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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
ソウル・コレクター
リンカーン・ライムシリーズ
ジェフリー・ディーヴァー 出版月: 2009年10月 平均: 6.43点 書評数: 7件

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文藝春秋
2009年10月

文藝春秋
2012年10月

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2012年10月

No.7 3点 レッドキング 2020/03/19 22:13
ライムシリーズ第八弾。お馴染み探偵チーム(あの黒人カメレオン男出なくて残念)VS「ソウル=魂」の支配者。「肉体は滅んでも魂は永遠」の魂。魂とは、すなわちデータの集積の事で、「個人なんて生物的歴史的社会的データの結節点に過ぎない。」 てことで、他人のデータに侵入し改竄して破滅させるのみならず、己の殺人さえも冤罪擦り付けする恐怖の支配者。相変わらず倒述・カットバック描写巧みでハラハラ展開面白くあっという間に読めちゃう・・・が、「ウォッチメーカー」の後だと、ジェフリー・ディーヴァーだと・・ハードル上がっちゃうもんな・・・

No.6 7点 E-BANKER 2018/09/29 16:11
リンカーン・ライムシリーズも迎えて八作目を数える本作。
文庫版巻末には、今は亡き児玉清氏と作者との対談までが特別収録されるなど、ファンには堪えられないサービス!
2008年の発表。

~リンカーン・ライムのいとこアーサーが殺人容疑で逮捕された。アーサーは一貫して無実を主張するが、犯行現場や自宅から多数の証拠が見つかり、有罪は確定的に見えた。だが、ライムは不審に思う・・・『証拠が揃いすぎている』。アーサーは濡れ衣を着せられたのでは? そう睨んだライムはサックスらとともに独自の調査を開始する~

ライムのいとこが殺人犯として逮捕されるという衝撃的&意外な幕開けとなった本作。
程なくそれが冤罪らしいことは判明するわけだが、ライムとアーサーの過去の因縁が語られるなど、“人間”リンカーン・ライムのエピソード・ゼロ的な部分が伺えるのが興味深い。

前作(「ウォッチ・メーカー」)の書評でシリーズ最強クラスの犯人と書いたのだが、今回の犯人役(未詳522号)も負けず劣らず、とにかく恐ろしい敵役となる。
なにしろ、ありとあらゆる「情報」に自在にアクセスし、思うがままに利用することができるのだから・・・
さすがのライムでさえも、未詳522号の反撃にタジタジとなる。(電力まで切られる自体に!)
現代社会でコレをやられたらひとたまりもないってことだな。
ひとりの登場人物のあらゆるデータが、文庫版下巻304頁から何と20頁も使って一覧にされているのだが、私たちが日頃何気なく使っているカード類やネット、各種金融データなどなどすべてが集約、管理されることの恐ろしさに愕然とするに違いない。

そして、もはやお決まりとなった感のあるアメリアのピンチシーン。
今回も未詳522号の襲撃の前に絶体絶命のピンチに! でもまさかアイツが助けにくるとは・・・想像もしなかった!
(助かるとは分かってるけど、結構ドキドキするもんなぁー。この辺り、男心をよく分かっていらっしゃる)

いずれにしても、最終的な感想をひとことで表現するなら「さすがの面白さ」「極上(に近い)エンターテイメント」ということ。
真犯人の正体は若干肩透かしではあったけど(それと、データを盗んだ方法がまさかそんな古典的とは!)、サイドストーリーもふんだんに盛り込まれて読み応え充分。
ここまでシリーズを重ねてきてこのクオリティとは恐れ入りました。

