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[ SF/ファンタジー ] ダーク・タワーⅠ-ガンスリンガー- <ダーク・タワー>シリーズ |
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スティーヴン・キング | 出版月: 1992年04月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
角川書店 1992年04月 |
No.2 | 7点 | Tetchy | 2017/09/10 22:07 |
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私が読んだのはシリーズ完結を機にキングによって手が加えられたヴァージョンであり、2004年に新潮文庫から刊行された版。
ファンタジックな世界でありながら、我々の住む世界とはどこか地続きで繋がっているようで、例えばガンスリンガーが訪れる<タル>の町のピアノ弾きが奏でる音楽はビートルズの『ヘイ・ジュード』であり、ジェイクが来た町はニューヨークでタイムズスクエア、ゾロといった映画の登場人物も出てくる。我々の住んでいる世界とは少し位相の異なる世界がこのガンスリンガーたちが住まう世界のようだ。 本書の訳者であり、書評家でもある風間賢二氏の解説によれば、この<ダーク・タワー>シリーズはキングの作品世界の中心となる壮大なサーガであるとのこと。つまり今まで読んできた作品、そしてこれから読む作品に何らかの形で影響し、また繋がりがあるとのことである。そして本書はまだ物語の序の序に過ぎないとのこと。従ってまだ作品世界のほんの入り口に立っただけに過ぎず、次の第Ⅱ巻からが本格的な幕開けとなるらしい。この解説を読んでキングの一読者となり始めた私にとってこのシリーズはやはり読むべき物語であると確信した。 数々の謎を孕んだ壮大なキングのダーク・ファンタジーはたった今始まったばかりだ。 |
No.1 | 5点 | ∠渉 | 2013/12/09 23:14 |
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全7部の超大作の導入部なので、単体として評価するのもあれですが、します。スケール感のある大作シリーズで、キング流「ロード・オブ・ザ・リング」であり、「ナルニア国物語」であり、「ハリーポッター」でありのような、つまりファンタジーなんですが、それをキングが書くと物語全体の雰囲気に漂うペシミズムが半端じゃなく、こんなにも夢と希望がなさげなファンタジーの幕開けってあるだろうか、というような感じで、既存の有名なファンタジー作品とは一線を画すものがあるなという印象。
そして話によるとこの作品はキングの多くの作品につながるらしく(小ネタのリンクとかだけじゃく)、キングの世界観のほとんどがこのシリーズに注ぎ込まれているようなのでキングファンとしは必読の様相。 個人的な印象だと森博嗣さんの「ヴォイド・シェイパ」シリーズや「スカイ・クロラ」シリーズのような雰囲気も感じました。なにか真理を求めて不安定になりながら、葛藤をして、悟っていく感じが。とても文章にも引き込まれるものがるので読み応えも読みどころも盛りだくさんの作品になっていると思います。あくまで第1部の感想ですが。 |