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[ 本格/新本格 ]
乱れからくり
泡坂妻夫 出版月: 1977年12月 平均: 7.60点 書評数: 40件

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1977年12月

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双葉社
1997年11月

No.20 5点 いいちこ 2011/12/23 19:45
トリックは素晴らしいしプロットもよく練られている。
しかし、からくりのウンチクが長すぎてスピード感に欠ける、ねじ屋敷の設定が特異すぎて何が出て来ても素直に驚けない点でこの評価

No.19 8点 2011/09/21 22:04
最初から最後まで(目次も含め)、まさにからくり尽くし。
この薀蓄披露は再読してみると、記憶にあったあいまいな印象よりもかなり楽しめました。第6章では、機械人形に関して「ジョン・ファンリー卿殺害事件」なんて言葉もさりげなく出てきたりして。これはカーを読んでいないと、何のことだかわかりませんが。それだけでなく、再読で全体的に前回より評価の上がった作品です。
発端の隕石が車を直撃する事故は、嘘っぽい偶然の介入を嫌う人は否定するでしょうが、最後まで読んでみると、なかなか意味深です。泡坂妻夫らしく、いたるところに暗示的な伏線が張り巡らされているところにも、感心させられます。事件関係者のほとんどが死んでしまって、それでも犯人がなかなかわからないだけでなく、終盤になって読者に考え込ませる余地を与えないスピーディーな展開にするという技も、見事なものです。
それにしてもこんな凝った作りのパズラーが直木賞候補になったというのも、珍しいでしょう。

No.18 7点 りゅう 2011/01/16 21:42
 登場人物が次々と死んでゆき、真棹に容疑が向けられた時、まさかこのままで終わるわけないよねとは思いましたが、どういう結末を迎えるのか全く予測できませんでした。この犯人の設定は斬新ですね。伏線はあちこちに張られていますが、さりげなさすぎてその意味に気付きにくいです。4つの殺人いずれにも「からくり」が使われていますが、その手法を推測することは難しい。特に最後の殺人の手法は引っかけみたいなもので、わかるわけがありません。作品のテーマである「からくり」が、うまく真相に結びついているのはお見事です。

No.17 7点 itokin 2010/11/16 09:29
意外な犯人、大掛かりなトリック、謎解きの構成など惹きつけられた。ただ、からくりの種々の解説が長いのと、横恋慕、隕石に違和感を感じた。

No.16 8点 kanamori 2010/07/30 18:43
冒頭の隕石のエピソードに始まり、ねじ屋敷のからくり尽しと五角形の迷路などが結構ツボで惹きこまれました。
プロット全体を蔽う仕掛けも独創的で、意外な犯人像が強烈です。
惜しむらくは、殺人手段が(止むを得ない面かもしれませんが)やや陳腐なことと、探偵コンビが少々魅力に欠けるように思いました。

No.15 8点 メルカトル 2010/05/24 00:55
さすがに犯人の正体は最後まで気付かず。
それにしてもこの作者の頭の構造はどうなっているんだ、脱帽だよ。
冒頭から物語に引き込まれる事間違いなし。

No.14 8点 kowai 2010/02/14 14:45
からくりの蘊蓄が長いのと、隕石の必然性(というか現実性?)がない分、減2点。下手をすると横恋慕で減1点とするところですが、まぁ、結末で相殺ということで。全体的にはとても楽しめました。

No.13 7点 okutetsu 2010/02/13 20:48
論理的な推理が展開されていて良かったですね。
しかもかなり細かくヒントが散りばめられてるので気が抜けません。
ただ最初の隕石が唐突すぎたのと登場人物に魅力を感じなかったのが残念。
結論には納得しています。

No.12 8点 E 2009/12/23 12:29
影に張り巡らされた「からくり」。
動き出したらもう止まらない「からくり」に恐ろしさを感じました。

No.11 7点 E-BANKER 2009/08/30 00:35
作者の長編代表作とも言える作品。
日本推理作家協会賞受賞作。
~玩具会社の部長馬割朋浩は降ってきた隕石に当たり命を落としてしまう。その葬儀も終わらないうちに彼の幼児が誤って睡眠薬を飲んで死亡する。さらに、死神に魅入られたように馬割家の人々に連続する不可解な死。一族に秘められた謎とねじ屋敷と呼ばれる同家の庭に作られた巨大迷路に隠された秘密を
巡って男勝りの女性探偵と新米助手の捜査が始まった~

