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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
エンプティー・チェア
リンカーン・ライムシリーズ
ジェフリー・ディーヴァー 出版月: 2001年10月 平均: 7.43点 書評数: 7件

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文藝春秋
2001年10月

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2006年11月

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2006年11月

No.7 8点 斎藤警部 2021/11/29 21:10
事件の構造は、悪夢の様にベーーァッドだ。。。。なのに、なんでこんな明るい結末なんだ!! 
最先端技術による脊椎手術を受けに赴いた、南部はノースカロライナにて、出張捜査に引っ張り出されるリンカンとアメリア。 あろう事かこの二人がディープな対決状態にまで陥る趣向はスピードある不安感を本当に焚き付けてくれます。

“その口調は不安げで、アメリア・サックスは、自らの歴史を書き換えるのは、気の遠くなるような遠い道のりなのだろうと想像した。”
「そのことを忘れないで」
「わかった」

今回は真犯人というか、真●●●が実に見えづらかった。。キーワードとして何度も刺さった 「●●●」 ってのが大ヒントだったのか。。。だってさあ、アレとかアレとか、続々とひっくり返るんだぜ。。挙句、長過ぎるショートショートの如きまさかの大オチ!! いや、最もスパンの長い伏線が、そこだったのか。。。。 やはりシリーズ作としての責任は果たしてもらわないとな(冷汗)。

ここまで病んだ真相を以てしても、本作を社会派と呼ぶ事は許されないだろう。それくらい強力なサスペンスと色鮮やかな活劇に転がされ尽したジェットコースター・アミューズメント大作。 
やはりご都合が激し過ぎるきらいはあるが、その到達点に見えたまるでダムのような 「結末の大きさ、深さ」 にはもう感服しかござらん。 そうそう、諸事件の第一容疑者たる昆虫少年は、いい話をいっぱい聞かせてくれました。

No.6 6点 レッドキング 2018/10/25 12:07
ライムシリーズ第三弾。現代のホームズvs不気味な「昆虫少年」。根拠地ニューヨークから南部の沼地に舞台を移し虚々実々の追跡劇・・・と見せかけて、アッと驚く舞台どんでん返しで、ホワットダニット物に物語が完結。 

No.5 7点 E-BANKER 2013/11/01 22:12
「ボーン・コレクター」「コフィン・ダンサー」に続くリンカーン・ライムシリーズ第三作。
今回はいつものNYではなく、アメリカ南部・ノースカロライナ州のパケノーク郡という片田舎が舞台となる異色作。

~脊椎手術のためにノースカロライナ州を訪れていたライムとサックスは、地元の警察から捜査協力を要請される。男ひとりを殺害し二人の女性を誘拐して逃走した少年の行方を探すために、発見された証拠物件から手掛かりを見つけるのだ。土地勘もなく分析機材も人材も不十分な環境に苦労しながらも、なんとか少年を発見する。だが、少年を尋問するうちに少年の無罪を信じたサックスは、少年とともに逃走してしまう。少年が真犯人だと確信するライムは、サックスを説得するが、彼女は聞こうとしないばかりか逃走途中で地元の警察官を射殺してしまう!~

前二作とは毛色が違うのだが、最終的にはやっぱりディーヴァーらしい結末が待ち受ける。
長々と読まされるけど、そういう意味では安心して読みすすめてよかった・・・と言えそう。
紹介文のとおり、本作では南部の片田舎といういつもとは全く違う舞台設定にとまどい、なかなか力を発揮できないライムが描かれる。
その代わり、大活躍(?)するのがアメリア・サックス。
“昆虫少年”との逃避行中、あろうことか警察官を射殺してしまい、事件後には連邦裁判に被告として立つことになってしまう。
終盤、サスペンス的に一番盛り上がる銃撃戦のシーンでは、得意の銃で敵をなぎ倒す姿も描かれ、サックスファンにとってはかなりウレしいサービスだろう。

そして、やっぱり作者といえば「終盤のドンデン返し」の連続。
これについては、本作も例外ではない。
昆虫少年が巻き込まれた殺人&誘拐事件という化けの皮が剥がれ、ある大企業そしてひとつの街までもが絡む巨悪が露見することになる。
最初は“いかにも”という疑似餌が作者そしてライムによって撒かれるのだが、読者はそれに引っ掛かってはいけない。
本当の「悪人」は誰なのか?
それが読者の前に晒されたとき、「えっ!」と思わされること請け合い。
(「じゃ、なんでわざわざライムを巻き込んだんだ?」という疑問は浮かぶのだが・・・)

こうやって書いてると、すごい高評価ということになりそうだが、中盤の展開が少々まだるっこしいし、サスペンスとしての盛り上がりや出来という意味では、「コフィン・ダンサー」より一枚落ちると感じる。
まぁ好みの問題かもしれないが、シリーズとしてはどうしてもこういう変化球的作品も必要なのだろう。
(“昆虫少年”も年齢にしてはかなり幼いような印象・・・。でも、スズメバチのトラップは相当怖い!)

