皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格/新本格 ] 霧の罠 近松検事シリーズ |
|||
---|---|---|---|
高木彬光 | 出版月: 1968年01月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
光文社 1968年01月 |
光文社 1973年01月 |
KADOKAWA 1977年03月 |
光文社 2000年08月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2010/11/17 21:19 |
---|---|---|---|
近松茂道検事が活躍する長編第3作は、第1容疑者の設定が最大のポイントになっています。非常に疑わしい人物なのですが、本当に犯人なのかどうか。犯人であるにしてもないにしても、登場人物も非常に少ないですし、裏にどのような状況が隠されているのか、ミステリとしてどこにサプライズを持ってくるのかが問題になります。最後に明かされてみると、さすがに納得のできる筋書きになっています。
全体の流れを後から振り返ってみると、主役は検事であるにもかかわらず、むしろ弁護士的なところもあり、両方の役を兼任しているようなストーリーとも言えそうだと思いました。グズ茂の異名をとる慎重さが、このような役柄を可能にしているのでしょう。いや、本職の弁護士も登場するんですけどね、この弁護士も近松検事の非常にオープンな流儀には面食らっています。 山口警部の視点から書かれた部分がかなりありますが、近松検事に対する彼のぼやきがなかなかユーモラスです。 |