皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ サスペンス ] 華麗なる誘拐 私立探偵・左文字進シリーズ |
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西村京太郎 | 出版月: 1977年03月 | 平均: 6.83点 | 書評数: 6件 |
徳間書店 1977年03月 |
徳間書店 1977年03月 |
講談社 1987年09月 |
講談社 1995年03月 |
徳間書店 2000年07月 |
河出書房新社 2020年07月 |
No.6 | 8点 | たかだい | 2024/11/09 05:24 |
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比較的規模の大きな事件を扱う探偵・左文字進シリーズの2作目で、昔とあるTVドラマの劇場版の原作に使われた事を知り、その当時に読んだ作品です
まず、日本国民を全員誘拐するというぶっ飛んだ発想が好きな好きな作品で、その大掛かりな発想を軸に読み易い文章でグイグイ読み進められる為、誘拐ミステリーの名作と評されるのも頷ける内容となっています もっとも、これが書かれた年代が年代な為、(私が最初に本書を手に取った十数年前ですら)最後のオチがチャチに感じるのは致し方なし…。当時は今のようなネットバンクもなければ、そもそもネットも普及してない時代でしょうし、そこは現代の感覚で読むと「なんだかなぁ」となるのはやむを得ないかなと改めて思った そこを抜きにしても、飛び抜けた発想に面白さが詰まった名作だとは思うし、個人的にはトラベルミステリーで名高い西村京太郎作品の中でもトップクラスに好きな作品という事に変わりはないので問題はないわけですけどね |
No.5 | 7点 | 斎藤警部 | 2022/12/31 23:58 |
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人質は日本国民全員! 身代金は五千億円! 退屈と無駄の無い抜群のリーダビリティでブッ飛ばすのは、ありきたりの予想を粉砕する意外性あるストーリー。 まさか「アレ」では・・・との疑惑も少なからずよぎった。 まさかの地点でまさかのツイストも急襲。 左文字探偵夫妻登場シーンなど少しほんわかするが、決してユーモアに傾ききらない絶妙なバランス。 身代金回収法その2(その3?)にはクスクスしたが。。そこからの奇想天外な展開は、いつしかまるで寓話のように発展。 そして更に伸びる怖るべき逆説の味わい。 ただ、最終コーナーに至ってのドタバタ失速は、勿体ないぞ。。。。とわざわざケチ付けたくなるくらい、最後の最後を除いてはまっこと面白さ炸裂、疾走するエンタテインメント快作! |
No.4 | 7点 | まさむね | 2022/05/12 22:52 |
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左文字進探偵シリーズの第二作。
面白かったですねぇ。まずは、全国民を誘拐したとして政府に5千億円の身代金を要求するという発想が斬新。そして政府が支払わないと見るや、犯人グループは、安全・平和と印刷された5千円のワッペンを付けていれば殺さないと国民に呼びかける。売れ続けるワッペン。まさに「華麗なる誘拐」。どんどんページをめくらされましたねぇ。左文字の語る「犯人の計画が成功すればするほど破滅が近づく」という論理も記憶に残りそう。 犯人グループの特定があっさりし過ぎていないか?という気がしないでもないのですが、個人的には、西村京太郎作品の中でかなり上位に入りそうな作品。(ちなみに、現時点でのトップは「殺しの双曲線」であります。) |
No.3 | 5点 | いいちこ | 2021/07/30 20:59 |
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アイデアの独創性は抜群であり、その点は高く評価する。
しかしながら、プロットは平凡で、かつ著者の作品は総じてそのような傾向が強いが、実証的な検討を経ておらず、フィージビリティがまるでない。 その点を大きく減点してこの評価としたが、もったいない作品 |
No.2 | 7点 | 蟷螂の斧 | 2018/11/25 15:29 |
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数ある誘拐ものの中で、これほど大胆なものはないのでは?。身代金の受け取り方法の発想も良い。犯人は早々に判明するので、フーダニットを期待する作品ではないと思います。探偵対犯人の頭脳戦を楽しむ作品ですね。 |
No.1 | 7点 | E-BANKER | 2009/08/20 22:51 |
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私立探偵左門字シリーズ。
本シリーズは「誘拐もの」のバリエーションが豊富ですが、本作も大胆不敵なプロットが特徴。 ~「日本国民全員を誘拐した。身代金5,000億円を支払え」・・・首相官邸に入った1本の電話。『蒼き獅子たち』と名乗った男は、3日後に人質を殺すと通告した。果たして、新宿の喫茶店で若い男女が死亡した。死因はシュガーポットに混入された青酸カリによる中毒死。偶然現場に居合わせた私立探偵・左門字進と妻の史子は、捜査へ協力することに。だが、警察をあざ笑うかのように北海道で男が殺され、ついには航空機爆破事件まで起きてしまう! 犯人の狙いとは何なのか?~ やっぱり、初期の作品はよくできてます。何よりプロットが素晴らしい。 こんなプロットは最初にやったもん勝ちで、2度と同じものは使えないですからねぇー 途中、犯人グループと左門字の知恵比べ的な展開もかなり面白い。 大胆不敵な犯行に打つ手なしと思われた矢先、左門字の冷静沈着な推理が冴え渡る・・・結構シビレます。 中盤以降はスピーディーな展開で、飽きることなくラストまで一気呵成! 十分に楽しめる作品でしょう。 (姉妹編に短編ですが、「1千万人誘拐計画」という作品もあります。こちらは東京都民全員が誘拐されちゃいます。) |