皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ ホラー ] キャリー |
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| スティーヴン・キング | 出版月: 1975年01月 | 平均: 6.25点 | 書評数: 4件 |
![]() 新潮社 1975年01月 |
![]() 新潮社 1985年01月 |
| No.4 | 6点 | クリスティ再読 | 2026/01/26 18:06 |
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| 実は初読、というかキング自体一冊も読んでなかった。映画は「キャリー」「シャイニング」「炎の少女チャーリー」くらいしか見てないなあ。話は当然よく承知。そりゃデ・パルマの映画は80年代では華麗なテクニックの教科書みたいなものだったからね。スプリット画面でやるモンタージュ、360度回り込み、ジャンプカット風にやる速いズームなど、カッコイイ!となるテクニックが満載の映画だったもの。
とはいえ周囲は本作のイジメられる陰キャの復讐劇、というあたりに共感していた人は多かったな。評者はそこらはそうでもない。改めて小説を読んでみると、この作品は本質的に中編だということがよく分かるよ。だから映画化で一番得をしやすい原作でもある。記述形式について実験してたりするのは、事実上引き延ばし策みたいなものだ。不安定な思春期の少女の話であり、それを超能力で拡大して世界を「壊す」話でもある。メンスに絡めてこれを構築するというワンアイデアでシンプルにできている良さがある。本作は事実上復讐譚であって、ホラーじゃない。 まあとはいえ、今ではこれが宗教二世問題としても読まれるのかもね。お母さんの怖さは映画のパイパー・ローリーが上回るかな。かつての美人女優だからね。キレイなのに宗教に狂って黒ずくめ。怖いよ~映画はバカップル懲罰のあとに母親と対決だから、原作と逆だ。街を破壊して母を殺し、バカップルをやっつけるのが原作で、映画は街の破壊はなし。こっちのがシンプルに悲劇性を高めるから映画のアレンジが正解。デ・パルマのキメ台詞 Trust me! が心に痛い。 (あと、シシー・スペイセクの薄めの青い目がキャリーの超能力に効いていると思うよ) |
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| No.3 | 6点 | ROM大臣 | 2021/06/24 16:20 |
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| 狂言的な母親の異常な躾で育ったキャリーは、級友たちの嘲笑の中で初潮を迎えた。臆病で多感な少女が初めて、卒業前の舞踏会に晴れやかに出席した時、悪意で仕掛けられた豚の血が降り注いだ。
秘められていたキャリーのサイコキネシスは、悲しみと憎悪とともに爆発する。会場を、そして街を燃え上がらせた大惨事を、キャリーの心理と周囲の証言を織り合わせて綴る、モダンホラーの第一人者の処女作。 |
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| No.2 | 7点 | Tetchy | 2016/06/12 12:46 |
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| 本書がこれほど好評を持って受け入れられたのは普遍的なテーマを扱っていることだろう。いわゆるスクールカーストにおける最下層に位置する女生徒が虐められる日々の中でふとしたことからプロムに誘われるという光栄に浴する。しかし彼女はそこでも屈辱的な扱いを受ける。ただ彼女には念動能力という秘密があった。
この単純至極なシンデレラ・ストーリーに念動能力を持つ女子高生の復讐というカタルシスとカタストロフィを混在させた物語を、事件を後追いするかのような文献や手記、関係者のインタビューなどの記録を交えて語る手法が当時は斬新で広く受けたのではないだろうか。 さてとにもかくにも主人公キャリーの生き様の哀しさに尽きる。 初めて彼女が母親の反対を押し切り、自分の意志で選択した行動。それが大惨事の引き金になるという皮肉。報われなかった女性にキングは壮絶な復讐と凄絶な死にざまを与える。 さらに本書が特異なのは女性色が非常に濃いことだ。それは主人公キャリーが女性であることから来ているのだろうが、キャリーを虐めているのは男子生徒ではなく女子生徒ばかりでキャリーの生活の障壁となっているのも前述のように狂信的な母親だ。 さらに生理という女性特有の生理現象がキャリーの念動能力の発動を助長させ、またキャリーの死を看取ったスージー・スネルがその直後生理になっているのも新たなる物語という生命の誕生を連想させ興味深い。 既に物語の舞台であるメイン州チェンバレンで大量虐殺が行われたことは物語の早い段階で断片的に語られる。従って読者は物語の進行に伴い、訪れるべきカタストロフィに向かってじわりじわりと近づいていくのだ。しかしながら1974年に書かれた本書で描写されるキャリーの虐殺シーンはいささかおとなしい印象を受ける。 いわば歩く無差別テロの様相を呈しているのだが、今日のこのあたりの描写はもっと強烈だろう。血の匂い立つような細かくねちっこい描写や痛みを感じさせるほどの迫真性に満ちた生々しさが本書には足りない。 今では実にありふれた物語であろう。が、しかし物語にちりばめられたギミックや小道具はやはりキングのオリジナリティが見いだせる。“to rip off a Carrie”などという俗語まで案出しているアイデアには思わずニヤリとした。 |
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| No.1 | 6点 | ∠渉 | 2013/12/28 18:42 |
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| 事件の後日談という構成で、まぁキングがおちぶれてたいた時期といこともあって、挑戦的なプロットですが、やっぱ面白い。どこにでも起こり得るいじめ問題そのものなんだけど、ホラーにすることによって、より人間のおぞましさが見えてきて面白い。こないだリメイクもされましたが、デ・パルマ版はやっぱ面白い! | |||