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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
吸血鬼
明智小五郎シリーズ
江戸川乱歩 出版月: 1969年01月 平均: 5.80点 書評数: 5件

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講談社
1969年01月

講談社
1979年01月

春陽堂書店
1987年09月

講談社
1988年12月

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No.5 6点 斎藤警部 2024/10/20 22:44
「では、君は、この事件が、殺人事件ではないというのですか」

ほんとそれ。 乱歩さんの通俗はホンマしょうもないでえ~~(笑) 美青年と美中年が子持ちの美女を巡って毒薬決闘するシーンから始まって、硬派じゃない軟派な荒唐無稽のズンドコ展開はくだらない面白さでいちいち腹こわす。 だが火葬場地獄のビダビタした描写は良かった。 丁度その辺りから物語もグインとギアを上げやがり、尻上がりに渋さを増して来た。 ラストクウォーターに至り、地の文のあまりに玄妙な唆(ソソノカ)しに心奪われるシーンも現れる。 至極いい感じである。

「二人? いや、三人ですよ」
「四つ? いったい何を調べようというのです。 誰の死骸です」

やがて眼前に展開される、劇場型犯罪ならぬ、劇場型解決の旋風(by アチチゴゴロ)。 あまりといえばあまりに後出しが過ぎる、秘められた犯行動機も許せよう。 攻守スイッチのバカに激しい最後のドタバタ。 ずっしり来る、中身の濃いエピローグ(最終章)。 これがもし本格ミステリ流儀で書かれていたら、相当ヘヴィな衝撃を齎(モタラ)す真相暴露になっていたかも。 いわゆる吸血鬼が出て来る話ではありませんが、 The Sex Pistols “No Lip” を思い出させる怪人物は登場します。

“どんな美しい娘にもせよ、死骸などに用のあるはずはないのだから”  ← ・・・ どの口が ・・・

No.4 5点 ボナンザ 2014/04/07 21:56
荒唐無稽な内容でここまで読ませるのは乱歩の筆力の偉大さである。
明智小五郎のファンであれば、小林少年のデビュー作であり、文代さんとの結婚もある本作を読み逃してはいけない。

No.3 5点 haruka 2013/11/17 17:01
推理小説としては破綻しているのだが、それでも読んでしまいます。

No.2 5点 songpu gu 2013/05/11 01:05
乱歩の長編物ですが、文代と人形の取替えや、天井から短剣を投げ、胸に2度とも上手く刺して絶命させる類のトリックには少し粗さを感じざるを得ません。
それに犯行現場での隠し部屋や抜け穴などが2・3多用されている点や、宝石事件の完全な後付けなどは推理物としてそれほど感心できるものではないですね。まあ文代さんと小林少年の活躍は多少楽しめましたけど。

No.1 8点 シュウ 2008/10/08 19:30
乱歩の通俗長編小説ではかなり好きな方です。辻褄がなんか合わない所もありますが、次から次に起こるいかにも乱歩らしい猟奇的な事件や、
文代さんの活躍など読んでて飽きません。特に生きたまま棺おけに入れられて火葬されそうになるヒロインとその息子の場面はトラウマです。
その後も恐ろしい思いをしたにも関わらず、なぜか全然反省しなかったヒロインもトラウマです。


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