皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格/新本格 ] 魍魎の匣 百鬼夜行シリーズ |
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京極夏彦 | 出版月: 1995年01月 | 平均: 7.92点 | 書評数: 146件 |
![]() 講談社 1995年01月 |
![]() 講談社 1999年09月 |
![]() 講談社 2005年06月 |
![]() 講談社 2008年05月 |
![]() 双葉社 2010年06月 |
No.146 | 7点 | みりん | 2023/05/28 11:56 |
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姑獲鳥の夏が合わなかったのと分厚いのでなかなか食指が動かなかった。が、読み始めると1000ページもあるのに、作者の筆致に酔いながら2日で読み終わった。
【ネタバレあります】 すごい作品であることは間違いない。ラストの匣の中でのやりとりは心を揺さぶられた。魍魎の意味、そして"向こう側"はおそらく京極夏彦以外が書くと陳腐になっただろう。 読後感は悪いけれど、雨宮の救済的エンドは嬉しい。 |
No.145 | 8点 | 密室とアリバイ | 2023/05/02 19:46 |
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今読んだら楽しめた |
No.144 | 7点 | ミステリ初心者 | 2022/04/23 00:38 |
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ネタバレをしております。
純粋な本格推理小説というよりかは、広義でのミステリーです。ホラーとして読んだ方が楽しめると思います。 戦後の雰囲気、妖怪や宗教や占い霊能力の話、カナコ殺人未遂事件にバラバラ殺人事件、カナコ消失、木場の恋(?)、久保の狂気…長さに見合った、濃厚な作品でした。京極堂のいう通り、推理小説的には一本の事件でもなく一人の犯人でもありません。しかし、それぞれの要素がうまく物語に絡んでおり、よくまとまった印象なのは素晴らしいです。 また、個人的には、姑獲鳥の夏にくらべて読み易さが向上した印象があります。これは原因がよくわかりませんが、姑獲鳥の夏は鬱ぎみの関口による主観文章が大半であり、すこし暗かったように思えましたが、それに対し今作は鳥口や榎木津など明るくて面白いキャラクターの出番も多かったせいかもしれません。 推理小説的要素について。 大きなトリックや論理的犯人当てはありません。カナコの消失トリックも、さんざん伏線があったので、発想自体は気づきました。ただ、あそこまで大幅に取り除かれていたとはまったく予想できませんでしたが…(涙)。 消失トリック自体よりも、美馬坂のしていたこと自体がおぞましく感じられ(そう感じること自体が間違っているかもしれませんが)、ホラーの感じが強いです。久保の狂気や、手術をして箱に入ったときの主観文章は、どこか乱歩の有名作品と同じような気持ち悪さを感じてしまいました。カナコのこともあり、後味が悪い作品ではありますね(涙)。 そういえば、雨宮はどうなったのでしょうね…? 総じて、推理小説的要素に関しては薄いですが、ホラーとしてみた場合は厚みがある作品でした。トリック自体よりも、それを利用した物語の組み立てが素晴らしく、姑獲鳥の夏よりもさらにオリジナリティも感じました。 ホラー作品は推理小説的技術の評価がしづらいので、話の面白さや個性で点を上下させようと思いますが、なかなか良かったので7点としました。 |
No.143 | 10点 | じきる | 2020/08/23 18:02 |
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ミステリの枠を超えた極大エンタメ。
初めて読んだ時の衝撃と、彼岸を垣間見たような感覚は忘れられません。 |
No.142 | 6点 | ミステリーオタク | 2020/07/04 06:49 |
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休肝日の睡眠導入薬として利用させてもらった。
変な夢をたくさん見ることができた。 |
No.141 | 8点 | 雪の日 | 2020/04/15 15:08 |
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面白いけど、トリックはダメかな。 |
No.140 | 2点 | mays | 2019/05/19 21:39 |
