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[ 本格/新本格 ]
戻り川心中
連城三紀彦 出版月: 1980年09月 平均: 8.14点 書評数: 51件

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講談社
1980年09月

講談社
1983年05月

角川春樹事務所
1998年05月

光文社
2006年01月

No.51 10点 じきる 2021/05/09 16:12
これは余りにも美しい。伝説的名作と言っても過言ではないでしょう。

No.50 9点 Vespa 2020/08/02 17:05
「桐の柩」が10点

No.49 7点 レッドキング 2020/07/13 21:50
・「藤の香」 寂れた湊町の色街を舞台にした連続殺人の哀しくも「美しい」ホワイダニット。5点。
・「桔梗の宿」 極貧の遊郭街で起きた連続殺人の「何故に」(美しすぎてホワイダニットなんて言葉じゃ足りない)の物語。9点つけざるを得ない。
・「桐の柩」 殺意と区別できない程に強い執着心で結ばれた男女情念の道具となった男。5点。
・「白蓮の寺」 少年の記憶に明滅する殺人と火炎と白蓮の映像断片が、驚くべきホワットダニットに収束。7点。
・「戻り川心中」 いわば究極の見立て事件のミステリ。8点。
  (5+9+5+7+8)÷5=6.8 で、平均して7点。
※他の4編は「花」題なのに、タイトル作のみ「菖蒲の歌」とか花がつかないのね。

No.48 4点 Gorgonzola 2020/05/05 12:48
綺麗な作品だったが、良さがイマイチ分からず。。時間をおいて再読したい

No.47 10点 雪の日 2020/04/09 14:08
短編ミステリの最高傑作

No.46 9点 クリスティ再読 2020/02/21 21:33
さて「幻影城」作家にも取り掛かることにしようか。名作短編集なのは言うまでもなく、皆さんも大好きみたいだ。講談社文庫なので5作収録。表題作は協会賞受賞+映画化で有名なのだが、今回読み直して他の4作の方が好きだな。
遊郭をはじめ昭和初期の暗い風俗を背景に、日本情緒と昏い情念の溢れる「花」を象徴する5つの事件である。どれもこれも、ミステリ的などんでん返しで、さらに女性の情念が引き立つような味わい深い仕掛けが決まる。個人的なベストは「桔梗の宿」。語り手の刑事が真相を知って、どんな哀しみを感じたのだろう...
本当に意外な犯行動機の「藤の香」、博徒渡世の中にどこか同性愛的なエロスを感じる「桐の柩」、真宗寺で育った語り手が母の秘密を知る「白蓮の寺」と情念の深い名作が続く。「ミステリの仕掛」が小説的な仕掛けにするりと変貌するのがスリリングなものばかり。
で問題の「戻り川心中」だけど、これはやや作りすぎの気がする。わかりやすいけどねえ。昔から歌物語というのはあるわけだしね。それでも小説中に登場する歌は作者が自分で作ったわけだから、さすがなものだ。思い出話だが、昔神代辰巳監督で映画「もどり川」が公開されたときに、見に行く予定を立てていたんだ。でもあえなくショーケンがハッパで捕まって公開中止、見に行けなかったよ。神代監督も一般映画に進出して意気盛んな頃で「恋文」は2年後か。

No.45 10点 2019/12/06 13:15
他の方も言及されてるが、本格ミステリー宣言でも言及されていた『1人の芭蕉』とはまさにこの作者のことだったのでは・・・

No.44 10点 ねここねこ男爵 2019/09/27 10:59
恐ろしく美しく素晴らしい短編集。

一つだけ。光文社文庫版は、裏表紙の内容紹介文が表題作の微妙なネタバレになっているので、見ずに本文を読み始めたほうがいいと思います。

有名な作品ですし、映画版のウィキペディアのページではあらすじで思いっきりネタバレしていますし、本作の魅力はそれだけではないので「このくらいはいいだろ」という意見もあるかとは思いますが…

No.43 10点 mediocrity 2019/08/24 06:57
光文社文庫。「ミステリー史上に輝く、花にまつわる傑作五編」という裏表紙の謳い文句は誇張ではありませんでした。

