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[ 短編集(分類不能) ]
D坂の殺人事件
明智小五郎シリーズ(ノンシリーズ編をふくむ短編集の評もあり)
江戸川乱歩 出版月: 1962年01月 平均: 5.67点 書評数: 18件

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春陽堂
1962年01月

東京創元社
1987年06月

新潮社
1996年03月

筑摩書房
1998年05月

KADOKAWA/角川書店
2016年03月

集英社
2016年05月

No.18 6点 みりん 2024/09/13 00:08
日本最古の密室もの(1925)らしい。ソースはwikipedia(^^;)
海外ではポー、ドイル、ルルーなどが既に優れた密室を生み出していた中、本作の功績は「日本の家屋で密室を成立させるのは不可能」という定説を覆したことらしい。ほんとですか?じゃあ+1点しとくか。
全体的に『モルグ街の殺人』の影響が色濃く出ているのを感じますが、真相のぶっ飛び具合で遠く及んでいないという印象。明智小五郎という探偵が有名になりすぎてしまったのも一つの弊害か。
密室ものだけどその構築方法は肩透かしで、HowよりWhyの方がはるかに印象に残りました。

No.17 6点 makomako 2023/01/30 19:40
 江戸川乱歩と言えば子供の頃(60年ぐらい前)怪人二十面相を読んだ(当時テレビでもやっていたのです)記憶が強くその時の名探偵明智小五郎はかっこよくスマートな印象でした。ところがこの小品集では金田一耕助風の容貌であったりしてだいぶんイメージが違っていました。
 時代が古い作品ですから、当然社会環境なども違い違和感があるところもありますが、私にとってはまああまり問題はなかった。
 短編であることも影響しているとも思いますが、小説が意外なトリックのみで成り立っています。本格小説は当然こういった風なのですが、当時の多くの読者からばかばかしい子供だましとか、人間が書けていないとか批評されて、一時衰退。その後の新本格の登場を待たねばならなかったのも何となくわかるような気がしました。

No.16 7点 斎藤警部 2020/04/15 18:33
二癈人/D坂の殺人事件/赤い部屋/白昼夢/毒草/火星の運河/お勢登場/虫/石榴(ざくろ)/防空壕  (創元推理文庫)  

道徳ってのは一大事なんだなあと思いが沁みわたる。 道徳律あってこその不道徳ファンタジーでいっぱいの短篇集。 

変格の鬼、乱歩さんの本格力作「石榴」はグッと来る。旅情も効いている。 「虫」の馬鹿に悍ましい展開には初期アシュ・ラ・テンペルがよく似合う。 「表題作」地味ながら堅実。 何度読んでも笑っちゃう「某作」。 どれも読んでも損は無がっぺ。

No.15 6点 mediocrity 2019/02/24 17:38
これトリックはものすごく簡単なんですけど、恥ずかしながら全く分かりませんでした。
そういう行為が完全に頭の中から抜け落ちていた。作者が羽田圭介先生なら一瞬で分かったでしょうけど。

No.14 7点 青い車 2016/01/22 22:50
先日、NHKで表題作のドラマ版を視聴しました(明智小五郎役はなんと満島ひかりさんです!)。真相は動機の異様さ意外にあまり見るべきところがないように思えますが、僕が感心したのは明智が語り手のダミー推理を否定をする手法です。実際に行われた実験を書物から引用し、人間の記憶がいかに曖昧で頼りにならないものかを証明しています。そこが現実の殺人事件からの分析を多用したヴァン・ダイン作品を思わせ、当時の日本では非常に先鋭的なものであったでしょう。
表題作以外では、ツイストの利いたすり替わりものの『石榴』が印象的でした。

No.13 5点 ボナンザ 2014/04/07 22:14
よくこれを密室ものと評する人がいるが・・・。特に密室なわけではない。
おもしろい思いつきではある。

タイトルに偽りありな気もするが、直したら即ネタバレになってしまうだろう。

No.12 5点 バード 2014/02/22 10:08
乱歩さんの作品の中ではイマイチ、ダミーの推理とは言っても縞々の服って・・・。まぁ特に言うことはない。

No.11 4点 haruka 2013/02/06 02:38
明智初登場という以外に特筆すべき点がない。

No.10 5点 蟷螂の斧 2013/02/05 15:27
動機については、当時としては秀逸だと思います。タブー?、衝撃的な内容?だったのかもしれません。ただ残念なのは、殺害に至る状況(自白)が省略されていることです。物音は立っていない、、着物の乱れもない、そして絞殺体がある。果たしてどのような状況でこうなったのでしょう?

