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[ 本格/新本格 ]
姑獲鳥の夏
百鬼夜行シリーズ
京極夏彦 出版月: 1994年08月 平均: 6.92点 書評数: 165件

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講談社
1994年08月

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No.165 7点 雪の日 2022/03/30 18:37
好き嫌いが分かれる作品ですね。これを面白いと思った人は京極堂シリーズにもハマると思います。

No.164 6点 ミステリ初心者 2021/09/28 00:11
ネタバレをしています。分割文庫版を読みました。

 全体的にホラーや怪奇の色が濃い小説です。
 登場人物の多くがどこか変であり、事件の焦点である久遠寺の家族が一見まともなのですが物語が進むにつれて異様な感じになっていきます。最後には、タイトル通り妖怪の要素も絡みつつ、衝撃のあるストーリーで終わります。
 また、この小説には妖怪的な怪奇は起こっておりません(たぶん)が、榎木津が過去に起こったことを映像として見えるような、特殊能力?のようなものを持っています。また、それがミスリードにもなっております。
 京極堂による、妖怪や宗教や脳科学的な話はかなり長いです。私には難しい話もあったので、読了までかかってしまいました。京極堂の話が正しいかそうでないかはさておき、読んでいて興味深いものが多数ありました。苦痛ではありませんでしたし、また、伏線も多く含んでおり、ただの衒学では終わっていないのが良いところでした。

 推理小説的要素について。
 推理小説としてみた場合、登場人物に嘘つきや常識では考えられない行動をとる人がおおく、また精神が不安定だったり、記憶障害だったり、主観の関口すらその傾向があり、推理することは不可能かと思います。
 推理小説としてでなく、ホラーあるいは広義としてのミステリーとして読めば、読み物として面白かったです。

 総じて、ストーリーや怪奇的なものは乱歩っぽく、人間の汚いところは横溝っぽく、丁寧にちりばめられた伏線とミスリードはクリスティーのような小説でした(ちょっとほめ過ぎか…?)。
 やや現実的ではない要素が多いため、読者の推理が楽しめる小説ではなく、私の好みではないのですが、つまらなかったわけではありません。

No.163 2点 バード 2020/08/24 06:55
京極さんは『魍魎の匣』で、合わないかも、と思ったが案の定本書もダメだった。京極堂シリーズはもう読まん。

キャラものとしては好きな人がいるというのは分かる。木場や榎木津あたりは自分も良いキャラと思っているし。
ただ、本書の語り役の関口が無理。グジグジ女々しい上に、友人(京極堂や榎木津)の意図もほとんど汲めてなくて、なんなんこいつ?って感じ。終始イライラさせられた。

(以下ネタバレあり)

本書のメインの仕掛けは
・三重人格の犯人
・姉妹の人物誤認
・重要なものが視界に入っていても、認識できない(チェスタトンの例の作品の考え方)
あたりね。また、「信用できない語り手」の手法も取り入れられている。
ミステリ的にグレーな仕掛けを数多く採用しているにもかかわらず、本書はフェアだと思うし、論理的な破綻も無いと思う。その点は評価している。
しかし、本書ほど限定的な状況でしか成立しない特殊な事件だと、そもそも興味が持てず、退屈だった。フェア?論理的?だから何?、つまらないんじゃ意味がない。

No.162 8点 じきる 2020/08/23 17:54
ミステリとしてはかなり無茶なことをやってるが、それを成立させられるだけの緻密な構成力に感心させられた。
作品全体で見てこれだけの世界観を作り上げたのも凄い。

No.161 6点 ミステリーオタク 2020/08/09 13:59
んなんで○○はゼッテーできねえって。
でも前半延々と続く認識観念論は流石に圧巻。

No.160 6点 クリスティ再読 2019/08/12 19:59
夏!特集である。けどね、本作看板に偽りあり。事件が終わってやっと夏がくる(苦笑)。
人気作家、ということで少し読んでたんだが、3本目で「狂骨の夢」を読んでバカバカしくなって読むのをやめた。本作はまあ、意欲はあるからね、とりあえず次も読もうか、という気にはなった。改めて再読。本の厚さははっきりダテで、サクサク読める。事件密度が低くて冗長なんだよね。最初の病室訪問までで半分使ってるんだもの。京極堂のご高説は、まあ当たってるのが多いんだが、元ネタもあるなあ。宗教関連の話は理解不足と思う。よく勉強して書きました、感が強くて、それを超える狂気とかはない。奇説珍説に見えて、実のところ衒ってはいるが、穏当な範囲だと思う。
だから京極堂がウンチクるご高説をカッコイイと思うのは、評者はカッコ悪いように感じるな。まあ評者、解離性同一性障害とか大嫌いだしね。それよりも、憑き物落としに出陣する京極堂のファッションの決め具合の方が、ずっとナイスである。薔薇十字探偵もそうだけど、キャラのビジュアル設定にやたらとカッコよさがある。そういう小説だと思う。
で、問題の密室は、フェアとかフェアじゃないとか、って話ではないと思う。この趣向を実現するために、小説1冊を捧げてるわけだから、既存の物差しで合格・落第を判定するような読み方は、つまらないと評者は思うんだ。覇気があって、いいじゃないか。ただ、事件後の真相の解説はくだくだしいし、読者もイヤ~な気分になるような陰々滅々。やりたいんだろうけど、ここはサクッとまとめたら評者は評価のいいあたり。
というわけで、覇気を買うけど、小説としては無意味にクダクダしくて冗長かつ悪趣味。どうも評者嫌いなタイプの本なのを、以前は無理にでも評価して読んでた気がするな。まあ、いいさ。

