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[ 本格 ]
蜘蛛と蠅
フレンチシリーズ
F・W・クロフツ 出版月: 1962年06月 平均: 5.33点 書評数: 3件

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東京創元社
1962年06月


1962年06月

No.3 5点 レッドキング 2023/08/22 22:05
クロフツ第二十六作。邦題「蜘蛛と蠅」。蜘蛛=金貸し・恐喝者。惨めな蠅達が絡み取られる蜘蛛の巣は、賭博と情事と「好事魔多し」・・いつの世も。十八番のアリバイトリックに犯人Whoネタがタイトに決まり、素人女探偵達のプチ冒険譚も付く。前作同様、必要条件=「犯人であり得る」だけで、確証のないまま、有罪=絞死刑の危機が迫る被告。しかも官憲に悪意はない(こういうのは、もう勘弁してほしく)。今回、フレンチは救い主役だが、活躍は脇役。

No.2 6点 斎藤警部 2020/11/13 18:20
ストーンズファンのみなさん、お待たせしました!… と言いたいとこですが、あちらの原題”The Spider And The Fly”と違い、こちらの原題は”A Losing Game”。「魯迅亀」と読まないでください。 本業金貸し、副業で恐喝を嗜むくそじじいが頭打ってくたばって、家も火事になって、さてこれは事故でしょうか殺しでしょうか、殺しだとしたら誰が手を下した正義の味方でしょうか、ほんとに正義の味方なんでしょうか、という物語。 この本にはですね、7点以上には無い、6点本ならではの緩い良さがありますよ。色んな登場人物の人間くささも一々あけすけでなごみます。中甘のユーモアもよく撥ねてます。 前半、シンプルな様でいて枝葉が凄まじく伸びる恐喝心理描写(する側もされる側も)には掴まれました。後半、何気に アレ、真犯人あの人じゃないの? って何度かに渡って迷わせてくれるのがいいですね、 そしてチームワークの勝利に向かって進む仲間たちのキラキラ感が良いです。 炸裂リアリティの空気の中に、意外と絵空事な展開もあったりしますが、、だからこその味も出ています。物理に振り切りの古典的アリトリもまた愉しからずや。 「多忙な休暇」のブリテン&アイルランド島巡航ツアーで知り合った人が登場します。万が一そいつが犯人だったら、気絶しますよね

No.1 5点 nukkam 2015/03/18 10:34
(ネタバレなしです) 1941年発表の本格派推理小説である本書(フレンチシリーズ第22作)ではクロフツとしては珍しくも男女のカップルが大勢登場します(関係は色々です)。もっともそれをあまり上手く活用できていないところが人物描写が苦手なクロフツらしいですね(惜しい)。終盤で読者に対してだけあるトリックが図解付きで紹介され、その後にフレンチがもう一度トリックを説明していますがトリックを見破った過程には全く触れていない説明なので推理という点では不満を残しました。アマチュア探偵の(やや危なっかしいが)頑張りが単調さを解消しているのは評価できますけど。


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F・W・クロフツ
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