[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 魔術師 リンカーン・ライムシリーズ |
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ジェフリー・ディーヴァー | 出版月: 2004年10月 | 平均: 6.09点 | 書評数: 11件 |
![]() 文藝春秋 2004年10月 |
![]() 文藝春秋 2008年10月 |
![]() 文藝春秋 2008年10月 |
No.11 | 4点 | レッドキング | 2020/02/25 16:30 |
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ライムシリーズ第五弾。原題は「The Vanished Man=消えた男」。右手でヒラヒラ誤導し左手でネタ仕掛ける手品師のウラをかく探偵と、さらにそのウラをかく手品師の虚々実々の駆け引き。読んでて楽しいが、悪役、せいぜい「手品師」で終わっちゃって、とても「魔術師」には見えない。話自体も「エンプティチェア」「ウォッチメイカー」みたいな舞台どんでん返し大技も無く物足りなく。 |
No.10 | 6点 | ミステリ初心者 | 2018/12/24 12:44 |
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ネタバレをしています。
かなり昔に読んでいた本で、大掃除をしているときに出てきました。どうやら書評をつけていなかったようです。 推理小説というよりも、テレビドラマのような感じで、とても読みやすかったです。 犯人の真の狙いも予想外でした。 はっきりとは覚えていませんが、たしか銃の暴発による死亡を装ったシーンがあったような気がします。ちょっと無理がある気もします。 |
No.9 | 6点 | E-BANKER | 2015/03/07 14:45 |
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2003年発表。
「石の猿」に続くリンカーン=ライムシリーズの五作目に当たる本作。 ジェットコースターサスペンスの代名詞ともいえる本シリーズもいよいよ佳境に突入! ~NYの音楽学校で殺人事件が発生。犯人は人質をとってホールに立てこもる。警官隊が出入り口を封鎖するなか、ホールから銃声が! しかし、ドアを破って踏み込むと、犯人も人質も消えていた・・・。ライムとサックスは犯人にマジックの修業経験があることを察知して、イリュージョニスト見習いの女性に協力を養成するのだが・・・~ “シリーズの原点に立ち返った”とでも評したらいいだろうか。 いくら人気シリーズとはいえ、回を重ねていくと当然「マンネリズム」という陥穽に嵌まりがちになる。 作者はその辺りは当然わきまえていて、三作目「エンプティ・チェア」では舞台をNYから南部の田舎町へシフト。四作目「石の猿」では相手を中国人の“蛇頭”というストレンジャーへシフトしてきた。 いずれもシリーズの保守本流からやや外すことで、読者の「飽き」を防ごうとする工夫が窺えるだろう。 しかし、本作はこれぞリンカーン=ライムシリーズと言うべき作品に仕上がっている。 舞台はNYはセントラルパーク周辺という大都会。ライムの相手は「魔術師(イリュージョニスト)」の異名を持つ殺人鬼! ふたりの頭脳戦をスピーディに描くプロットは、「ボーン・コレクター」や「コフィン・ダンサー」とシンクロする。 (やっぱり魅力的な犯人役が必要不可欠だな) そしてもうひとつの代名詞といえば「ドンデン返しの連続」なのだが、シリーズ最高峰のドンデン返しという作者の触れ込みに期待しすぎるとやや肩透かしを食うことになる。 そもそも今回の犯人役=「魔術師」の得意技自体が「誤導」、いわゆる「ミスリード」なのだ。 ってことは、そもそものところでミスリードがふんだんに仕掛けられているわけで、この上作品全体にドンデン返しが加わるとプロット的に混乱してしまうのかもしれない。 そういう意味では、「盛りすぎ」ということなのだろう。 原点に帰ったという点では好感触なのだが、やはり「コフィン・ダンサー」と比べると一枚も二枚も落ちるという印象。 次作に期待というところだ。 (法月綸太郎の文庫版解説は秀逸。実に的を得た解説だと思う。) |
No.8 | 8点 | 初老人 | 2014/07/22 01:29 |
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今までに読了したディーヴァー作品の中では、最も強く印象に残っている一品。私がディーヴァー作品を気に入っている理由の一つが、物語の手作り感がダイレクトに伝わってくるという点だ。この魔術師という小説の中で、作者は誤導というテクニックを最大限に活用し、読み手を翻弄し楽しませるが、その姿勢にスマートさと同時に、職人気質の誠実さというものを感じ取れるのだ。そしてその精神性は、ウォッチメイカーといった後続の作品に受け継がれている。これからもディーヴァーとその作品から、目が離せない。 |
No.7 | 5点 | 蟷螂の斧 | 2013/01/18 18:19 |
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ミステリーというより、エンタメ系になるのでしょうか。本物のマジシャン登場で、やや興ざめの感もありましたが、ストーリー展開は面白かったと思います。 |
No.6 | 8点 | Tetchy | 2011/12/24 23:06 |
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今回の敵は題名どおり“魔術師”。早変わり、クロースアップマジック、読心術、腹話術、動物のトリックにピッキング、さらには脱出マジックなどの細かで繊細な物から大掛かりな物まで全てをこなすオールマイティのマジシャンだ。