No.4 9点 itokin 2012/11/17 20:35
予想を上回る展開と機知に富んだ会話、銃撃場面に代表されるスピード、サスペンスとにかく最後まで引き付けられ緩むことのない作品だと思う。大満足でした。

No.3 7点 Tetchy 2011/07/26 21:28
ライムのテリトリーであるニューヨークを離れたノースカロライナ州のパケノーク郡なる異郷の田舎町での捜査。ニューヨークのどこにどんな土があり、どんな建物が建っているか、手に取るように熟知していたライムだが、やはり異郷の地ではそれが通用せず、また現地捜査官の捜査レベルの低さに失望を禁じえない。作中で例えられているように世界一の犯罪学者と称された彼もそこでは“陸に上がった魚”で、いつものような調子が出ない。

さらに今回は今まで師弟関係と愛情を分かち合う強い絆で結ばれていたライムとアメリアの関係に変化が訪れる。なんとアメリアがライムの意見を疑問視し、犯人と思われる少年を留置場から逃がして独自の判断で捜査に臨むのだ。証拠が全てだという現代に甦ったシャーロック・ホームズとも云えるライムの考えと容疑者に直に対峙したアメリアの直感が錯綜する。云わば理と情の錯綜だ。そして読んでいるこちらはどちらが正しいのかハラハラしながら読むようになる。

やはり今回もどんでん返しがあった。それは一概にこれだ!と云えるものではなく、あらゆる要素に亘って読者の予想の上をいく展開を見せていると思う。
特に今回は事件の本質自体が変わっている。前2作が連続殺人鬼対名探偵というシンプルな構成にその正体にサプライズを仕込んでいた。そして今回はライムが協力を依頼されたのは誘拐事件で犯人の居所およびその獲保と監禁されている被誘拐者の救出だったのが、捜査が進むにつれ、本当の巨悪が見えてくるという構図になっている。

しかし上に述べた様々な手法や技法を駆使してはいるものの、物語としてはいささか盛り上がりにかけるように思えた。シリーズ物でありながらも作品ごとに趣向を変えるディーヴァー。今回はリアルタイムで殺人が起きるというものでなく、追う者と追われる者の頭脳合戦という構図を描きながら、それを包含する大きな構図を徐々に展開するという趣向だったが、個人的にはライムの唯我独尊ぶりが低減され、逆にこの話ではライムよりも他の人物の方がよかったのではないかと思わされた。今回は証拠が語る事実を重視する捜査方法よりも捜査経験豊富なベテラン刑事が直感に頼って捜査を進める手法の方が適していたように思う。

ノンシリーズの『静寂の叫び』の主人公が名のみの登場だが、思わずそれを見つけたときにはニヤリとしてしまった。

No.2 8点 あびびび 2011/04/08 10:50
4肢麻痺のリンカーン・ライムが手術のため、ノースカロライナ州の小さな町に、アメリア・サックス、介護士のトムとともに訪れる。

その町には「昆虫少年」による殺人事件が頻発しており、これに手を焼いていた地元警察がライムに協力を依頼する。その地は広大な湿地帯があり、、ライムは苦難の末、その少年を逮捕するが、あろうことか、片腕のサックスがその少年とともに逃亡し、しかも追跡の地元捜査官を誤射で死亡させてしまった。

サックスの「死刑…」が見え隠れする中で、ライムはどう戦うのか?最後は例によって、どんでん返しの連発!

No.1 7点 ナナメ 2009/02/27 11:19
シリーズ3作目、いつもの都会を離れ、かっての違う南部に
行った、ライムが捜査協力を依頼されるというお話。
 前作で揃った最新設備がつかえない、いつもの仲間もほとんどいない、あげく、愛弟子サックスとよりにもよって「対決」
することに・・という変形展開。
 タイムリミットありの追跡モノがメインで、ミステリ味がさらに薄い気もしますが、追跡終了後からが、この作品の肝かも。
 


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