No.159 7点 もち吉 2019/07/30 22:10
ミステリーという部分に関してはなかなか評価しづらい作品だ。
少なくとも、作者の謎掛けに対して頭を悩ませながら正答を予想するような作品ではないし、そういう作品を求める人には全く価値のない作品かもしれない。自分は別にその辺りに強いこだわりはなかったのでまぁ問題なく楽しめた。
物語に一応関係してくるとはいえやたらと薀蓄が多いのでそこは多少気になったが(なるほどと得心するものもあったがハッキリ言うと大半は退屈だった)、全体としてはかなり好きな部類といって良い。特に秀逸だと思ったのはプロローグの短文で、それだけでこの作品の出来が予感できるほどのものだった。
京極夏彦はなぜか難しそうなイメージがして避けていたが、この作者の作品への興味を持たせるには十分な出来だった。

No.158 9点 モンケ 2019/03/15 12:08
日本ミステリー史上の傑作だ。
もし単なる一人称記述で終わってたら、ただのバカミス(それはそれで凄い試み)で終わるところ、ある特殊人物を「証人」に添えることで、読者を欺く見事な「密室トリック」に仕立て上げた。

「探偵」と探偵が二人揃ってるってのも豪華。
ま、わからん奴には分からんだろがね。

No.157 6点 monica 2019/02/22 21:33
カバーの不気味さに興味がありながらも敬遠していた作品。

勇気を出して買ってみた。

まず知識量と筆力に圧倒された。

内容は無理があると分かっていながらも読まされてしまう力を感じた。

最終的に未読の作家にチャレンジする幸せを感じた。

No.156 8点 mediocrity 2019/02/21 23:42
魍魎の匣、鉄鼠の檻を先に読んだので問題なく楽しめたが、この作品から読んでたら2冊目に進んでいなかった気がする。というのはこの手のオチが大嫌いだから。先の2冊でとんでもない(褒めてます)作家だと認識していたので許せてしまえましたが。
この作品が発売当時評価二分だったというのは理解できます。

No.155 7点 レッドキング 2018/05/31 21:41
つまるところは叙述密室トリックね。これが京極の最高作かもなあ。

(2021/4/12 再々読、追記。) あの超常能力持ったキャラを「証人」に添えることで、ただのズッコケネタを叙述トリックにまで仕立て上げた部分、画期的だとあらためて痛感。点数は・・変わらず。

No.154 8点 羊太郎次郎吉 2016/10/20 07:11
映画を先に見ていたのでキャラクターの容姿描写に驚いた。榎木津は言うまでもないけど、久遠寺涼子って40歳近くの女優さんが演じてなかったっけ?原作では実年齢が28歳で見た目年齢が18歳らしいけど。当時の28歳の女性の世間からの扱われ方や物の考え方が今で言えば30代の後半に相当するから、というのが理由なのだろうか。

というか主人公が学生の時美少女をレイプした経験があるって…いいのかこんな設定。

No.153 6点 斎藤警部 2016/09/10 00:57
明快な書きっぷりで読みやすいこと読みやすいこと。長さは全く苦にならず。薀蓄も余分の領域まで入らず空回り完全回避。しかし分量の割に小説としての情報量は意外と少なく、文章が(質は高いが)どこかで相当の冗長回路を走り回っているのではないかドストエフスキーじゃあるまいし、と疑いの苦笑も漏れる。それでも読みやすい面白い。ストーリーも意外とシンプル、というより話が交錯していないように見せるのが上手いのか。NAPさんの仰る「あんまなにも考えず、読みごたえのある長編」、これだと思います。かなりの昔、何かで「さいきん京極夏彦の作品が人気なのは、読者に(登場人物や設定などの)細かい前提を新しく記憶するだけの力が下がっているからではないのか?その点、京極の長大な作品なら一度前提(ゲームのルール)を憶えてしまえば延々と同一前提の同じ物語に浸り続けられるから楽だ」みたいな主旨の論評を見ましたが、前半の「読者がバカになった(?)」はともかく後半の「楽に読み続けられる」には同意。しかしながら無闇に話が長いだけではなく、Mohicantさん書かれている通りこの文章量があるからこそ火を噴きそうにドラスティックなこの突貫型真相を(少なくとも一部の読者には)納得させ得る、質だけでなく量も重要なファクターであるのでしょう。大泉耕作さんの言及された「解決の章におよそ百ページ費やされた分、非常に丁寧な解決」というのも、トリックを(少なくとも一部の読者には)無理筋に見せず腹落ち納得させるための手段の一つではないでしょうか。『ギリシア棺』の「長さで勝負」要素にも通ずる。でも意外と普通の面白さだった、私には。絶賛とも罵倒とも行かないわ。 どことなく山田風太郎を思わせる疾風怒涛のうねりまくる大結末だったけど、風太郎の底無しの業の深さは感じなかったわ。
↑ 私のコメントも作品に似て、短い主旨を長々と書いちまいました。フラクタル構造か!

