海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 本格/新本格 ]
毒薬の輪舞
海方・小湊シリーズ
泡坂妻夫 出版月: 1990年04月 平均: 5.80点 書評数: 10件

書評を見る | 採点するジャンル投票


講談社
1990年04月

講談社
1993年09月

河出書房新社
2019年04月

No.10 7点 青い車 2019/11/01 19:41
 舞台が精神病棟ですが、出てくる人々の可笑しな狂い方をコミカルに描いているため、ジメジメとした感じはまるでありません。そして本作の見どころは何といっても「正常と異常の逆転」とでもいうべき奇妙な論理を見せる終盤の畳み掛けです。シリーズ前作よりトリッキーさも増しており、泡坂妻夫らしさは健在であることが窺われます。

No.9 5点 ボナンザ 2016/10/08 23:23
前作に引き続き泡坂にしてはやや乱暴な出来。
ユニークなところも多々有るのだが。

No.8 5点 E-BANKER 2016/07/30 22:02
「死者の輪舞」に続く、「~輪舞シリーズ」の二作目がコレ。
警視庁特殊犯罪捜査課刑事・海方が探偵役を務めるのは前作と同様。1990年発表。

~青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件。自称“億万長者”、拒食症の少女、休日神経症のサラリーマンなどなど・・・果たして殺人鬼は誰なのか? 患者なのか? それとも医師なのか? 病人を装って姿なき犯人の行方を追う警視庁の名物刑事・海方の活躍。全編、毒薬の謎に彩られた蠱惑的ミステリー~

何とも独特の雰囲気or作品世界を纏った作品。
これが「泡坂らしい」と言われればそうなのかもしれないが、これが“初泡坂”という読者がいたら、何とも可哀想な気がする。
そんな感想。

精神病院という舞台設定で、登場する患者は全員一癖も二癖もある奇妙な人物ばかり。
探偵役の海方やその相棒までもが捻れた人物を装っているという作品世界だから、当然中途は何がなんだか分からないような展開が続いていく。
各章のタイトルも毒薬の名前で統一されているけど、それがプロットと絡んでいるかというと、そうでもないのだ。
毒殺事件も起こってるんだか、起こってないんだがよく分からん! って思っているうちにようやく発生するひとつの毒殺事件が事件解決の契機となる。

さすがに終章の「反転」(という表現でいいのか?)はうまくやられた感は残った。
まぁ予定調和と言えなくもないんだけど、だからこその舞台設定だなーという気にはさせられた。
この辺りはさすがの手練手管。

評価としてはどうかなぁ・・・
スイスイ読めるといえばそうなのだが、五里霧中のまま読まされている感がありすぎてどうも消化不良だった。
これを高評価するのは無理だな。
(前作は未読なので、一応気になる・・・)

No.7 2点 斎藤警部 2015/06/04 18:45
妻夫さんの長編だから期待したんだが、こりゃ詰まらなかったな。 精神病棟を舞台に面白い登場人物、印象深い人も出て来るんだが。。 琴線に触れそうで触れません。

No.6 7点 虫暮部 2014/11/25 13:18
 犯罪の物語というよりはスラップスティック・コメディであって、それだけに人死に無しで完結させられなかったものかという点が惜しい。

No.5 5点 蟷螂の斧 2012/11/17 17:48
舞台設定はそれなりに楽しめたのですが、小技が多く、ややインパクトに欠けた感じがしました。子供の登場、毒薬となると、エラリー・クイーンの某代表作をイメージしてしまいました。

No.4 7点 TON2 2012/11/04 20:26
(ネタバレ)
精神科の入院病棟が舞台です。毒を入れるトリックはたわいもないが、登場人物が非常に面白いです。
入院患者全員が、仮病だったとは。ユーモアにあふれ、陰惨な感じがしません。しかし、毒薬の説明のくだりはおどろおどろしさがあります。

No.3 6点 kanamori 2010/08/16 20:57
警視庁刑事・海方シリーズの第2弾。
病院の精神科を舞台に毒殺づくしの事件を描いていて、珍妙な入院患者の造形が絶妙です。登場人物たちの立場が逆転する構図がいかにも作者らしいと思います。ロジカルな解決編は、けっこう読み応えあり。

No.2 7点 こう 2008/07/24 01:45
 精神病院を舞台にしたミステリで登場人物、作風はまさに泡坂ワールドとしか言いようのない物で楽しめます。
 ただリアリティは他作品以上に乏しいのと殺人事件の真相が理論上はともかく実際うまくいくかどうか、という点が難点でしょうか。
 トリック(?)の雰囲気(?)としては乱れからくりを連想させます。 