①『藤の香』
お見事。読み終わった後、余韻を味わいたくて次の作品を読み始める気が起こらなかった。
②『桔梗の宿』
ということで日を変えて再開。前作に増して美しい作品だ。これもよくできた話だと思っていたら最終節でもう一ひねりあって驚愕。
③『桐の柩』
最後まで読むとタイトルに納得。これも十分名作だと思う。この中だと埋もれてしまうが。
④『白蓮の寺』
短編を引き延ばして長編にしたような作品は多いが、これは長編1本分の素材を短編の中に詰め込んだ感じ。当然異様に凝縮されていて素晴らしい。今までの3作以上に「花」に大きな意味があるのも良い。
⑤『戻り川心中』
適当な言葉がなかなか見つからないのだが、非常に多面的?な作品だと感じた。色々な方向から見ないと全貌がわからないとでも言いましょうか。不思議な感覚を味わえました。

No.42 10点 タピオカ 2019/08/15 05:07
表題作のみ採点。

二転三転するプロットの他、思いもよらない動機が秀逸。

でも見方によると、歌のために女性たちを殺したクズ歌人とも見れる。てもそこは藝術家でしか理解できない境地というものがあるのだろう。

No.41 9点 sophia 2017/06/09 01:53
この作品を読むのは今回で3回目ぐらいになるのですが、毎回「戻り川心中」以外の4編の筋を綺麗さっぱり忘れてしまっています。どれも良作なのに何故なのでしょう。でもそのお蔭で毎回新鮮な気持ちで再読できるのでよしとします(笑)

No.40 8点 ALFA 2017/03/05 09:53
連城三紀彦はそのケレン味たっぷりなペンネームに恐れをなして敬遠していた。
もっと早く読めばよかった。
大正から昭和初期の時代設定、花をモチーフにした抒情的な五つの短編は、いずれも大仕掛けな構図の反転によって見事なミステリーになっている。
評点は「戻り川心中」10、「藤の香」「桔梗の宿」8、「桐の棺」7、「白蓮の寺」6
表題作は、真の動機が明かされた瞬間、犯人の才能と肥大化した自我のありようが腑に落ちて、謎解きだけではなく文学創作の本質をも問う作品である。
「桐の棺」はチェスタトン張りの逆説的なトリック、「白蓮の寺」は構図の反転がともに見事だが、心理的にしっくりこない。
つまりこのような犯人がこの動機でこの犯罪をするか?と思わされる。
ディテールが美しいだけに残念。

No.39 9点 青い車 2016/11/03 13:39
 有名な『戻り川心中』目的で読みましたが、それ以外の4篇も極めてレベルが高いのには驚き。どれが表題作になってもおかしくないほどです。格調高い文章と鮮やかな反転の数々に圧倒されました。どこか乾いた印象の話が多かった『夜よ鼠たちのために』よりも好みです。

No.38 6点 パメル 2016/03/28 16:13
男女の愛情や親子の愛情に絡む事件を情感豊かに描き出している
叙情的なサスペンス・ロマンの意匠をまといながら
どんでん返しも用意されている
ただ暗すぎるぐらいに暗いため再読はしないと思う一冊

No.37 10点 夏みかん 2016/02/11 20:43
こっちもかなり好きな作品
他の作品集で読んだ桔梗の宿が目当てでしたが、
その他の作品もどれもすごく上手いと思いました。
桔梗の宿のほかには、一番目の代書屋の作品が特に好きです

No.36 10点 斎藤警部 2015/05/11 11:49
これには参りました。
完璧に構築された本格推理小説群です。腑に落ちる大胆な伏線、腑に落ちるまさかのトリック、腑に落ちる意外な動機。そして誰もが口にする美しい文章、且つ読みやすい文章。骨のある人物描写、スリルとサスペンス。どれもこれも推理小説、小説に求められる様々な要素を優しく兼ね備えた一級品ばかり。
よくぞここまで文芸とミステリーの勘所をシームレスに融合させたものだと感心します。それもトリック重視の本格ミステリーの形式で。
敢えて喩えれば、山田風太郎の本格短編をよりフェミニンな文体で書き直した様な感触を受けましたかね。
9.85点、四捨五入で10点です。

No.35 7点 いいちこ 2015/04/28 17:37
短編集として常にオールタイムベストの上位にランクインする本作。
収録作品はいずれも優れたホワイダニットで、手段としての殺人や心中に冴えを見せる。
特に「戻り川心中」「藤の香」「桔梗の宿」が上位。
大正・昭和の暗い世相や舞台設定を伏線として活かし、プロットを反転させる手法で生み出す意外性と、高い抒情性を両立させており、世評に違わぬ作品。