ワトソン役があからさまに信用出来ないのはなかなかだね。「密室自体がより大きな密室を構成」みたいなとこはちょっとシビれた。登場シーンで如何にもおどろおどろし気だったある人物が最後には妙に明るく滑稽な役回りに落ち着いたのは微笑ましかった。男にはまだ堪えられる悲惨事だった、って事の象徴か。

うっすらと「向日葵の咲かない夏」を思い出させる一作。夏が過ちを誘発する季節だからでしょうか。

No.152 8点 風桜青紫 2016/07/16 01:34
驚嘆した。冒頭から続く妖しげな雰囲気に飲まれ、密室の結末に息を飲む。批判的な意見も多いようだが、こんな無茶をやりとげてしまう作者の技量には舌を巻くばかり。当然の8点である。

No.151 5点 nukkam 2016/06/03 17:33
(ネタバレなしです) 綾辻行人の「十角館の殺人」(1987年)に端を発した本格派推理小説の大流行の中、数多くの作家が登場しましたが1990年代で最も注目を浴びた存在の1人が1994年発表の本書でデビューした京極夏彦(1963年生まれ)でしょう。もっとも必ずしも一般受けしないのはまず著書の分厚さで、百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズとも呼ばれますが作者はその呼称を気に入っていないそうです)第1作でもある本書は講談社文庫版で600ページもありますが実はこれでも薄い部類で、1000ページを超す作品が珍しくないのです。また一部で「妖怪ミステリ」と紹介されているのも読まず嫌いを誘発していると思います。本書の謎解きは極めて合理的なもので本当に妖怪が容疑者になったりするするものではありません。とはいえ妖怪に関する知識や情報は半端ではなく、単なる物語の添え物でもありませんが。文章は明快で探偵役の京極堂も意外と気さくな面を見せていますが、むしろワトソン役である関口巽(せきぐちたつみ)の方が結構問題でした。非常に不安定な心理状態の上に、時に観察者としての信頼性を欠くことがあるので結局読みにくい作品になっています。この厚さで事件性がなかなか見えてこないプロットもミステリーとして冗長な印象を与えています。終盤はなかなか盛り上っていますけど。

No.150 8点 龍樹 2016/02/13 17:55
基本点:5点
ユニークな密室設定に:+2点
耽美ブンガクとミステリの見事な融合に:+1点
合計:8点

「過剰な」証人と「不足の」証人による密室の構成の妙。

No.149 6点 CHABI 2015/02/15 00:26
ストーリーは好きです
それにしてもすごい知識
ある方から「ミステリとして読むのではなく、エンターテインメントとして読む作品」と紹介されましたが、まさにその通りかと
ただ、読みづらいですね

No.148 6点 いいちこ 2014/07/31 09:34
京極堂が延々と語る薀蓄が単なるペダンティズムではなく、作品世界の説明や真相の伏線として必要不可欠である点等、想定以上に緻密に構成されている印象。
確かに乱暴な点はあるものの、許容できないほどアンフェアだとは思わない。
冒頭の認識論における心と脳の共犯関係は真相を強く示唆するものだし、榎木津の「見たままじゃないか。謎なんかない。馬鹿馬鹿しい。帰る」はミスディレクションとして強烈に機能しており鮮やかな印象。
ただ、使用されている複数のトリックはことごとく、夢オチ同然とまでは言わないまでも、それを持ち出したらどんな不可能犯罪でも説明可能という類のもの。
事態の不可解さが圧倒的であるだけに、それとは裏腹に解決がチープに感じられる点は否めない

No.147 7点 あんこう 2014/04/11 14:06
魍魎に比べると、読むのが少しつらい。

No.146 6点 ボナンザ 2014/04/07 22:47
圧倒的力業。この頃はまだ読んでて手が痛くなるようなことはなかった。


京極夏彦
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