皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100 ミッキー・フリードマン編 |
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事典・ガイド | 出版月: 1996年09月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
ジャパンミックス 1996年09月 |
No.2 | 5点 | 斎藤警部 | 2017/09/14 01:19 |
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1995年の本。内容詳細については蟷螂の斧さんの書評を御参照いただきたく存じます。
ミステリ総合人気投票トップ100に日本ではプレゼンスの低いトニイ・ヒラーマンがやたらランクインしてるのを見、そうかこれは米国だ、全世界じゃないんだと納得しちゃったりなんかして。 後半、サブジャンル別の実作家エッセイ、これが良い。ハードボイルド篇(スー・グラフトン)と犯罪小説篇(リチャード・コンドン)は、憂愁の犯罪大国アメリカならではのその癒しの効用を高らかに謳い上げる(前者の方は、加えて黄金時代~現代のその役割の変遷を見事に言い当てる)。ユーモアミステリ篇(グレゴリー・マクドナルド)の深く詩的な洞察もおなかに沁みた。 ランキングの話に戻ると、アガサ・ドロシー・ナイオの英国三人娘がやたら幅を利かせているのも印象的でした。(ふた昔以上も前とは言え)現代の米国なのに。 |
No.1 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2013/10/03 20:44 |
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1995年、アメリカ探偵作家クラブ(ミステリの著作を発表している作家200名)が選んだベスト100。選出方法は、ジャンルを①古典②サスペンス③ハード・ボイルド、探偵④警察⑤スパイ、スリラー⑥犯罪⑦本格推理⑧歴史ミステリ⑨ユーモア・ミステリ⑩法廷とし、ジャンルごとに5作品を投票。結果、2090作品、880人の作家が選ばれ、総合ベスト100、並びに各ジャンルのベスト10が発表されたもの。本邦「東西ミステリーベスト100(2013年版)」のベスト10のうち、「Yの悲劇・エラリー・クイーン」(2位)「幻の女・ウイリアム・アイリッシュ」(4位)「火刑法廷・ジョン・ディクスン・カー」(10位)の3作品はランクインしていないという結果。日米の嗜好の差か?。米ではハード・ボイルド、スパイものが好まれている印象。なお、冒険ものは、ミステリーのジャンル外らしい。各ジャンルの1位は、①古典「シャーロック・ホームズ・シリーズ」(アーサー・コナン・ドイル)②サスペンス「レベッカ」(ダフネ・デュ・モーリア)③ハードボイルド・探偵「マルタの鷹」(ダシール・ハメット)④警察「死者の舞踏場」(トニイ・ヒラーマン)⑤スパイ・スリラー「寒い国から帰ってきたスパイ」(ジョン・ル・カレ)⑥犯罪「ゴッドファーザー」(マリオ・プーヅォ)⑦本格推理「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティ)⑧歴史「時の娘」(ジョセフィン・ティ)⑨ユーモア「フレッチ/殺人方程式」(グレゴリー・マクドナルド)⑩法廷「推定無罪」(スコット・トゥロー)。本格ものジャンルでは、アガサ・クリスティがダントツ。上位20作品のうち8作品がランクイン。次に、ドロシー・L・セイヤーズが5作品。9位に「三つの棺」(カー)18位「災厄の町」(クイーン)となっている。その他、好きな作家、探偵、凶器、ミステリ映画などのアンケート結果も掲載されている。凶器では第1位が好きなダールの「冷凍の小羊の脚」で思わずニヤリ。本書のきっかけは、総合24位に「罪と罰」(ドストエフスキー)がランクインしており、本サイトでの書評ではミステリー分類に?マークがあったことより、興味を持ったものです。以下、関連文を参考までに記載。≪ミステリ史上の最高傑作といえば?もちろん『ナイン・テイラーズ』に決まってるわ。ちょっと待った、断然『時の娘』だよ。おいおい、『マルタの鷹』を忘れちゃいないか?いや、むしろ『バスカヴィル家の犬』をあげるべきだろうね。それじゃ『罪と罰』は?これもミステリよ。(中略)ただ愛好家同志あれこれ言い合っているだけでも楽しいものだ。≫≪『月長石』は、推理小説の枠内におさまりきらない小説でもあり、トップテン(古典部門)入りした作品の半数にも同じことがいえる。たとえば、『白衣の女』、『罪と罰』、『吸血鬼ドラキュラ』、『螺旋階段』、『エドウィン・ドルードの謎』もまた然り。これらは犯罪小説というより、むしろ謎という引き綱をつけた純文学である。私見を述べれば、両者の違いは、純文学がなにより観念を表現することを主眼としてかかれるのに対し、ミステリは、まず読者を楽しませることを第一主義とし、二次的な狙いとしてさまざまな観念を盛り込んで読者をひきつけるところにある。検査官(アメリカ探偵作家クラブの意味)は、純文学をリストから除外しようとするだろうか?いや、そんなことはない。たとえばドストエフスキーがラスコーリニコフというひとりの学生の恐ろしい心の起伏を推理小説とはまったく異なる目的で描いたのだとしても、『罪と罰』はやはり、後世の推理作家たちの尊敬すべき手本と位置づけてよいと思われる。というのも、1920年代から40年代までの流れがどうであれ、今日では、ほとんどの推理小説が純文学の要素をふんだんに持ちあわせているからである。・・・≫同感です。 只今、「レッド・オクトーバーを追え」(未読・ショーン・コネリー主演の映画は観た)の著者トム・クランシー氏の訃報がニュースで流れました。合掌。 |