た」の件への批判をサイト内外で散見しますが、あれはたぶん何も問題ないかと。というかちゃんとアプローチ書いてあったような。直接的ではなかったですが。

No.20 6点 まさむね 2013/09/02 22:47
 見事に,作者の罠にかかりました。出版順に手を出して正解でした。なんて素直な読者なのだろう(笑)。
 確かに,犯人はあの方しかあり得ないだろうと,頭の片隅では思っていたのですがねぇ…。見事にやられました。そういう驚きはウェルカムなのです。
 でもなぁ,どうしてもアンフェア感が払拭できないなぁ…。最初の密室もちょっと強引,というか無理筋じゃないかなぁ…。
 とはいえ,総合的には,S&Mシリーズとはまた違った雰囲気で,嫌いではないタイプ。シリーズ続編も早速読んでみます。

No.19 4点 TON2 2012/12/11 21:14
講談社NOVELS
 登場人物のキャラは面白いと思いました。
 ただ、人よりも能力的に優れていることを嫌い、わざとテストで間違えるような人間がいて、殺人が人を殺す理由ともならないような理由によることが気持悪かったです。

No.18 4点 ムラ 2011/09/14 06:05
(ネタバレあり)


保呂草ってこんな自己陶酔な演劇タイプの性格だっけ?と思ったら別人だったのね。納得。
トリックに関してはいつもの森的な感じだったかなぁ。
まぁキャラは好きなのでこれからも読むとは思うし、全部読んで楽しめる感じの作者なので点数は低めだがつまらなくはない。
事件とまったく関係ない黒猫のデルタの意味は面白かった。

No.17 6点 星屑の仔 2009/11/03 22:04
新シリーズの一作目。
やはり森博嗣さんは密室がお好みのようで、今回も密室ものです。

屋敷の中からも外からも監視がある中で、完全に施錠された密室で絞殺された夫人が発見された。


結論は、だって・・・・・・ねぇ。
何作も続くシリーズものの、一作目の犯人が探偵ってどうなの?
確かに、「シリーズの一作目」と言う目くらましがあって、犯人を当てることができなかったのは事実だし、
伏線だって読み返してみれば、「確かに・・・」と言えなくもない。

なんとなくすっきりしない後味だが、森博嗣さんのミステリはそう言ったものを求めるものではない。
その森博嗣の脳内の世界観を楽しむものなのだから、これはこれで良いかな。

No.16 7点 bomb 2008/06/15 22:55
SMシリーズからの新シリーズ。
森ワールドは単体で読むと駄目な作品もあるが、
全部を読むとワールドを通しての整合性が見えて美しい。
単体で低い評価のものも全て読んで欲しい。

この本も評価は低い様だが、保呂草の登場としては
決して悪くない話だと思う。

No.15 4点 vivi 2007/09/29 19:01
キャラクターは、相変わらずものすごい個性的でした。
正直、結構好きな4人組ではあります。あ、根来さんも。
しかし・・・密室の謎を一生懸命に考えた人にとって、
あの解答は・・・許容範囲外ですね、さすがに。
犯人は、論理的にあの人しかいないとは思っていたのですが。
動機がああいうのは、この作者ならありうると思っていました。
天才の論理と言うのでしょうかね・・・共感は到底出来ないけど。

No.14 2点 ぴかちゅ〜 2005/05/27 23:23
Vシリーズは途中から読んだんだけど、まさかホロ君がねぇ〜。

それにしても、「クロネッカーのデルタ」ってすごい駄洒落ですね。しかも数学を学んだ人しかわからないですよ、これ。

No.13 6点 びあんこねり 2005/05/22 18:10
結束バンドで息が出来なくなるほど首を絞めるのは難しいですよ。
絞められる側がよほど大人しくしてないとまず無理です。
他は楽しめました。

No.12 3点 kamomiro 2004/03/05 05:46
やはりミステリーとしては評価できない。動機もどうだろコレ?、ふつーな気が・・・、ラストで代わりを出してくるのも、きっと以降のキャラ同士の関係が変わらないのもセコイやり方だと思う・・・

No.11 8点 なりね 2003/12/28 21:36
正直前シリーズと比べるとやや落ち。
犯人も簡単だったけどいくつか切れる所があった。


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