No.1 7点 Tetchy 2007/10/20 08:30
輪舞シリーズ第2作(3作は出るのか?)。
精神病院を舞台にしているのになぜか軽妙。クイクイ読めた。


キーワードから探す
泡坂妻夫
2018年08月
夜光亭の一夜
2012年08月
泡坂妻夫引退公演
平均:5.50 / 書評数:2
2008年08月
織姫かえる
平均:4.50 / 書評数:2
2006年11月
揚羽蝶
平均:4.00 / 書評数:1
2006年04月
春のとなり
平均:3.00 / 書評数:1
2005年03月
蚊取湖殺人事件
平均:5.00 / 書評数:3
2004年08月
鳥居の赤兵衛
平均:5.50 / 書評数:2
2003年06月
奇術探偵 曾我佳城全集 戯の巻
平均:6.50 / 書評数:2
奇術探偵 曾我佳城全集 秘の巻
平均:6.33 / 書評数:3
2002年10月
飛奴
平均:5.50 / 書評数:2
2001年02月
比翼
平均:5.00 / 書評数:1
2000年07月
奇術探偵 曾我佳城全集
平均:7.85 / 書評数:13
1999年10月
泡亭の一夜
1999年04月
朱房の鷹
平均:6.00 / 書評数:3
1998年11月
鬼子母像
平均:5.00 / 書評数:1
1997年12月
亜智一郎の恐慌
平均:6.83 / 書評数:6
1996年12月
砂時計
平均:6.33 / 書評数:3
1996年09月
からくり東海道
平均:6.50 / 書評数:2
1996年05月
からくり富
平均:5.50 / 書評数:6
1995年05月
凧をみる武士
平均:6.33 / 書評数:3
泡坂妻夫の怖い話
平均:7.00 / 書評数:1
1994年10月
生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術
平均:6.25 / 書評数:16
1994年06月
自来也小町
平均:6.67 / 書評数:3
1994年04月
弓形の月
平均:4.50 / 書評数:4
1993年10月
恋路吟行
平均:6.00 / 書評数:3
1993年08月
夢の密室
平均:4.50 / 書評数:2
1993年07月
写楽百面相
平均:4.40 / 書評数:5
1992年05月
旋風
平均:4.00 / 書評数:3
1991年01月
雨女
平均:6.25 / 書評数:4
1990年10月
砂のアラベスク
平均:4.00 / 書評数:2
1990年04月
毒薬の輪舞
平均:5.80 / 書評数:10
1990年03月
黒き舞楽
平均:7.14 / 書評数:7
1990年02月
蔭桔梗
平均:6.67 / 書評数:6
1989年02月
びいどろの筆
平均:6.80 / 書評数:5
1988年07月
斜光
平均:4.86 / 書評数:7
1988年06月
花火と銃声
平均:6.50 / 書評数:2
1988年03月
鬼女の鱗
平均:5.33 / 書評数:3
折鶴
平均:6.75 / 書評数:4
1988年02月
奇跡の男
平均:5.78 / 書評数:9
1987年07月
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
平均:7.57 / 書評数:70
妖盗S79号
平均:5.70 / 書評数:10
1985年12月
猫女
平均:4.75 / 書評数:4
ダイヤル7をまわす時
平均:5.55 / 書評数:11
1985年05月
死者の輪舞
平均:5.67 / 書評数:9
1985年02月
ゆきなだれ
平均:7.50 / 書評数:6
1984年12月
亜愛一郎の逃亡
平均:7.24 / 書評数:17
1984年04月
花嫁は二度眠る
平均:5.73 / 書評数:11
1984年01月
ヨギ ガンジーの妖術
平均:6.31 / 書評数:13
1983年07月
妖女のねむり
平均:5.62 / 書評数:8
1982年07月
亜愛一郎の転倒
平均:7.41 / 書評数:22
1982年05月
喜劇悲奇劇
平均:6.18 / 書評数:11
1980年12月
迷蝶の島
平均:6.62 / 書評数:8
1980年11月
煙の殺意
平均:7.39 / 書評数:23
1980年01月
花嫁のさけび
平均:6.46 / 書評数:13
1978年11月
湖底のまつり
平均:6.48 / 書評数:27
1978年05月
亜愛一郎の狼狽
平均:7.26 / 書評数:39
1977年12月
乱れからくり
平均:7.60 / 書評数:40
1976年10月
11枚のとらんぷ
平均:7.27 / 書評数:41