とにかく今までと違うのは犯人である魔術師ことマレリックが殺害の途中に逮捕の寸前まで行きながらも逃れてしまうところだ。この顛末が非常にスリリング。 さらには手錠を掛けても脱出トリックで解錠技術に長けたマレリックにしてみれば一瞬に解除出来てしまうからすぐに逃れてしまう。まさに最強の殺人犯だ。 毎回その作品でスゴイ!と唸らされる連続殺人鬼を生み出すディーヴァーだが、今回も今までの作品の更に上に行く犯人を送り出してきた。いやはやホントこの作家のアイデアの豊富さには畏れ入る。 よくよく考えると今回もディーヴァーが創案した魔術師は実は日本のミステリ読者ならば誰もが江戸川乱歩の『怪人二十面相』を思い浮かべるだろう。 しかし西洋人であるディーヴァーならばやはりここは同じく変装の名人怪盗ルパンがモチーフであるのだろう。 つまりディーヴァーは古くからある物語を現代のマジシャンの最新技術とライムの鑑識技術と装置とを使うことで新たなエンタテインメントを紡ぎだしているのだ。まさに古き器に新しき酒を注いで現代に新たな本格ミステリを生み出すこのディーヴァーの着想の冴えにはただただ感服するばかりだ。 しかしこれまでの作品の中で最高のどんでん返し度を誇ると著者が豪語した割には読めてしまったというのが正直な感想だ。つまり読者として作者の手筋が見えてきたのだろう。 ちょっと過剰にサーヴィスしすぎた感が無きにしも非ずだ。この辺は哀しいかな、シリーズのマンネリ化を防ぐが故に生じた弊害だろう。逆にもっと意外なところで不意打ちを食らいたいものだ。そう、作者の企みに満ちた微笑が行間から見えるような不意打ちを。 |
No.5 | 7点 | take5 | 2011/08/11 09:18 |
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まるでテレビを見ているような気分になります。
自分で考えなくてもどんどん頭に入ってくるので、 数時間で一気によめます。 社会背景の記述やトリックの正当性などに疑問をもつのは、おそらく読み終わってからだと思います。 ライムシリーズは読んでいる最中は、何も考えずに浸っていればいいと思います。 人気のある理由だと思います。 |
No.4 | 6点 | touko | 2011/04/17 21:46 |
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今回の犯人は、普通なら大仕掛けを施した舞台で、アシスタントやさくらの力も借りて成立させているようなイリュージョン・マジックを即興でどんどん繰り出せる、神出鬼没・七変化のすごすぎるマジシャン。
ルパン対ホームズとか明智小五郎対怪人20面相の世界が、現代ニューヨークを舞台に繰り広げられるので、いくらなんでもやりすぎ、と思う人もいれば、子供の頃、そういうのが好きだったら、感涙ものと評価がわれそう(ちなみに私は前者です;)。 ミスディレクション(誤導)の達人である犯人は、本来の目的から目をそらさせるために、様々な犯行を重ねるのですが、最初から目標一直線だったら、誰にも怪しまれなかったよね……。 でも、こういうのって、世界征服が目的なはずのショッカーが毎回幼稚園のバスを襲ったりとせこい犯罪をするのはなぜ? というのと同じ野暮な疑問なんでしょうね。。 |
No.3 | 7点 | あびびび | 2011/03/21 01:06 |
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犯人は熟練の魔術師で、いろいろな危機をマジックで切り抜ける。これに対し、リンカーンもマジシャン修行中の若い女性のアドバイスをもとに対抗する訳だが、小道具が多すぎる。
その分ページ数も多くなり、読者はある程度の根気が必要だ。しかし、さすがにどんでん返しは超一流。最後の最後で『さすがにこれはないだろう?」と思った推理がリンカーンの遊び心でほっとした。 シリーズの中では中の上といった評価ではないか。 |
No.2 | 5点 | シーマスター | 2010/01/13 22:45 |
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本作を含む一連のシリーズの探偵役である、車椅子の捜査官リンカーン・ライム・・・初めのうちはこの名前を見るたびになぜかモスコミュールが飲みたくなったりしたものですよ。
本作の多重のドンデン構成はよくできているとは思うが、この程度のものは本邦にいくらでもあると思うし、「一瞬にしての年齢、性、体形をも超えた変装」や「どんな鍵も忽ち開けてしまうスキル」や「目くらまし」等々の一流マジシャンのテクニックが犯罪のメソッドになっている点もミステリとしてあまりいい印象ではない。ルパン三世のようだ。 また、ラストに二人の女性の出世話を、それぞれワザワザ本編とは無関係のエピソードを作ってまでくっつけることに何の意味があるのだろう。何か事件に関する追加のドンデンがあるのかと期待しちゃったよ。 更にマジックの道具や機械の部品などで解かりにくい用語が多かったり、現代アメリカ風のシャレた言い回しがリーダビリティの上で仇になったりと、翻訳のディスアドバンテージを被ってしまっていることも否定できない。 しかし何より「長すぎる」。 |
No.1 | 5点 | ナナメ | 2009/11/19 10:51 |
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前半は、原点回帰みたいに、ボーンコレクター的な
謎の連続殺人鬼(しかも、マジックを駆使して、トリックやら 変装やらで翻弄)との戦いで、大変面白い。 が、後半は、なんか、とっ散らかったような印象。後、逆転につぐ逆転は、もうどっちでもいいよ!という気分にも。うーん。ゲストキャラは、すごく良かったです。 |
ジェフリー・ディーヴァー
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