海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
緑衣の鬼
江戸川乱歩 出版月: 1949年09月 平均: 5.25点 書評数: 4件

書評を見る | 採点するジャンル投票


光文社
1949年09月

桃源社
1962年01月

講談社
1979年07月

東京創元社
1996年11月

光文社
2004年05月

沖積舎
2008年08月

No.4 6点 弾十六 2020/02/23 16:26
初出「講談倶楽部」昭和11年(1936)1月号~12月号(12回連載) 創元文庫(乱歩16)の電子版で読みました。連載当時の挿絵(前半は嶺田 弘、後半は伊東 顕)を全て収録してるのが非常に良いです。
フィルポッツ『赤毛のレドメイン』(1922)の翻案、といってもかなり手を入れてるので半分オリジナルと言っても良いでしょう。冒頭は映像的効果抜群。犯人像が奇矯過ぎて、ファンタジー味が強くなっている。望遠鏡で蛮行を覗くシーンが素晴らしい。全体的な雰囲気は映画とか漫画とかに似た娯楽重視の軽本格探偵作品、といった感じ。「真犯人」中のp3610の説明が丁寧に感じたのですが、まだアレはあまり知られてなかったのかな。
以下トリビア。
現在価値は、都市部物価指数基準1935/2015(1804倍)で換算。(文庫は400倍換算だが、国家公務員初任給が1935年75円、2015年181200円で2416倍)
p837/3943 資産は百万を下るまい: 18億円。
p1419 電話の便利もない: 寒村には普及していなかった。
p1596 二十円: 三万六千円。伝言の駄賃。
p2269 ポオの『盗まれた手紙』: 意外な引用… (いやいや意外ではないですね)

No.3 4点 レッドキング 2018/11/15 19:29
これ先に読んじゃったせいで 本歌と言われる「赤毛のレドメイン」の方を読む気が失せてしまった

No.2 5点 ボナンザ 2014/04/07 22:21
赤毛のレドメイン家ってこんな話だったか・・・?
例によって乱歩の独自色が色濃く出ているので、原作を読んだ人でも違和感なく楽しめるはず。

No.1 6点 E-BANKER 2011/04/24 19:48
フィルポッツの名作「赤毛のレドメイン家」を翻案した小説として有名な本作。
明智小五郎ではなく、乗杉龍平という素人探偵が登場。
~銀座の街頭で奇禍に遭ったところを救われ、連日の不穏な出来事を訴える可憐な女性、芳枝。人妻と知りつつも探偵作家大江の胸は騒ぐ。その翌日、緑衣の怪人物に襲われる芳枝夫妻。1か月後、夫を喪い伊豆で傷心を癒す芳枝から便りが届くが、またも緑衣の影が・・・~

なんと言うか、実に「乱歩らしい」作品ですよねぇ。
①美しい女性が登場し、主人公がその美しさにまいる。②その女性が何らかの犯罪に巻き込まれる。③周りの人間は殺されていくが、その女性はなんだかんだいいながら殺されず助かる。④もちろん真犯人は「○○○」・・・
もはや分かりきった展開で、分かりきったラストを迎えます。
トリックは恐らく成立しないんじゃないかというものも多い。特に「腹話術」・・・普通、気付くだろ!(乱歩を読んでると、「腹話術」万能かと思わされる)
などと貶してしまいましたが、もちろん乱歩らしい「ハラハラ・ドキドキ感」を堪能できるという長所もありますし、ラストに向け徐々に盛り上げ、読者を惹き付ける展開にも唸らされます。
ロジックで凝り固まったパスラー小説に飽きたら、こんな作品を読んでみるのも一興かもしれませんね。
(全身緑ずくめの男・・・本当にいたらかなり怖い!)


キーワードから探す
江戸川乱歩
2019年07月
偉大なる夢
平均:7.00 / 書評数:1
2017年06月
吸血鬼の島 (江戸川乱歩からの挑戦状―SF・ホラー編)
平均:6.00 / 書評数:1
2016年06月
江戸川乱歩名作選
平均:6.00 / 書評数:1
2008年07月
芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2
平均:6.25 / 書評数:4
2008年05月
人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1)
平均:7.00 / 書評数:1
1998年07月
江戸川乱歩全短篇<3>怪奇幻想
平均:7.00 / 書評数:2
1998年05月
江戸川乱歩全短篇<2>本格推理(2)
平均:6.00 / 書評数:1
江戸川乱歩全短篇<1>本格推理(1)
平均:6.00 / 書評数:1
1997年10月
蠢く触手
平均:5.00 / 書評数:1
1995年10月
人でなしの恋
平均:3.50 / 書評数:2
算盤が恋を語る話
平均:4.67 / 書評数:3
1988年03月
湖畔亭事件
平均:4.67 / 書評数:3
1988年02月
恐怖王
平均:1.00 / 書評数:1
幽鬼の塔
平均:5.33 / 書評数:3
1987年11月
蜘蛛男
平均:5.75 / 書評数:4
1987年08月
魔術師
平均:5.83 / 書評数:6
1984年10月
日本探偵小説全集(2)江戸川乱歩集
平均:10.00 / 書評数:1
1982年11月
一寸法師
平均:4.25 / 書評数:4
1979年02月
幽霊塔
平均:4.60 / 書評数:5
1974年06月
地獄の道化師
平均:6.11 / 書評数:9
1973年09月
陰獣
平均:7.25 / 書評数:20
1973年06月
黄金仮面
平均:4.11 / 書評数:9
1972年11月
悪魔の紋章
平均:5.00 / 書評数:2
1972年07月
猟奇の果
平均:4.00 / 書評数:2
1972年01月
白髪鬼
平均:5.50 / 書評数:2
人間豹
平均:4.33 / 書評数:3
1971年01月
二銭銅貨
平均:6.40 / 書評数:20
1970年09月
魔法人形
平均:5.00 / 書評数:2
1970年01月
化人幻戯
平均:5.86 / 書評数:7
暗黒星
平均:5.11 / 書評数:9
1969年01月
地獄風景
平均:2.00 / 書評数:2
パノラマ島奇談
平均:6.07 / 書評数:15
妖虫
平均:6.00 / 書評数:3
大暗室
平均:6.00 / 書評数:3
屋根裏の散歩者
平均:6.11 / 書評数:9
吸血鬼
平均:5.75 / 書評数:4
孤島の鬼
平均:7.21 / 書評数:24
1968年01月
影男
平均:5.83 / 書評数:6
黒蜥蜴
平均:6.00 / 書評数:10
1964年10月
奇面城の秘密
平均:4.50 / 書評数:2
1964年08月
怪奇四十面相
平均:4.50 / 書評数:2
少年探偵団
平均:5.25 / 書評数:4
怪人二十面相
平均:6.33 / 書評数:6
1962年01月
D坂の殺人事件
平均:5.65 / 書評数:17
1961年01月
大金塊
平均:5.50 / 書評数:2
盲獣
平均:4.17 / 書評数:6
1960年12月
江戸川乱歩傑作選(新潮文庫)
平均:7.12 / 書評数:8
1959年01月
月と手袋
平均:5.00 / 書評数:2
1957年01月
江戸川乱歩短篇集
平均:6.50 / 書評数:2
1955年01月
十字路
平均:6.00 / 書評数:2
1953年01月
三角館の恐怖
平均:5.89 / 書評数:9
1952年01月
心理試験
平均:7.44 / 書評数:18
1949年09月
緑衣の鬼
平均:5.25 / 書評数:4
1948年01月
闇に蠢く
平均:6.00 / 書評数:1