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世界ミステリ作家事典[ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇]
森英俊編
事典・ガイド 出版月: 2004年01月 平均: 8.00点 書評数: 3件

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国書刊行会
2004年01月

No.3 7点 nukkam 2021/05/06 14:35
2004年発表の本書は「世界ミステリ作家事典 [本格派篇] 」(1998年)と同等、むしろこのジャンル(つまり本格派以外)に焦点を当てたという点で希少性では上回るのではと思います。但しTetchyさんがご講評で述べられているように本格派篇とは温度差があるように感じます。本格派篇の方ではそれぞれの作家のここがいいんだというアピールに熱意があり本格派ファン読者を開拓しようという意気込みまでが伝わってきたのですが、ジャンルの幅が広がった本書が分業制で制作されたのはやむを得ないにしろ、本格派篇のような熱意は少ないように思います。まあ私自身が本格派篇や本書と出会う以前から本格派ばかりを追い求めている偏屈な読者なので、本書に対する姿勢がどこか冷めていたのも否定できませんけど(笑)。

No.2 7点 Tetchy 2011/11/06 23:15
前作はまさに労作という感が強かった。というのも日本未紹介作家もふんだんに紹介され、その後の論創社ミステリ叢書の刊行や国書刊行会の世界探偵小説全集の創刊に繋がる偉業となったからだ。
しかし同じシリーズでも本書においては[本格派篇]に比べるとエポックメイキング度が落ちるように感じてしまった。

まず前作が森氏一人の手によるまさに長年の労作であったのに対し、本書は複数の執筆者に依頼し、それを森氏が編集するという分業体制で作られていること。これが前作に比べるとそれぞれの作家の紹介文に個人差が見られ、温度差を感じてしまった。
またハードボイルド、警察小説、サスペンスと広範に亘っているためか、どうも紹介されていない作家がいるように気がしてならない。例えばジョナサン・ケラーマンは紹介されていてもその妻のフェイ・ケラーマンは収録されていないし、トレヴェニアンもミッチェル・スミスも入っていない。
ネルソン・デミルやデイヴィッド・マレルやブライアン・フリーマントルといった作家が無いのは作家事典シリーズで今後冒険小説・国際謀略小説篇が編まれるかもしれないが、とにかく思いつくだけでもかなり割愛されているように感じてしまう。
こういう帯に短し襷に長し的な仕事をするのであれば、3つのジャンルのうち2つに絞ってもっと掘り下げた内容で刊行してほしかったというのが本音だ。

また刊行されたのは2003年だがその後未刊行のハードボイルド、警察小説、サスペンス小説の紹介が促進されたという感触が無い。これが本書をさらに前作よりも一段劣っていると感じる所以だ。

しかし文句ばかり云ってもしょうがない。そうは云っても大変な労作であるのは間違いが無い。こういう仕事は誰かがやらなければならなかったことで、その苦労と労力を考えるとなかなか二の足を踏むような仕事である。そこに敢えて踏み込み、また旗振り役の森氏に賛同して編集に参加した執筆陣の志の高さは賞賛すべきだろう。

No.1 10点 mini 2010/11/19 09:51
他の某サイトの掲示板にて、”本格以外はミステリーじゃないだろ”みたいな馬鹿げた書き込みを見た事があるが、ミステリーという言葉は本格派のみを指す言葉ではない
数学的に言えば本格=ミステリーではなくて”本格⊂ミステリー”である
という事で本格派篇の姉妹篇であるこちらも書評しておこう
この姉妹篇では本格派篇とは大きく違う要素が2つある

1つ目は、本格派篇では森英俊氏が個々の作家の解説を全て書いているのに対して、こちらは森氏が全体の監修はしてはいるが、複数の評論者による共同作業でありジャンルによって執筆担当者が違う
森氏は、”本格以外だと探偵役がはっきりしている警察小説が好き、逆に登場人物に感情移入が必要なサスペンス小説は苦手”と何かで書いているのを読んだ記憶がある
言われてみると過去のこのミスの投票で、森氏はイアン・ランキンなどの警察小説を結構投票してきた、やはり好きみたい
この事典でもマクベインなど警察小説の多くは森氏自身が解説を担当している
警察小説以外のジャンルは概ね他の執筆者に担当を任せているが、サスペンス小説でもラインハートやエバハートなどの所謂H.I.B.K派は森氏が担当している
H.I.B.K派は従来から誤解を招き易いジャンルだったので、森氏も説明の要有りという判断なのかも知れない

2つ目は本格派篇に比べると載ってる総作家数が絞り込まれてる
本格派にもジョン・ロードのような多作家は居るが、何たってこちらにはシムノンやミステリー史上最多作作家とも言われるジョン・クリーシーなどが含まれているので、書誌的著作リストなど資料部分にかなりのページ数が割かれてしまい、マイナー作家まで掲載しきれなかった事情が有る
特に割を食った感じなのは通俗B級ハードボイルドの分野で、ぎりぎりリチャード・S・プラザー程度は掲載されているが、流石にヘンリー・ケインやマイクル・アヴァロンあたりまでは手が回らなかったようだ
余談だが、通俗ハードボイルドまで手を出す論創社がリチャード・S・プラザーは刊行したのはこの事典に一応載ってたからなんだろうか?

ただ本書は本格しか読まない読者と、本格以外も読む読者とでは、価値観に差が出てしまうのが残念なところ
私はこの姉妹篇も本格派篇に劣らぬ同等の価値が有ると思うのだが
ところでもう一つ本格派篇との差異は未紹介作家が殆ど掲載が無い事で、当然ながら未訳作品の紹介も少ない
私は未訳作に特別に興味は無いな、むしろ過去に邦訳刊行されながら絶版などで埋もれている作品の再評価の方が興味がある
未訳作をわざわざ原文で読まなければその作家について知る事が出来ない訳でもないだろう、未紹介作家ならともかく既訳作品が2~3作でもあれば凡その見当は付く
そもそも原文で読まなくても作家について解説で知る事が出来る、その為にこういう作家事典があるんだろうに、でなけりゃ作家事典の存在意義が無いではないか(笑)
好きな作家の未訳作まで読みたいという動機ではなくて、単にその作家について知りたいだけの目的なら作家事典さえあれば原文で読む必要も無かろう


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