No.5 6点 HORNET 2018/03/11 11:49
 こういうサイバー系の話は、正直あまり入って来ず、本シリーズにしては珍しくノれなかった。ある人間のプロフィールを購入品のレベルまで把握して、それによって証拠を捏造し、その人間を犯人に仕立て上げるように犯罪を犯す―というコンセプトは面白かった。微細な証拠物件を調べ上げる犯罪捜査の逆手をとった秀逸な発想で、その犯人像には期待が高まった。そのうえで示された真犯人は確かに意外だった。
 ただいかんせん、コンピュータやネットを介した犯罪とそれに纏わる捜査は、言葉で説明されてもあまりピンと来ず、正直読み流してしまう。どうせ理解できないのだからと、結末を急ぐ気持ちで読んでしまった。
 その点、完璧なセキュリティの中からどうやって情報を持ち出したのか、ということに関する真相は完全なアナログで、盲点としても「なるほど」と思えた。出入りに探知機を通過させるというところまで徹底していると、逆に原始的な方法が盲点になるという面白さがあった。

No.4 8点 Tetchy 2012/12/23 19:42
リンカーン・ライムシリーズ8作目は他人の情報を自在に操るソウル・コレクター。彼は他人の趣味趣向を調べ上げ、その人の持ち物と日々の行動範囲などから証拠を捏造し、犯人に仕立て上げる連続殺人鬼だ。

リンカーン・ライムのシリーズではしばしば「ロカールの原則」というのが引用される。すなわち犯罪が発生した際、犯人と犯行現場と被害者との間には例外なく証拠物件が移動するという原則だ。本書の連続強姦殺人鬼ソウル・コレクターはこの「ロカールの原則」を逆手に取って捜査を誘導する、まさに鑑識にとって天敵なのだ。

しかし情報と云うのがこれほど脅威になろうとは思わなかった。知らないうちに我々も番号化され、趣味嗜好、思想や人間関係の繋がりなどがどこかでデータ化され蓄積されているのだろう。いわば見知らぬ誰かに丸裸の自分を把握されている状況だ。
だからこそこのような個人情報を扱う会社はセキュリティを絶対無比の物にしなければならないし、また情報を扱う社員も人格者でなければならない。情報化社会と一口に云うが、その重大性や脅威について本書でその本質を知らされた次第だ。

本書は真犯人が誰かとかウォッチメイカーは捕まったのかよりも情報の持つ恐ろしさをまざまざと思い知らされたことが大きい。便利になった現代社会の歪みを見事エンタテインメント小説の題材に昇華したディーヴァー。まだまだその勢いは止まらないようだ。

No.3 7点 take5 2011/08/11 09:20
まるでテレビを見ているような気分になります。
自分で考えなくてもどんどん頭に入ってくるので、
数時間で一気によめます。
社会背景の記述やトリックの正当性などに疑問をもつのは、おそらく読み終わってからだと思います。
ライムシリーズは読んでいる最中は、何も考えずに浸っていればいいと思います。
人気のある理由だと思います。

No.2 6点 touko 2011/04/17 22:55
サイバーテロを扱った映画のダイハード4を彷彿とさせる作品。
ダイハードのようにテロリストがペンタゴンをハッキングしたり、爆撃機を乗っ取ったり等の映像的な派手さはないけれど、民間の大手すぎる個人情報管理会社が舞台の派手な展開とドキハラぶりでは負けていません(おそらく、ありそうでありえなさも、同じくらいと思われます)。

犯人そいつかあ……先日のみずほ銀行の件もあるし、結局はアナログな人の管理の方が重要ってことかな?

この作品中の情報管理世界もすごいんだけど、そんな中でもエクセルの名前すら知らない20代のアメリカ人が普通にいるというのもなんだかすごいような……アメリカは幅が広いのですね。。

No.1 8点 あびびび 2010/10/28 15:55
リンカーン・ライムシリーズの最新作。今度の「悪魔」は全世界の個人データを持ち、狙いを定めた人間の個人情報を操作して破滅に追い込み、自分の犯罪の肩代わりをさせる闇の巨人…。

そのため、内容は複雑であるが、同時進行のようなリアル感があり、その犯歴に背筋が凍るようである。


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