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つまらなかった、いやあつまらなかった.ムダに長い |
No.139 | 9点 | モンケ | 2019/03/15 12:22 |
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「押絵と旅する男」オマージュ、転倒された「妖魔の森の家」、耽美幻想文学とSFとホラーとミステリーの見事なる融合。
これぞ日本文学史上の傑作の一つと言うべし。 |
No.138 | 9点 | monica | 2019/02/22 21:49 |
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まずは人物の描写がスゴい。
この作家の特徴でもあると思う。 その上、展開力がスゴい。 謎解き、トリック、という言葉を軽々しく 使えないほど、真相は悲劇であり、 「匣」は色々な人を狂わせた。 前作に比べドラマ性が高いと感じた。 そしてシリーズにハマったことが幸せだった。 |
No.137 | 10点 | mediocrity | 2019/02/21 21:24 |
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こんなに話を広げまくって纏まるのかとハラハラしましたが、序奏や間奏曲のような部分までもが回想されつつ最後には見事に収束したのには驚きました。 |
No.136 | 5点 | バード | 2019/02/11 15:14 |
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読んでて疲れた。
なんつーか作者と相性悪いのかなという感じ。まぁ、このことについてはデビュー作も読んでから判断しよう。 大した事件でないものを組み合わせて複雑に見せてる。加奈子殺人未遂もしかけなし、ばらばら殺人の犯人も意外性なし、須崎とか雨宮とかの犯行も行き当たりばったりと、雰囲気でごまかしてるけど面白くない。結局しょぼいものを組み合わせてむりやり読めるものに仕上げたって感じなんだよなあ。奇しくもばらばらを併せて一つの人体だよと見せられた感じといえばいいのかな。 京極堂の薀蓄もへぇーとは思うけど、それほど魅力的に感じず、わずらわしい。他のキャラも共感しにくい奴が多すぎる。 長い話だが、最後まで一気に読ませる力はあったので、その分+1点して5点で。 愚痴ばかりになりそうなのでこの辺でやめます。 |
No.135 | 8点 | 斎藤警部 | 2018/10/31 22:58 |
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「お弁当」という当たり前の単語が・・・こんなにも・・・・(本の形状じゃありません)
処女長篇『姑獲鳥の夏』に違わずというか、ぶれないスタイルですが、内容の深さは結構な差で二作目のこちらと感じました。読みやすさは変わりません。まるで大衆文学の理想郷です。 読中ふりかえるたび、驚きと背中合わせの納得と、引き換えに却って深まる謎。。。そこに時系列操作への確固たる意志。この長い長い物語の中でそいつをやられるとクラクラ来る度合いも殊更に罪深い。やはり、小説分量もトリックのうち、と来やがるんですね。 探偵役候補が四人もいるかの如き麻雀蜃気楼も心地よし。気になる気になる”前半部略”連打も効きました。 そこへ来て今度は”以下略”の、奥が見えぬ追撃。。 「あんたの言葉はーーー 少しは届いていたぜ」 「今朝ーー 五つになったんだ」 消失トリック。 その片側は驚くほどショボイもの。 中盤のオカルト談義では近年のLGBT論に通じる痛恨の”誤解解きたい”ディザイアーの蠢きが刺さりました。 しかし、警察手帳に入れてたんかい、「それ」(笑)。 消失トリック。 ところがもう片側の。。。。。。。。。。。。。。。。 |
No.134 | 6点 | レッドキング | 2018/05/31 21:39 |
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つまるところはSF密室トリックね |
No.133 | 10点 | 邪魅 | 2017/02/26 15:43 |
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徹夜明け、そろそろあたりも明るくなってきたかなあって頃に読み終わり、真相の衝撃ったらなかったですねえ
確かに人体消失の謎を解くにはそれなら有りうる、さもありなんというところですか しかし普通そんなこと考えないですよ だからこそ凄い 魍魎の匣というタイトルも凄い 妖怪が好きな分なおさら思いました |
