皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 短編集(分類不能) ] 午後の脅迫者 |
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西村京太郎 | 出版月: 1985年07月 | 平均: 6.33点 | 書評数: 3件 |
講談社 1985年07月 |
講談社 2002年11月 |
講談社 2022年03月 |
No.3 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2023/06/14 11:17 |
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①午後の脅迫者 6点 夫の浮気調査を依頼された調査員は、その夫を強請り大金をせしめようとするが・・・探偵社には君みたいに優秀な人間が他にもいるのかね
②密告 8点 ホテルで逢引していた夫が刺殺された。妻が一人で寝ていた夫を刺したと自白。しかし、その前に夫は毒殺されていた・・・夫の愛人のマンションには生活感がなかった ③二一・〇〇時に殺せ 7点 重要証人が21:00に公園に呼び出された。それを察知した刑事が射殺された・・・悪徳弁護士の電話を聞いて ④美談崩れ 6点 「華やかな殺意」で書評済 ⑤柴田巡査の奇妙なアルバイト 6点 公園の浮浪者が冬の間、刑務所に入れてくれと頼まれる・・・一生刑務所にという浮浪者 ⑥私は職業婦人 4点 隣家の夫人が死体を庭に埋めていると投書があった。庭から3人の死体が出てきた・・・動機は黙秘。裁判では自分が弁護士に ⑦オーストラリアの蝉 6点 若い女性がマンションで殺害された。冬なのに蝉がベッドの下にいた・・・犯人の名が書いてある手帳が破られていた ⑧成功報酬百万円 5点 尾行するだけで成功報酬百万円。探偵員は喜んで引き受けるが・・・尾行していた美人秘書が殺された ⑨マルチ商法 6点 殺人をしてもアリバイを作ってくれるという・・・会員にならないか |
No.2 | 7点 | まさむね | 2022/08/15 21:23 |
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「西村先生の短編集って、トラベル系しか読んだことがないのではないか」と気になってしまい、講談社文庫の新装版を手にした次第です。
9作品で構成。嗚呼、いいな。まずは表題作「午後の脅迫者」の鮮やかさ。ラストのセリフもグッとくる。「密告」の締めの一言もいいが、これは「二一:〇〇時に殺せ」も併せて警察小説としての妙味か。「美談崩れ」は横山秀夫を彷彿(その随分前の作品であることがすごい)。「柴田巡査の奇妙なアルバイト」のブラックさも印象的。「私は職業婦人」は、男女雇用機会均等法施行のずっと前の時代の作品であると考えると凄い。個人的には、ラストを飾るショートショート「マルチ商法」に唸った。最後の一言の切れ味が素晴らしい。 そうでもない短編もありつつも、総合的にこの採点で。西村短編は、もう少し読んでみようかな。 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2016/02/26 20:01 |
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9編収録のミステリ短編集。巻末の初出誌一覧を見ると、昭和40年から60年のショートショートまで、割と長いスパンの中から選ばれていますが、やはり昭和50年代初めまでの初期作品に良質なものが多いなと感じました。
印象に残った作品を挙げると-------- 浮気を脅迫のネタにしようと謀る探偵社の不良調査員を主人公にした表題作「午後の脅迫者」は、練りに練られたプロットが秀逸。サプライズが予想外の方向から飛んで来て、最後のひと言でブラックな味わいが際立つ。 「柴田巡査の奇妙なアルバイト」も、ツイストを効かせたオチが素晴らしい。巻末解説にヘンリー・スレッサーの名前が出てきますが、編中で最もスレッサーを想起させる作品。 同じ刑事を主人公にした「密告」「二一・00時に殺せ」の2編は、やや粗削りで仕掛けがみえるところがありますが、ともにトリッキィな構図の反転が読みどころ。 特ダネを渇望する新聞記者が交通事故の裏の真相を探る「美談崩れ」と、三人の男を殺した主婦が法廷で明らかにする”意外すぎる動機”の「私は職業婦人」も捨てがたい。とくに、後者はホワイダニットものの”超怪作”といえるかもしれない。 |