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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
消えたタンカー
十津川警部シリーズ
西村京太郎 出版月: 1975年01月 平均: 6.75点 書評数: 8件

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光文社
1975年01月

光文社
1985年05月

講談社
1987年04月

講談社
1999年02月

光文社
2018年08月

No.8 6点 パメル 2022/05/28 07:55
大型タンカー・第一日本丸がインド洋沖合で炎上し沈没した。乗員32名のうち船長ら6名は救命ボートで脱出、偶然近くを通りかかった漁船に救助されるが、残りの乗組員は行方不明となった。だが帰国した生存者を狙って連続殺人が勃発する。十津川警部はとんでもない策略に気付く。
前半は、警察と犯罪者の対決とサスペンス風で緊張感に満ちあふれている。十津川警部と犯人の視点が交互に入れ替わり、両者で心理戦を繰り広げ、相手の裏をかこうとする手に汗握る展開。後半にはいると、捜査の方向性に疑問を持ち、一転して謎解きになるという構成で、事態が意外なところに進んでいくところが読みどころ。
日本各地とスリランカ、ブラジル、南アフリカ共和国など世界を股に掛けるダイナミックな犯罪劇に魅了される。ただし、トリックはあまりにもリアリティが無い、ある意味バカミスなので真相は少し残念。それでも夢中になって読んだのも確か。同じ作者の海洋ものだったら「赤い帆船」の方が個人的には好み。

No.7 6点 人並由真 2020/08/21 13:26
(ネタバレなし)
 少し前からそろそろ読みたいと思い、大昔に購入したはずのカッパ・ノベルス版を家の中から探していたが、見つからない。
 それで一昨日、たまたま足を向けた大型の中古雑貨屋で、まあまあ状態のよい講談社文庫版を見つけ、他の本とのまとめ買いで安く(一冊税抜き60円)入手した。

 それで早速読んでみたが、期待がそれなりに大きかったためか、フツー以上に楽しめた反面、いまひとつの部分もないではない。
 なぜ夫婦ものの奥さんの方まで丹念に殺していくのかという大きな謎の解法などはよかったが、ここまで目立つやり方というのは……まあ、それも一応のイクスキューズはあるとはいえるのか。
 得点要素が豊富な反面、他にもツッコミどころは多々ある感じがするし。ウン十年前に、期待値がそんなに高まらないころに読んでいたら、もっと評価は上がったかもしれない。
 あと題名について。5分くらい、すでに読み終えた方を相手に、モノを言いたい。

 最後に講談社文庫版の解説の香山二三郎さん、『ある朝、海に』は十津川ものじゃないですよ。

No.6 7点 mediocrity 2020/02/23 20:20
欠点を挙げろと言われればいくらでも挙げられそうだが、スケールのバカでかさと面白さで細かいことなどどうでも良くなってしまう力技の一冊。十津川警部補の理路整然とした推理が、展開の大味さとミスマッチで良かったので7点で。

No.5 6点 いいちこ 2019/07/30 19:47
タンカーの消失に秘められた真相は、サプライズこそ不十分であるものの納得性は強く、それがもたらすプロットの反転は鮮やか。
「赤い帆船(クルーザー)」と類似した、スケールの大きいハリウッド映画的なプロットではあるが、その点で本作の方を断然上と評価する。
ただ、タンカーの消失も連続殺人事件もやや大味で、合理性やフィージビリティの面では難があると言わざるを得ない。
それが両者が1個の事件として融合しきれていない、1つのプロットとしてこなれていない印象を生んでいて、減点材料とした

No.4 7点 蟷螂の斧 2017/09/26 19:22
「赤い帆船(クルーザー)」もスケールの大きな話でしたが、本作もそれに劣らないスケールの大きさでした。裏表紙に「インド洋上で原油を満載したマンモスタンカーが炎上沈没した。」とあり、どこが「タンカー消失」なの?などと思いながらの読書。ラスト、成る程と納得。中盤は、殺人鬼と警察との攻防が楽しめました。

No.3 9点 斎藤警部 2015/06/04 12:15
京太郎さんが鉄路へ行く前、海洋期の雄大なる傑作。
世界の海を相手にする、手に汗握る冒険性が魅力ですが、そこに本格推理興味溢れるスケール大きな謎解きがガッツリ組まれているのだから尚更堪りません。
タンカーを消したトリックは。。物理的とも心理的とも割り切れない(海の広さあってこその部分もあるから、物理的要素も多少認められるのではないか)、盲点を突いた、そしたまた雄大なもの。唸らせます。

No.2 6点 kanamori 2012/06/07 19:06
大型原油タンカー沈没事故の生存者6名を次々と殺戮していく謎の殺人者に、十津川警部が対峙するという初期のサスペンス。
発端のインド洋から、国内では長野のスキー場、沖縄、海外ではブラジル、最後は南アフリカと、作品舞台のスケールが大きく、犯人と捜査陣の攻防戦もスリリングです。(非常線を張られたスキー場からの脱出劇は、暗殺者”ジャッカル”とルベル警視の攻防を連想させる)。
単なるサスペンス・ミステリに終始することなく、終盤に事件の構図が反転し、謎解きの趣向が凝らされているのも良。
ただ、初読時には気にならなかったが、犯人の採ったアレはやはり現実には実行不可能じゃないだろうか。