実に泡坂氏らしい作品で、遊び心満載で楽しませてくれます。
まず、冒頭、隕石に直撃されて死ぬというミステリーではあり得ない設定!
そして、終盤は「ねじ屋敷」ですよ。いかにも何か仕掛けがありそうで、やっぱりあった。
作品全体としては、まさにタイトルどおりで、からくりが乱れるわけですが、真相に迫るのは割合簡単だったかもしれません。
これって言ってみれば、「究極の遠隔殺人」ではないでしょうか?
(ちょっとネタバレっぽいかもしれませんが・・・)
惜しむらくは、「隕石殺人」があまり本筋と関係ない点ですかねぇー

No.10 7点 2009/08/08 17:28
さすがに犯人は、最後までわかりませんでした。
他の人と違ってからくり玩具の蘊蓄が楽しめました。

No.9 8点 nukkam 2009/06/09 10:44
(ネタバレなしです) デビュー作の「11枚のとらんぷ」(1976年)が極めて精密に構築された本格派推理小説の傑作だったので、次作を書くのは相当なプレッシャーがあったと思いますが1977年に発表された長編第2作の本書もまた傑作と評価されるにふさわしい出来ばえでした。序盤は少々取っ付きにくく、からくりの薀蓄も空回り気味に感じましたがどんどん勢いがついてページをめくるのももどかしくなりました。大胆な仕掛けが何重にも用意された、まさにタイトル通りの真相には本当に驚かされます。中盤からは人間描写にも配慮するようになり、単なるトリック小説に留まっていないのは作家としての進歩だと思います。

No.8 7点 測量ボ-イ 2009/05/04 10:25
ちょっと偶然に頼りすぎているきらいはあるものの、
「意外な犯人」の設定等、泡坂氏ならではの世界が
楽しめる作品です。

No.7 9点 dei 2008/09/08 21:54
大満足。薀蓄もフェアプレイのために必要なもの。

No.6 10点 こう 2008/05/11 23:51
泡坂作品は初期作などは個人的には傑作ぞろいと思っています。いずれも読者に対して何らかの仕掛けをほどこしているのが好きです。(生者と死者やしあわせの書は極端な例ですが)
ただ仕掛けにより犯行が不自然に見える作品もありますがこれが一番無理がないかなと思います。意外な犯人もあり個人的には泡坂長編ではベストと思います。初期のほとんどが絶版の今では手に入りやすいこの本から手にとるのをお薦めします。
亜愛一郎や 曾我佳城などの短編も味わい深いですが趣向を凝らした長編が個人的には好きです。

No.5 8点 VOLKS 2008/01/24 09:41
謎解きの部分だけでなく、人物描写やからくり玩具の歴史など、読み応えのある作品だった。犯人・殺害方法などは割と容易に解ってしまう感もあったが、読み手を飽きさせない文章が素晴らしいと感じた。

No.4 6点 マニア 2008/01/23 00:36
「乱れからくり」という題名の、ぴったりそのものズバリなところに感心!犯人、トリックにそのテーマが行き届いて丁寧に作られている感じ。解決編はワクワクしながら読めた。

でも、からくり玩具の蘊蓄が多すぎてクドイ感じがして、興味のない自分にとって読むのが苦痛な場面もあった。

No.3 10点 レイ・ブラッドベリへ 2007/11/17 00:04
 僕がこの作品を読んだのは、もうずいぶん前のことです。しかもその後、持っていた本を処分したため、細部はスッカリ忘れてしまっているのですが、それでも「今までに読んだことのなかった新しい犯人パターン」に、ビックリした記憶があります。(探偵小説を読んでいて、最後の解決編で探偵役から「こいつが犯人だ」と指摘されると、「えーッ、だって、そいつは〇〇じゃないか!」と叫ぶことがあります。まさに、この作品もそうなのです。「エッ! だってそいつは…」)
 
 これは全くの想像なのですが、作者はあるとき天啓として、この「新しい犯人パターン」を得たのだと思います。(良かれ悪しかれ、とにかくこの途方もないアイディアを、まず思いついてしまったのです。)そしてその次に、着想したアイディアを、ミステリとして成立せしめるプロットを考えだし、さらにそのプロットに最もふさわしい「からくり」という意匠を与えたのではないのでしょうか。
 こうして完成した、すみずみまで計算し尽した物語に対し、作者は皮肉にも、隕石事故という現実には絶対に生じない、ありえない事件を設定して、からくり始動のスイッチを押すのです。そして、このような偶発的な事件が引き起こした結果について思いやると…。
僕はそこに、作者がこの物語に込めた「確固たる神意」を思ってしまうのです。

No.2 8点 ぷねうま 2007/11/14 10:45
「意外な犯人」ものとしては他に読んだことがなかったパターン。
物語として本当にからくり細工のような美しい構成とストーリー展開である。

No.1 7点 Tetchy 2007/10/23 19:15
冒頭の隕石の落下によって死ぬという突拍子もない導入部には俄然引き込まれたが、それ以降はあまり食指が動かなかったなぁ。


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