No.34 8点 名探偵ジャパン 2015/04/22 18:09
本格ミステリ小説というものは、パズルに小説的演出を施したものか。小説にパズル的要素を持ち込んだものか。作品によって違いがあり、また、どちらが優れている、正解であるといった優劣は付けられないだろう。
文学と言って過言ではない美しい文体で綴られた、連城三紀彦の傑作「戻り川心中
」(もちろん表題作以外の短編も含む)はどちらだろうか。圧倒的に前者である。
作者は「まず謎ありき」で、その謎を不自然なく包み込める舞台、人物設定を構築している。まぎれもない本格ミステリの作り方だ。
連城三紀彦の文章が美しすぎるがため、ミステリというには気恥ずかしいくらい「文学」してしまっているのだ。もちろん私は、「文学のほうが本格ミステリよりも上である」などと思ったことは(その逆も)一度もない。本格ミステリだろうと、文学だろうと、ライトノベルだろうと、面白いものは面白い。
ジャンルに優劣はないが、文章に美醜はあるのだ。
文章だけではなく、ミステリ的トリック、仕掛けも秀逸。(多少無理のあるものもなくはないが)
昨今の作家であれば、「これひとつで長編に仕立ててやれ。『予想を裏切る結末!』とか帯に書いてもらって、映画化を狙ってやれ」と、水増し水増ししかねないようなものも、惜しげもなく短編に、きゅっと詰めてくる。粋だなぁ、と思った。

No.33 9点 まさむね 2015/01/24 09:29
 この短編集は,謎ときというよりも,個人的には「反転小説」というタームも思いつくのですが,しかしながら,その反転に「やーい,騙された」というような軽さは一切なく(そういう軽さも決して嫌いではないのですが…),読後に唸らざるを得ない短編揃いです。
 ベストはやはり表題作「戻り川心中」。そして,ともに遊郭街を舞台にした前半の2作品「藤の香」「桔梗の宿」の構成や作品世界も見事。「桐の柩」のホワイ,「白蓮の寺」の反転も良いですが,他の3作に比べると一段落ちる印象かな。
 理論では必ずしも割り切れない何かが,人としてそれぞれあるわけで,だからこそ哀しさも生まれるし,ソコも含めて,人生の意義があると思うのです。反転や伏線と言った技巧もさることながら,この点を流麗な筆致で綴られていることが何よりも素晴らしい。私などは,物語に完全に身を委ねながら,何とも言えない満足感で読み終えることができました。
 パズラーとしての傑作短編集はいくつか思い浮かびますが,もっと広い視点でミステリーを捉えた場合,年代を超えて確実に上位に位置する伝説的な短編集と言えましょう。

No.32 7点 STAR 2014/09/02 20:19
どの短編集もその世界観は似ていると思いました。
せつなくて美しくもある。大正から昭和の暗い雰囲気もあります。
こういう短編集は初めてでした。


連城三紀彦
2019年08月
虹のような黒
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平均:7.50 / 書評数:2
1994年10月
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平均:6.00 / 書評数:1
1994年04月
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平均:6.00 / 書評数:5
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平均:5.67 / 書評数:3
1993年07月
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平均:6.90 / 書評数:10
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1993年04月
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平均:7.00 / 書評数:2
1993年03月
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平均:6.00 / 書評数:1
1992年04月
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平均:6.50 / 書評数:2
1990年11月
褐色の祭り
1990年05月
どこまでも殺されて
平均:7.25 / 書評数:4
1989年06月
たそがれ色の微笑
平均:7.00 / 書評数:1
1989年04月
飾り火
平均:7.00 / 書評数:1
1988年08月
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平均:5.80 / 書評数:5
1987年04月
花堕ちる
平均:6.00 / 書評数:1
1986年09月
離婚しない女
平均:5.00 / 書評数:1
1986年07月
もうひとつの恋文
平均:6.00 / 書評数:1
1986年06月
青き犠牲
平均:5.75 / 書評数:4
1985年03月
夕萩心中
平均:6.67 / 書評数:6
1984年09月
瓦斯灯
平均:5.50 / 書評数:4
1984年08月
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平均:7.07 / 書評数:15
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少女
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戻り川心中
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