皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ SF/ファンタジー ] グリーン・マイル |
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スティーヴン・キング | 出版月: 1997年01月 | 平均: 7.33点 | 書評数: 3件 |
新潮社 1997年01月 |
No.3 | 8点 | 斎藤警部 | 2020/06/24 14:10 |
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コロナが世界の中心になる少し前、今年の一月から毎月一冊ペースを崩さず読みました。初めてのキングです。第六巻の折返しあたりから、読了する寂しさの予感が押し寄せて怖くなりました。初めはゆったりと、徐々に展開を速めながらも、余裕たっぷりの巨大な運動エネルギーで旋回し続けるストーリーテリングの力量は流石です。フラッシュバック群と力を張り合うかの様に現れる時折の強烈なフラッシュフォワードで、何事か?!と幻惑させられた後の節々の違和感、それにより増す推進力も素晴らしい。本格推理とは違うがフーダニット的興味もあり。ある種の⚫️⚫️誤認⚫️⚫️トリックが深い感慨をもたらす最終コーナー。ある人物の処刑シーンに前後して他の登場人物のその後の死にざまを冷静に羅列する所にも、深く遠い感慨がある。語り手の妻が或る「作戦会議」に加わり熱弁を振るうシーンは、終結間際のあの回想シーンで、一気に涙を誘う起爆剤に化けましたねえ。。。。 このラスト、わたしには良しの方角を向いていました。○○○○たことはそれだけで素晴らしい。だが締めの一文もまた素晴らしい。 まさか、生きていたとは。。。振り返れば、タイトルの重みが尋常でありません。。。。 “あのときのコーフィは、夕方の沐浴をおえたあとの赤ん坊のように清潔で、さっぱりとしていた。” |
No.2 | 8点 | ∠渉 | 2013/11/26 22:17 |
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6冊あっという間に読めました。スプラッタだと思ってたら全然違って、あぁ、こんなんも書けるんだぁ、とただただ感心。伏線も沢山あるので最後は圧巻の切なさ。そして恐怖。下手するとホラーより恐いかも。混沌とした中で生きていることへの一抹の切なさを感じました。映画は、原作に忠実で大変良いのですが、なにせ、3時間超の作品だったので、見終わって僕はこういってやったよ、「ああ、神よ、ときに<グリーン・マイル>はあまりにも長すぎる。」ってね。 |
No.1 | 6点 | 臣 | 2009/09/16 19:23 |
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ネタバレを防止するために6分冊を毎月順次発刊していました。
ストーリーは、アメリカの刑務所で、死刑囚の大男、コーフィが不思議な力で何人かの命を救っていくという奇妙な内容です。死刑囚と看守たちとの触れ合いもあり、全体として心温まるファンタジー作品となっていますが、ホラー的要素もあり、作者らしさが表れています。 話としては面白いのですが、映画まで観てしまうと、もうこれ以上はいらないといった感じで、だいたいのストーリーも覚えているので再読したいとも思いません。その程度の作品だったのでしょうね。本格ミステリなどミステリ色の強い作品に疲れてきたときに読むのにはおススメです。 |