皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 石の猿 リンカーン・ライムシリーズ |
|||
---|---|---|---|
ジェフリー・ディーヴァー | 出版月: 2003年05月 | 平均: 6.20点 | 書評数: 5件 |
![]() 文藝春秋 2003年05月 |
![]() 文藝春秋 2007年11月 |
![]() 文藝春秋 2007年11月 |
No.5 | 4点 | レッドキング | 2020/02/24 17:06 |
---|---|---|---|
ライムシリーズ第四弾。蛇頭殺し屋、中国不法移民、中国刑事そしていつもの探偵チームの手に汗握る攻防を、倒叙・カットバック見事に効かせて描いたミステリックサスペンス。唯一のミステリ要素のフーダニットはフーんてな感じで、面白さも「毒猿」に毛が生えた程度かな。 そっか、石の猿って孫悟空か! |
No.4 | 6点 | E-BANKER | 2014/08/15 23:30 |
---|---|---|---|
2001年発表のリンカーン・ライムシリーズの長編四作目。
タイトルの「石の猿」とはズバリ「孫悟空」というわけで、中国からの密入国者と彼らを執拗に追う殺し屋“蛇頭”と対決するライムとアメリアの姿を描く。 ~中国からの密航船が沈没。十人の密航者がNYへと上陸した。同じ船に乗り込んでいた国際手配中の犯罪組織の大物“ゴースト”は、自分の顔を知った密航者たちの抹殺を開始した。科学捜査の天才リンカーン・ライムが後を追うが、ゴーストの正体は全く不明、逃げた密航者たちの居場所も不明だ・・・。果たして冷血の殺戮は止められるのか?~ シリーズも三作目、四作目となると、徐々に新機軸やこれまでとは違う要素を加えなくてはならなくなる・・・普通。 前作(「エンプティ・チェア」)では舞台をNYから移すことで、新たな要素を加えたのだが、本作では主戦地のNYに戻ってきた。 その代わりに加えたスパイスが「中国」。 (ただし十数年前の中国なので、2014年現在の発展した中国の姿からすると、若干の違和感はあるけれど。) 密入国者であるチャン一家やウー一家、ライムと共に捜査に当たることになる中国の公安刑事ソニーなど、多くの中国人が登場し、中国人の風習や考え方などが紹介される。 そして何より、「石の猿」のお守りを付けている男=蛇頭“ゴースト”の存在・・・ 本シリーズには毎回インパクトのある悪役が登場するが、本作の悪役“ゴースト”はこれまでの悪役と比べるとやや見劣りするところが残念。 作者の作品では毎度お馴染み、終盤の「ドンデン返し」も、これまでの三作よりはインパクトに欠ける。 異文化を持つ男たちの捜査官コンビというと、個人的には映画「ブラック・レイン」(懐かしいね・・・)を思い出してしまったのだが、作家としては取り組みがいのあるテーマなのかもしれない。 ライムとソニー刑事のやり取りや友情は本作の白眉のように思えた。 ただ、こういう好人物は得てして死んでしまうものだけど、本作ではさてどうか・・・ 二作目「コフィン・ダンサー」などとの比較では、評価は下げざるを得ないんだけど、五作目以降も是非読み続けていきたいことには変わりなし。 (アメリアのピンチシーンには相変わらずドキドキするなぁ・・・) |
No.3 | 7点 | Tetchy | 2011/10/06 21:59 |
---|---|---|---|
West Meets East。
本作の主題を一言で表すとこうなるだろうか。中国からの密入国者とそれを抹殺する蛇頭の殺し屋の捜索に図らずも中国から密入国してきた刑事ソニー・リーと協同して捜査することになったライムとリーとの交流が実に面白い。物語の構図は殺し屋対ライムと変わらないが、決してマンネリに陥らないようアクセントを付けているところがディーヴァーは非常に上手い。特にお互いが白酒とスコッチと西と東の蒸留酒を飲み交わしあいながら語り合い、碁を打ち始めるシーンはとても印象的だ。毎回このシリーズには名バイプレイヤーが登場するが本書ではまさしくこのソニー・リーだ。 あくまで物的証拠を重視し、刑事の勘などを一切認めなかったライム―その頑なさが前作『エンプティー・チェア』でアメリアとライムとの対立を生んでいた―が本書では東洋の―というか中国人の―特異な考え方のために、ソニー・リーに頼らざるを得なくなるのが面白い。 (ここからネタバレ) だからソニーの死は非常に残念だった。今後の作品にも出てくるものだとすっかり思っていたので。 またゴーストとライム&アメリアの戦いも意外に呆気なかった。いつもなら最後の章まで危機が尽きないので。しかしこれは作品の主題―今までの敵になかった政府との太いパイプを持った殺し屋をいかに逮捕するか―がそこにはなかったからだろうが、やっぱりちょっと物足りない。 |
No.2 | 7点 | take5 | 2011/08/11 09:19 |
---|---|---|---|
まるでテレビを見ているような気分になります。
自分で考えなくてもどんどん頭に入ってくるので、 数時間で一気によめます。 社会背景の記述やトリックの正当性などに疑問をもつのは、おそらく読み終わってからだと思います。 ライムシリーズは読んでいる最中は、何も考えずに浸っていればいいと思います。 人気のある理由だと思います。 |
No.1 | 7点 | ナナメ | 2009/06/18 11:15 |
---|---|---|---|
4作目は、いつものNYに戻って、いつもの仲間も集合。
今度の敵「ゴースト」は蛇頭、密入国した中国人を狙って 動く彼を追跡しつつ、標的である密入国者も探さなければならない。しょっぱな、ド派手に爆発で開幕、サックスは陸海空に 大活躍と相変わらずのサービスっぷり。印象に残るのは、ゲストキャラのソニー・リー。彼とのかかわりが、ライムに変化をもたらせます。最後まで、油断できませんよ。 |