皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ] ウォッチメイカーの罠 リンカーン・ライムシリーズ |
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ジェフリー・ディーヴァー | 出版月: 2024年09月 | 平均: 5.00点 | 書評数: 2件 |
![]() 文藝春秋 2024年09月 |
No.2 | 4点 | レッドキング | 2025/03/01 12:05 |
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ライムシリーズ第十六弾。「チャールズ・ヴェスパシアン・ヘイルがNYにやって来たのは、リンカーン・ライムを殺すためであった」・・・ついに来てしまいました「ウォッチメーカー最後の事件」。長年、そろそろだと思ってはいたが・・・お別れは突然にやってきて、すぐにすんでしまった。ウォッチメーカー最後の陽動は、必殺凶器「フッ化水素酸」と大型クレーン倒壊惨事を利用したスクリーンプレイ。初っ端から、Who(= ウォッチメーカー)、Why(= ライム殺し)を声高に謳うため、その後のツイスト展開、ネタは派手なのに驚き効果はギクシャクしちゃって、そこは残念。シリーズのラスボス、ライムのモリアーティ、その最後は、ライムとの以心伝心の元に、ニヒリズムの海に沈む、静かなる落陽であった。
※ところで、このシリーズ、次作からは「ウーマンX」てのがラスボスになんのかな? 愉しみ(^o^)丿 |
No.1 | 6点 | HORNET | 2024/10/31 22:47 |
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高層ビルの建設現場で突然、大型クレーンが制御不能になり倒壊した。コムナルカ・プロジェクトと名乗る犯人から、都市開発計画を中止する要求があり、中止せねば事故は続くとの犯行声明が。捜査を依頼されたリンカーン・ライムは、微細証拠の分析と推論から恐るべき結論にたどり着く。「犯人は、ウォッチメイカーだ―」…長きに渡って対峙してきた科学捜査の天才と稀代の犯罪者が、ついに決着の時を迎える―
裏の裏まで読み通して、犯罪を計画・遂行するウォッチメイカーことチャールズ・ヘイルと、その裏の裏まで読み解くライム。因縁の2人の最後の対決は、ビル上にそびえる大型クレーンの倒壊という、今までにない舞台設定で魅力的に始まった。ライムの仲間たちが抱える別件の事件捜査が同時進行で進み、やがては交差していく展開も最近の本シリーズではお馴染み。相変わらず退屈さを感じさせない展開で、前半は引き込まれて読み進められた。 だが、「ライムとウォッチメイカーの最終対決」ということで腕によりをかけすぎたか、後半に行くにつれて事件(物語)の構造があまりにも複雑に。お決まりの「どんでん返しに次ぐどんでん返し」の二重三重構造も、真犯人(事件の黒幕)の意外性は確かにあったが、動機がなんだったのか、イマイチしっくりと理解できていない。 作中では、ライムが自身の後継者にロナルド・プラスキーを指名する件があった。今後は主人公を変えて第2シリーズのようになっていくのだろうか。興味深い。 |