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[ 本格/新本格 ]
死を開く扉
神津恭介シリーズ
高木彬光 出版月: 1957年01月 平均: 6.00点 書評数: 4件

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東京文芸社
1957年01月

浪速書房
1959年01月

桃源社
1965年01月

光文社
1974年01月

KADOKAWA
1975年10月

No.4 6点 人並由真 2023/03/13 07:07
(ネタバレなし)
 昭和32年の夏。推理作家の松下研三は福井県小浜に避暑旅行し、同地に在住する東大時代の旧友で開業医の福原保の家にやっかいになる。そこで松下は福原から、インターンの若者でミステリマニアの柿原雄次郎を紹介された。さらに福原は、近隣に住む財産家で、四次元の世界に傾注し、外に何もない二階の壁に扉をこしらえた風変わりな「四次元の男」こと、林百竹の噂を語った。そしてその直後、くだんの林家で、謎の密室殺人が発生する。

 トリック自体はかなり有名で、何十年も前から知っていた。たしか小林信彦か誰かが知識自慢し、ミステリとは必ずしも関係ないジャンルのフィクションの中で同一のギミックが使われていたので、その類似を指摘し、ネタバレするという罪深いアホなことをしていたのだと記憶する。
(ちなみに現在、Twitterで本書の題名を検索すると、トリックの関連性のある&あるらしい? 別作品の題名を羅列し、得意になっている××がひとりいるので、注意のこと。)

 トリックだけの作品、という評価には特に異論はないが、昭和の時代に先行して誕生した新本格パズラーみたいな全体の雰囲気は、けっこう楽しい。
 犯人については、こういう文芸なら誰でもいいんじゃないかとも思ったが、一応の伏線は張ってあるのか? まあ必然的にそうなるというよりは、蓋然性でそういうことになってもよいのだろう、程度の絞り込みだが。

 松下研三がいきなり? 結婚していて軽く驚いたが、『白妖鬼』で付き合っていたガールフレンドとは名前が違うので、そっちとは別れたのち、こっちの奥さんとくっついたということになるのか。どっかでシャーロッキアン的な研究とかも読んでみたい。

No.3 6点 monya 2010/10/23 23:59
トリックは面白い
今は心理的なトリックを主題にされているが、このような物理的で成程とさせてくれるトリックは実に良いと思う
ただ、トリックを抜いたら後は高速で事件の糸口を掴んでしまう天才神津恭介くらいしか見どころが無いのも確か
著者一流の文章でスラスラと読ませてくれるのでありがたいが

No.2 6点 文生 2010/01/23 14:13
密室トリックはユニークだが、それだけの作品。
密室ものが好きな人はどうぞ。

No.1 6点 nukkam 2009/01/26 16:10
(ネタバレなしです) 1957年発表の神津恭介シリーズ第7作で密室にこだわり抜いた本格派推理小説です。密室殺人トリックは実現性にやや疑問があるような気もしますが(実現してもすぐにばれるでしょうし)アイデアとしてはなかなか面白いです。でももっと印象に残るのが密室放火トリックの方でした。すごく簡単に実現できそうですね。(仮に実現可能だとして)模倣実行犯が出ないことを切に祈ります(笑)。ワトソン役の松下研三は相変わらず役立たずですが今回はちょっと同情したくなります。神津の伝言があれではねえ。


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