No.1 7点 E-BANKER 2009/11/11 22:37
氏、初期の海洋ミステリー。
トラベルミステリーでブレイクする前の十津川警部が主人公です。
本作、結構面白いです。特に謎の呈示と、それを追跡する十津川の推理がうまい具合に絡み合い、意外な真相にたどりつきます。
海洋上でのタンカー事故と事故で生き残った乗組員の殺人事件・・・この2つの事件がまさに意外な方向へ進み、最後は世界的な事件に・・・という具合。
初期の氏の作品はなんとも奥行きのある味わい深い良作も多いんです。


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西村京太郎
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平均:6.00 / 書評数:1
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平均:5.00 / 書評数:1
1986年09月
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1986年04月
寝台特急(ブルートレイン)八分停車
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1985年09月
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1985年07月
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寝台急行「銀河」殺人事件
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変身願望
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平均:4.00 / 書評数:1
1984年11月
特急「白鳥」十四時間
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1984年08月
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平均:7.00 / 書評数:1
1984年05月
L特急踊り子号殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
1983年12月
超特急つばめ号殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
1983年11月
札幌着23時25分
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1983年08月
名探偵に乾杯
平均:5.50 / 書評数:2
1983年07月
雷鳥九号(サスペンス・トレイン)殺人事件
平均:4.50 / 書評数:2
1983年06月
下り特急「富士」(ラブ・トレイン)殺人事件
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1983年01月
四国連絡特急殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
東北新幹線(スーパー・エクスプレス)殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
マンション殺人
平均:5.00 / 書評数:1
1982年09月
赤い帆船(クルーザー)
平均:6.86 / 書評数:7
名探偵も楽じゃない
平均:6.00 / 書評数:3
1982年07月
イレブン殺人事件
平均:4.00 / 書評数:1
ミステリー列車が消えた
平均:5.33 / 書評数:3
1982年05月
特急さくら殺人事件
平均:4.00 / 書評数:1
1982年04月
聖夜に死を
平均:6.00 / 書評数:1
1982年02月
幻奇島
平均:6.00 / 書評数:2
1982年01月
恐怖の金曜日
平均:6.00 / 書評数:2
発信人は死者
平均:6.50 / 書評数:2
1981年12月
北帰行殺人事件
平均:7.00 / 書評数:2
1981年11月
原子力船むつ消失事件
平均:3.00 / 書評数:1
1981年04月
夜行列車(ミッドナイト・トレイン)殺人事件
平均:6.00 / 書評数:2
1980年10月
消えた巨人軍
平均:6.14 / 書評数:7
1980年09月
ある朝 海に
平均:6.33 / 書評数:3
1980年07月
終着駅殺人事件
平均:5.60 / 書評数:10
1980年04月
けものたちの祝宴
平均:4.00 / 書評数:1
1980年01月
黙示録殺人事件
平均:7.33 / 書評数:3
1979年09月
黄金番組殺人事件
平均:5.00 / 書評数:1
1979年08月
一千万人誘拐計画
平均:5.50 / 書評数:2
夜間飛行(ムーンライト)殺人事件
平均:6.33 / 書評数:3
1978年11月
イヴが死んだ夜
平均:7.00 / 書評数:1
1978年10月
寝台特急(ブルートレイン)殺人事件
平均:5.29 / 書評数:7
1978年04月
現金強奪計画―ダービーを狙え
平均:4.50 / 書評数:2
盗まれた都市
平均:6.00 / 書評数:2
1977年12月
ゼロ計画を阻止せよ
平均:6.50 / 書評数:2
1977年09月
殺しの双曲線
平均:6.63 / 書評数:30
1977年08月
日本ダービー殺人事件
平均:4.33 / 書評数:3
名探偵なんか怖くない
平均:6.33 / 書評数:9
1977年05月
七人の証人
平均:6.85 / 書評数:20
1977年03月
華麗なる誘拐
平均:6.60 / 書評数:5
1977年01月
おれたちはブルースしか歌わない
平均:7.00 / 書評数:2
1976年08月
殺意の設計
平均:6.00 / 書評数:2
1976年05月
消えた乗組員(クルー)
平均:6.67 / 書評数:3
1975年01月
消えたタンカー
平均:6.75 / 書評数:8
1973年01月
殺人者はオーロラを見た
平均:6.00 / 書評数:1
1972年01月
伊豆七島殺人事件
平均:6.00 / 書評数:1
名探偵が多すぎる
平均:5.57 / 書評数:7
1966年01月
D機関情報
平均:6.80 / 書評数:5
1965年01月
天使の傷痕
平均:6.11 / 書評数:9
1964年01月
四つの終止符
平均:6.50 / 書評数:2