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[ 本格/新本格 ]
誘拐
百谷泉一郎弁護士シリーズ
高木彬光 出版月: 1961年01月 平均: 7.22点 書評数: 9件

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1961年01月

光文社
1973年01月

KADOKAWA
1973年10月

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No.9 7点 測量ボ-イ 2018/11/03 14:45
地味な法廷ものかと思わせる序盤でしたが、意外な展開でした。
まあ犯人の意外性はそうでもないし、オチは刑法の知識がないと推測
できないですが、リ-デビリティがあり、楽しく読ませるのはさすが
に巨匠の手腕。

No.8 6点 いいちこ 2015/11/05 20:46
身代金の受け渡しという誘拐の急所を華麗にクリアしたプロットは流石の一語。
一方、真相のサプライズが弱い点、犯人特定のプロセスが完全に論理的ではなく反則スレスレの手段に及んでいる点が難。
犯人を待ち受けていた法律の落とし穴は初歩的なもので、驚くには至らない。
リーダビリティとサスペンスにも良さを感じさせるものの、総合すれば小粒な印象は否めない

No.7 6点 斎藤警部 2015/06/23 00:23
本人が何度も傍聴に出掛けたと言う裁判の取材記事ばっかじゃないか、とも思うがやはりサスペンスのキープ力は流石。
だがちょっと真相、というか真犯人の設定に不満有り。 当てこそしなかったものの、意外性のカタルシスは薄かったな。。(真犯人のあぶり出し手段はかなり意外でしたが!)

No.6 8点 ボナンザ 2014/12/16 16:03
これは正に白昼の死角と並ぶ高木の非本格の名作と言えるでしょう。
東大法学部卒だからこそできる自由自在な法律の採用、奇想天外なストーリー展開、大多数の登場人物のリアルな道徳観念の欠如・・・。
必読。

No.5 8点 tider-tiger 2014/05/26 16:56
これは完全に騙されました。
ここまで見事に騙されると気持ちがいい。
誘拐を扱った小説としてはピカ一ではないかと思います。
誘拐において犯人側が直面する最も困難な問題は身代金の受け渡し。不確実ではあるが、安全な方策を取る犯人、だが、しかし、犯人の狙いは……。
自分は人形と誘拐が高木彬光氏の二大傑作だと思っています。

No.4 8点 蟷螂の斧 2012/09/16 15:00
誘拐された子供の生死を確認しようとしないで、身代金を渡してしまうのは誘拐物語としてどうなのか?そして金銭の授受方法も、完全犯罪を狙う犯人としてはズボラでありすぎるのでは?と疑問だらけでしたが・・・。裏があったのですね。やられました。犯人逮捕へ向けて、弁護士の妻の仕掛けにはビックリ(賛否分かれる?)。まあ、妻は「投機の鬼」なのでいいのでしょう。そして、犯人にとっての意外な法律の罠(落とし穴)が用意されたり、また犯人は犯人で逮捕された時の準備を怠りない(前半の法廷場面が以外と長い~伏線)など楽しめました。

No.3 8点 bookmaker 2012/05/28 06:04
誘拐犯との電話での駆け引きや身代金の受け渡しといった誘拐もののお約束の場面に仕掛けられたトリックが(当時としては?)秀逸な古典の秀作です。容疑者を特定する方法もユニークで、時代を現代に移してドラマ化しても面白いものが出来るのではと思います。

No.2 7点 kanamori 2010/09/10 18:05
弁護士・百谷泉一郎(夫婦)シリーズの3作目。
犯人を「彼」と表記した変則倒叙形式の第一部が効いています。別の誘拐事件の裁判を傍聴し、自身の犯罪の参考にする訳ですが、最後の最後に犯人が採った究極の自己防衛に繋がる伏線が張られていたりします。
第二部以降、誘拐が実行された後の警察の捜査状況は、再読ということもあり少々スリルに欠け、容疑者候補を多数登場させる点も意図が分かり易く感じました。二度目の東京駅での身代金受渡しのエピソードなどほとんど意味がないように思えます。また、百谷明子が採った傍聴人に対する思い切った手段はなんら根拠がないですね。発見されない罪体に関わる法的陥穽は、皮肉に満ちていて面白かったですが。

No.1 7点 2009/01/18 19:15
この作品の誘拐犯は、現実に起こった誘拐事件の裁判を傍聴して、自分の計画を練ったという設定です。その時、裁判所のトイレで百谷弁護士と一瞬出会うのですが、その顔を最後に百谷弁護士がなんとなくでも覚えていたというのは、いくらなんでも記憶力が超人的過ぎると思えます。
まあ、それはともかくとして、この裁判傍聴は別の意味でもキーになっていて、百谷夫妻の思い切った調査法には驚かされました。また、ある「偶然」の使い方も、似た発想がなくはないのですが、このような形で犯行計画に取り入れられたのは非常に珍しいのではないでしょうか。大胆な構成でありながら、細部も緻密に作られた作品でした。


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