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[ 短編集(分類不能) ] メイプル・ストリートの家 NIGHTMARES & DREAMSCAPES |
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スティーヴン・キング | 出版月: 2006年10月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 2006年10月 |
No.1 | 7点 | Tetchy | 2023/02/12 01:20 |
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『ドランのキャデラック』、『いかしたバンドのいる街で』に続く短編集“NIGHTMARES & DREAMSCAPES”の3冊目の訳書である。
普通小説、ホラー、モンスター小説、侵略物のSF小説、ジュヴナイル。しかし各編は左に書いたジャンルを見事にミックスさせて一括りにできない作品に仕上げている。 いやだからといって全くストーリーは複雑ではない。寧ろシンプルだ。しかしシンプルなストーリーに複数のジャンルを放り込んでいるのだ。 さて本書におけるベストは表題作の「メイプル・ストリートの家」だ。 なかなか懐けない継父との確執が募る4人の兄妹たちの鬱屈を、最後に家ごと吹っ飛ばすことで解消すると云う何とも豪快な結末に溜飲が下がった。 とにかくキングはどんなジャンルの話も書けるのだという思いを強くした。 この短編集では普通小説も収録されている。これは逆に他の作品も読める短編だからこそ著したのだろう。 さすがにキングのビッグネームでもこの手の普通小説は長編では盛り上がりに欠けて売れ行きも芳しくならないだろう。 さて“NIGHTMARES & DREAMSCAPES”もあと1冊。次はどんな悪夢が、どんな風景を見せてくれるのだろうか。 |