No.9 4点 E-BANKER 2012/12/20 22:23
表題作を中心とした大乱歩の初期作品を集録した短編集。
今回は創元文庫版にて読了。なお、集録されてある「蟲(虫)」、「石榴」は他の短編集で書評済みのため割愛。

①「二廢人」=夢遊病者の犯罪というのがいかにも乱歩らしいが、エログロとは無縁で、実にすっきりした短編らしい作品。ただ、ラストのサプライズはちょっと蛇足気味だと思うが・・・。
②「D坂の殺人事件」=乱歩が創造した名探偵・明智小五郎の初登場作品として有名なのが本作。明智と視点人物の2人の目が光る古書店で殺人が起こる、ということでこれは準密室殺人を扱った作品ということだろう。ただし、この真相はかなり疑問符というか全くすっきりしない。動機もトリックもはっきり言ってお粗末。視点人物が指摘したダミー推理の方がよっぽど合点がいくのだが・・・。まぁ歴史的価値を重視すべき作品なのだろう。
③「赤い部屋」=これは何とも幻想的。こういう手の作品を好む人もいそうだが、個人的にはあまり感心しなかった。
④「白日夢」=これはショート&ショート。
⑤「毒草」=これもショート&ショート。あまり切れ味を感じないが・・・
⑥「お勢登場」=プロットはよくある手のやつ。ただし、ラストの切れ味がやや鈍い。
⑦「防空壕」=これも幻想的と言っていいのか? 男なら普通気付くだろっ!

以上9編(2編は書評済)。
①~⑥は大正年間。⑦は昭和30年代とやや発表年に開きがある。(書評済の2作は昭和一桁年代)
全体的には、他の有名作品に比べると一枚も二枚も落ちる作品という感じ。
乱歩という懐の深い作家を知るためには、こういう作品もあるよということなのだろうか。
まぁ、高い評価はできないよなぁ・・・
(①はまずまず。②は名前負け。後もイマイチかな)

No.8 7点 itokin 2010/12/22 09:47
乱歩の初めての密室物、初登場の明智小五郎、これにめぐり合えただけでも楽しく読んだ。大仕掛けはないが短編では評価できる。

No.7 5点 2010/12/20 10:54
今では、本格派推理小説としてほとんど評価に値しない作品です。時代とともに読者の目が肥えてきたせいもありますが、現代の作家なら、たとえ短篇でももっとうまく作りこむはずです。でも読者に寄り道させる展開は面白いし、ウィットに富んでいるところが好ましくもあります。

No.6 4点 江守森江 2009/05/24 08:47
これも「心理試験」と同じ本に収録されてた。
当時、本格探偵小説の代表作扱いだったが、これなら二十面相のがいいな、と子供心に思った。

No.5 6点 シュウ 2008/09/26 22:53
着物の色のあたりは現代だとちょっとアンフェアなんじゃないかと思います。
明智小五郎のデビュー作ですが、この時点での明智は金田一耕助にそっくりです。
フケをとばしたりどもったりまではしませんがw

No.4 7点 深夜 2008/04/03 16:28
真相は御愛嬌といった感じですが、個人的には結構好きです。短編ですが二転三転する展開は見事で、途中明智が本当に犯人だと思ってしまった。

No.3 5点 白い風 2008/03/30 16:46
名探偵明智の誕生作品ですね。
作品中にも話題になりますが、ポーの「モルグ街の殺人」をモチーフとして作られています。
モルグ街は聴覚による証言、D坂は視覚による異なる証言。
ただ、今読めばミステリとしては不完全燃焼な気がしないでもないですが。

No.2 6点 Tetchy 2008/03/15 00:01
こういう作品を読むと、つくづく乱歩は短編作家だと思う。
本当に書きたかった本格探偵小説は短編でしか成しえてなかったようだし。
一連の長編は通俗犯罪小説の域を脱していないし。

No.1 7点 あい 2008/03/06 23:19
乱歩にしては推理寄りの作品である。 これといったトリックはないが面白い作品であるので読んで損はない


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