[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] 限界点 |
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ジェフリー・ディーヴァー | 出版月: 2015年03月 | 平均: 6.33点 | 書評数: 3件 |
![]() 文藝春秋 2015年03月 |
![]() 文藝春秋 2018年02月 |
![]() 文藝春秋 2018年02月 |
No.3 | 6点 | あびびび | 2020/01/16 14:14 |
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ある家族を「調べ屋」から護る連邦機関の護衛菅コルティ。調べ屋ヘンリー・ラヴィングはその道のナンバーワン的存在で、いったん標的を追うと、家族の親族、友人らへの殺人もいとわず、あるゆるところから情報を得て、標的に迫る。だからコルティには家族、友人はいない…。
追うものと逃れるもの、あらゆる駆け引きが始まるのだが、そこはジェフリーディーヴァー。小粒ながらもどんでん返しの連続で読み手を楽しませる。でも、この作家を読みなれている読者にとってはごく普通の流れかな? 自分的には最後の「エンドゲーム」がほのぼのして良かった。 |
No.2 | 6点 | take5 | 2018/05/13 12:26 |
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読みやすいジェフリーディーヴァーの作品で、
いつもながらのドンデン返しですが、 主人公の一人称で語られる所に、 一長一短というか好みというかが出ます。 葛藤から一番遠い所に自身を置く必要がある 主人公が、 ゲーム理論を絡めて事件にあたる訳ですが、 エピローグのエピソードが割り切ることの出来ない 矛盾をはらんでいれば尚よかったと感じます。 うまくやれていすぎという感じがします。 それよりも一人称の語りを生かす方を、 ディーヴァーが選んだという事でしょうか。 私の好みでは、『赤毛の男の妻』のように、 主人公の悲哀や矛盾を、 読者に投げかけたまま終わる事が よりよいと思います。 |
No.1 | 7点 | Tetchy | 2018/04/29 00:42 |
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久々のディーヴァーのノンシリーズ作品である本書は警護のプロと<調べ屋>と称される殺し屋との攻防を描いたジェットコースター・サスペンスだ。
主人公は連邦機関<戦略警護部>の警護官コルティ。6年前の事件で師であるエイブ・ファロウを殺害された警護のプロ。 対する敵はヘンリー・ラヴィング。凄腕の<調べ屋>でコルティの師ファロウを拷問の末に殺害した男。 そんな2人の極限の攻防はまさにターゲットの死を賭けた精緻なチェスゲームのようだ。ディーヴァー作品の特徴に専門家と違わぬほどのその分野の専門的知識が豊富に物語に盛り込まれることが挙げられるが、本書でもこの警護ビジネスに関する知識がコルティの独白を通じて語られる。 また本書がこの敵と味方の攻防をチェスゲームのように描いているのは作者も意図的である。コルティの趣味はボードゲーム。プレイのみならず古今東西のボードゲームの蒐集も行なっている。さらにコルティは大学院で数学の学位を取得中にゲーム理論をかじっており、これを自分の仕事に活かしている。本書ではこのゲーム理論がところどころに挿入され、それがさらに本書のゲーム性を高めている。 また追う者と追われる者のハンターゲーム以外にも、もう1つの謎としてライアン・ケスラー刑事を標的にした依頼人の目的が不明なことだ。金融犯罪を担当する彼が扱っている2件の事件について調べていくうちに、意外な展開を見せていくのもまたミステリの妙味となっている。 実は本書はこのケスラー一家殺害を命じた依頼人の意図がどんでん返しとなっているのだが、その内容が次第に尻すぼみしていくのだ。最近のディーヴァー作品は意外性を狙うがゆえに、結末がチープになるという、どんでん返しの「手段の目的化」が散見されるのが残念だ。 題名の『限界点』も正直何を指すのかよく解らないし、原題の“Edge”に関してはラヴィングとコルティが得意とする、目的を完遂するために利用する周囲の人々の弱みを握る、つまり打ち込む楔を指しているが、それ以外にもそのマーリーと口づけを交わした川に面する崖の縁を示しているように思われる。これの表す意味については本書を当たってもらうと実に浅薄であることが解るのでここでは敢えて書きますまい。 返す返すも残念な作品だ。 |
ジェフリー・ディーヴァー
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