皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
本格ミステリ鑑賞術 福井健太 |
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事典・ガイド | 出版月: 2012年03月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 2件 |
東京創元社 2012年03月 |
No.2 | 6点 | 蟷螂の斧 | 2013/08/28 18:14 |
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第13回(2013年)本格ミステリ大賞・評論・研究部門受賞作。「フェア・アンフェア」「伏線」「叙述」に興味があったので拝読。伏線のネタバレ例示があり、わかりやすいし、面白い。結局は読者がどう判断するかということになるのでしょう。読者にはマニアックな人から普通のファンまでいるので、作者はどの辺まで記述するのか苦労するのだと思います。個人的には伏線がしっかりしていればOKなタイプです。本書にも「いかに奇抜な発想やトリックを盛り込み、アンフェアでない形で記述したところで、伏線が弱ければその効果は弱まるだろう(それはフェアプレイに値しないともいえる)」とあります。同感で普通のファンである私的には「ハサミ」「容疑者」がこれに該当し(2作品のファンには失礼します)、「葉桜」はまったくOKということになります。・・・著者の「ミステリ史に残る最後の一行」として~「○○を殺した犯人は?」これを逆から読むと犯人の名前がわかる~これは単なる言葉遊びで言い過ぎでしょう(笑)。 |
No.1 | 6点 | kanamori | 2012/07/23 21:31 |
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本格ミステリの”読みどころ”を技術論を交えて多角的に紐解いたガイドブック。
テーマは、「フェアかアンフェアか」「伏線の妙味」「ミスディレクション」「犯人特定のロジック」から、「解決の多重性」「叙述トリックの鬼子性」「メタミステリの開拓性」など、本格ミステリのあらゆる要素について、具体的に多くの作品例を取り上げて解析しているので、分かりやすい上に非常に刺激的な内容になっています。特に「フェアかアンフェアか」が個人的に示唆に富む興味深い内容でした。 ”具体的に作品例を取り上げ=ネタバレのオンパレード”になるわけで、各章の冒頭に該当作品名を明示しているのですが、その中に未読本があっても関係なく読み進めてしまう面白さがあります。 |