No.132 | 10点 | 羊太郎次郎吉 | 2016/10/20 07:18 |
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国内ミステリ界におけるグロ系ミステリーの最高峰。事件もグロいが人間関係や登場人物の考え方もグロい。姑獲鳥の夏の衝撃も吹っ飛ぶ京極夏彦の最高作品。
陽子には死刑になって欲しいのだけど、何年かしたら出所してくるのかな。死にかけの母親をいびり倒し父に迫り加奈子の夜遊びを放置し仕方なかったとはいえ周りを騙し続けた罪は、考えようによっては久保や父親より重いと思うんだが。 |
No.131 | 7点 | 風桜青紫 | 2016/07/16 01:39 |
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ながったらしい話だが、文章や会話がいちいち面白いのでスラスラ読める。トリックについては驚いたという意見も多いようだが、(かなり異様ながら)既出のトリックの派生という印象が強かったので、『姑獲鳥』ほどの衝撃はなかった。しかし作品全体のバランスはこちらのほうが上か。島田荘司と並ぶ天才バカミス作家である。 |
No.130 | 7点 | 龍樹 | 2016/02/13 18:02 |
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基本点:5点
エスエフ的な密室トリックに:+1点 怪奇譚とミステリの融合に:+1点 合計:7点 話としては「姑獲鳥の夏」より豊かだが、肝の部分では一歩譲っている。 |
No.129 | 10点 | ロマン | 2015/10/21 14:51 |
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事件は別々に起こる。人身事故から物語は始まる。一方ではバラバラの腕や脚が見つかり、他方で死にかけの人間の誘拐が起こり、また違うどこかでは霊能者が魍魎を操り金銭を預かる。それらの別々の事件は、匣という共通点を持ちながら、どこかで繋がり、しかしどこかに齟齬がある。それはまるでオカルトの様に。事件の断片は、ブラックボックスに詰め込まれて、全てが同じものとしてレッテルを貼られる。そのひとつひとつを、その境界面を解き明かして解きほぐして、言語化する。そのミステリをミステリたらしめた境界面たる「魍魎」に乾杯。 |
No.128 | 4点 | CHABI | 2015/03/07 20:34 |
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この作品が高評価なのは理解出来た気がしましたが、
私には合いませんでした。 読後、眩暈がするほど気持ち悪くなりました。 |
No.127 | 7点 | いいちこ | 2015/01/06 20:11 |
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「そう。動機とは世間を納得させるためにあるだけのものに過ぎない。犯罪など―こと殺人などは遍く痙攣的なもんなんだ。
真実しやかにありがちな動機を並べ立てて、したり顔で犯罪に解説を加えるような行為は愚かなことだ。 それがありがちであればある程犯罪は信憑性を増し、深刻であればある程世間は納得する。そんなものは幻想に過ぎない。」 真実はそうなのかもしれないが、動機の合理性を構成要素の一角として認めてきたミステリの歴史と読者に対する強烈なインパクトではないだろうか。 これが著者の持論なのか、主人公の想いなのか、 プロットの一環として淡々と描いたものか、麻耶雄嵩を彷彿とさせるようなミステリのあり様に対する痛烈な皮肉なのか。 この点は他の作品も追いながら確かめたい。 ただこの一節が本作の真相を示唆する秀逸な伏線となっているのは間違いない。 「姑獲鳥の夏」も同様で、「本筋に関係ない蘊蓄が長い」と批判されるが、著者の作品は一見して本筋に無関係と思える部分が、真相を導く伏線やプロットの前提条件となっており、量は多いが無駄ではないというのが公平な評価だと思う。 場面を転々とさせながら事件を断片的に語っていく前半部分も、確かに読み辛い構成ではあるものの、事件解明の効果を最大化するための構成の妙と解し評価。 ただ真相の衝撃度は高いものの、プロットの合理性・納得感、謎解きの論理性、トリックの実現可能性等の点で減点せざるを得ない。 著者がそこで勝負していない点は百も承知のうえで。 作品自体が難解であること、世評があまりにも高いこと等も含め、評価が非常に難しいが、一個の読み物としては評価したうえで本格ミステリとしてはこの評価に落ち着いた。 読み手の志向によって評価が分かれる作品 |